【1/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
186: 名も無き被検体774号 2014/07/14(月) 01:08:20.67 ID:BIW9hj96i
ドキドキ…
187: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 01:08:26.29 ID:cLHnL3TiO
おばさん「お母さんどう言うことですか?
あの子達を泊めるなんて勝手に決めないで下さい。
うちには受験を控えた娘がいるんですよ。」
隣の部屋から会話がまる聞こえだ。
カズエおばさん「せっかく頼って来てくれたんだよ。」
おばさん「駄目に決まってるでしょ。
どこの誰かも分からないのに。」
カズエおばさん「他人じゃないの。
ヒロシ(息子さん)には私からちゃんと話しておくから。」
おばさん「私には他人です。
私は反対ですから。」
191: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 01:15:59.32 ID:cLHnL3TiO
激しく言い合いをしているようだ。
俺は眠っているハルを抱きかかえ、黙っておばさんの家を後にした。
そりゃそうだよな。
無理もない。
いきなり見ず知らずの人間がきて泊めてくれなんて。
他人にそんな優しくする義理なんてないよ。
それに俺のせいで、カズエおばさんに迷惑をかけるわけにはいかないしな。
何故か悲しい気持ちや辛い気持ちにならなかった。
だってさ、久しぶりに会ってハルを見て、あんなにも喜んでくれたんだ。
それだけで十分じゃないか?
夕焼け空が真っ赤に染まる。
ハルをおぶった自分の影お見ながら、二時間かけてきた元の道をゆっくり帰った。
192: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 01:32:06.27 ID:cLHnL3TiO
また結局この公園に戻っててしまった。
途中コンビニでおにぎりを一個買って、それをハルに食べさせた。
ハルも大分疲れていたみたいだ。
すぐに眠ってしまった。
財布の中身を見て憂鬱になる。
本当の無一文だ。
下を向き目を閉じて、明日からどうするかを考えた。
193: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 01:33:35.70 ID:cLHnL3TiO
ハルは保育園に連れていけばいいだろう。給食とおやつが出るからな。
とりあえず日雇いで働ければ、温かいお風呂にも入れてやれる。
お腹一杯ご飯だって食べさせてやれるんだ。
そんなことを考えながらウトウトしていた。
「俺くん?
俺くんだね?」
急に目の前が眩しくなる。
懐中電灯で照らされているんだ。
そこには眼鏡をかけた、中年のおじさんが立っていた。
195: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 02:07:57.43 ID:cLHnL3TiO
おじさん「母さんからこの辺りの公園だって聞いたんだ。
だいぶ探したよ。
こんな所で寝たら駄目だ。
小さい子供がいるんだから。
とりあえずうちにおいで」
すぐにカズエおばさんの息子のヒロシおじさんだと分かった。
196: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/14(月) 02:08:58.70 ID:cLHnL3TiO
俺「いや、でも…」
おじさん「いいからおいで。
母さんも心配して待ってるんだよ」
俺「すんません。
迷惑かけます…」
俺とハルを車に乗せてくれ、家まで連れて行ってくれた。
途中車の中で、
妻のことは気にするな。
娘が受験前で気がったっているんだ。とわざわざ気を使ってくれた。
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