1: 名無し 2025/02/10(月) 18:03:59.55 ID:tC3JxGB30

承知いたしました。あらすじを元に、物語を書き進めていきます。全てお任せとのことですので、拙者の解釈で物語を紡いでいきます。

『ご注文は恵体ですか？～なんJ民、喫茶ラビットハウスに現る～』

第一話：春は恵体と共に

桜舞い散る四月。ココアは、期待と少しの不安を胸に、下宿先の喫茶店「ラビットハウス」の扉を開けた。

「お邪魔しまーす！今日からお世話になります、ココアです！」

元気いっぱいの声が店内に響く。カウンターの中では、小さな少女が静かに本を読んでいた。彼女が、ラビットハウスの一人娘、チノだ。

「いらっしゃいませ…ココアさん、ですね。こちらへどうぞ」

チノは控えめな笑顔でココアを迎え入れた。

「チノちゃんって言うんだね！よろしくね！」

ココアは満面の笑みでチノに話しかけるが、チノは少し戸惑ったような表情を浮かべた。

「はい…よろしくお願いします」

二人の間に、どこかぎこちない空気が流れる。そんな空気を切り裂くように、背後から野太い声が響いた。

2: 名無し 2025/02/10(月) 18:04:55.31 ID:tC3JxGB30

「おう！新入りか！ワイは拙者や！これからヨロシクな！」

振り返ると、そこに立っていたのは、ココアよりも一回りも二回りも大きな、恵まれた体格の男だった。Tシャツに短パンというラフな格好で、口元には無精髭がうっすらと生えている。

（だ、誰…？）

ココアは圧倒され、言葉を失った。

「拙者さんは、うちの居候です。気にしないでください」

チノはそう言うと、再び本に目を落とした。

「居候！？え、じゃあ、この人がここに住んでるの？」

ココアは驚きを隠せない。そんなココアを無視して、拙者は勝手にカウンターに腰掛け、チノに話しかけた。

「チノちゃん、いつもの頼むで！ホットコーヒーや！」

「はいはい」

チノは面倒くさそうに返事をすると、コーヒーを淹れ始めた。

　

3: 名無し 2025/02/10(月) 18:06:17.66 ID:tC3JxGB30

（なんなんだ、この人…）

ココアは、目の前の光景に困惑しながらも、自分の部屋へと向かった。

その日の夜。ココアは、ラビットハウスでの生活について、チノに色々と質問をした。

「ねえ、チノちゃん。あの拙者さんって、一体何してる人なの？」

「…ニートです」

チノは即答した。

「ニート！？マジか…」

ココアは絶句した。

「最初は、ちょっとした手伝いをしてくれてたんですけど…最近は、一日中パソコンに向かって、何かブツブツ言ってるだけです」

チノはうんざりした表情でそう言った。

「パソコンで何してるの？」

「さあ…知りません。多分、変なサイトを見てるんじゃないですか？」

チノはそう言うと、ため息をついた。

　

4: 名無し 2025/02/10(月) 18:07:02.49 ID:AsOOVLiZ0

なら最初からホットコーヒーって言えや

　

5: 名無し 2025/02/10(月) 18:07:06.87 ID:tC3JxGB30

「そ、そうなんだ…」

ココアは、拙者に対する不安を募らせた。

その時、二人の背後から、キーボードを叩く音が聞こえてきた。

「うおおおお！逆転満塁ホームランキタアアアア！」

拙者の叫び声が、ラビットハウスに響き渡った。

「また始まった…」

チノはうんざりした表情で呟いた。

「…あの、拙者さんって、もしかして、野球が好きなの？」

ココアは恐る恐るチノに尋ねた。

「野球…？さあ、知りません。ただ、いつもあんな感じで騒いでます」

チノは冷たく言い放った。

（うーん…なんだか、よく分からない人だなあ）

ココアは、拙者に対する警戒心を抱きながら、眠りについた。

　

6: 名無し 2025/02/10(月) 18:08:06.66 ID:tC3JxGB30

翌日。ココアは、高校の入学式に出席した。新しい制服に身を包み、期待に胸を膨らませていた。

しかし、現実はそう甘くはなかった。ココアは、クラスの中で浮いてしまい、誰とも打ち解けることができなかったのだ。

（みんな、オシャレで可愛い子ばっかり…私、場違いかな…）

ココアは、早くもホームシックになりかけていた。

放課後。ココアは、しょんぼりとした顔でラビットハウスに戻ってきた。

「ただいま…」

「おかえりなさい」

チノはいつものように、静かにココアを迎えた。

「どうしたの？元気ないね」

チノは、ココアの様子を心配そうに見つめた。

「ううん…なんでもないよ」

ココアは無理やり笑顔を作った。

その時、カウンターから、けたたましい音が聞こえてきた。

　

7: 名無し 2025/02/10(月) 18:09:00.66 ID:tC3JxGB30

「うおおおお！また負けたああああ！クソ采配やめろ！」

拙者の叫び声が、再びラビットハウスに響き渡った。

（あー…もう、うるさいなあ）

ココアは、うんざりした気持ちになった。

その夜。ココアは、自分の部屋で一人、泣いていた。

（やっぱり、私、ダメなのかな…友達もできないし、学校にも馴染めないし…）

ココアは、自分の不甲斐なさに、涙が止まらなかった。

すると、ドアをノックする音が聞こえた。

「…ココアさん、大丈夫ですか？」

チノの声だった。

ココアは慌てて涙を拭い、ドアを開けた。

「…大丈夫だよ。ちょっと、眠れなくて」

ココアは必死に強がった。

「…もし、何かあったら、いつでも言ってくださいね」

チノは心配そうにココアを見つめた。

「…うん、ありがとう」

ココアは、チノの優しさに少し救われた気がした。