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勇者「用件を聞こうか・・・」 公爵「姫騎士を救い出してくれ!」 (50)(完)


8: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:43:03.77:FRHtg0hY0 (8/49)

門番A 「いいからはやく小隊長を呼んでくれ!」

門番B 「!?」

小隊長 「何事だ、騒々しいぞ・・・ 手紙を読め? 何だと言うんだ・・・ ・・・うおっ!」

小隊長 「なあ坊や、どんな奴が渡したんだ。特徴を言いなさい」

子供 「ええっと・・・ フードをかぶってて・・・ 旅人っぽい服を着てて・・・ リュックサックを背負ってたかな・・・?」

子供 「あとお菓子をくれたけど食べちゃった」

小隊長 (こりゃ手がかりに乏しいな)




9: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:45:30.80:FRHtg0hY0 (9/49)

【PART③ 一族の思惑】

公爵(長男) 「みんな集まったな。だいたいのことは使いの者から聞いたと思うが、事が事だけに確認するぞ。」

次兄 「大変なことになっちまったな・・・」

三男 「兄さん、お願いします」

執事 「どうか御無事で・・・」

公爵 「俺たちの末妹、姫騎士が何者かに誘拐された」

公爵 「親父が死んでから末妹は慈善活動に注力するようになった。で、今日も救貧院で炊き出しを行い、その帰り道で襲撃されたらしい。」

公爵 「手紙が送りつけられた。それに書いてある通りに矢の刺さった騎士団員(御者)の死体と馬車が発見された。馬はいなかった。」

公爵 「姫騎士は3000万ゴールドで返すが、もし犯人を手配・摘発すれば首飾りだけ返すんだそうだ」

公爵 「それで集まってもらったわけだ。どうすれば良いと思う?」




10: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:46:02.60:FRHtg0hY0 (10/49)

次兄 「どうするもこうするもねえよ! 憲兵隊と騎士団に命じて犯人を見つけ出しつるしちまえ!」

次兄 「姫騎士の剣術はそれなりだが頑張り屋。妹だからひいき目もあるが、亡くなったかーちゃんに似て顔もいい。」

次兄 「騎士団長の”女騎士”によく懐いたので入団させたらあっというまに国の名物だ」

次兄 「性格も良いし可愛がられる素質がある。その以前に妹が掠われたのにどうすれば良いって何言ってんだよ?」

次兄 「早く女騎士を呼び出して捜索命令を出そうぜ! 姉代わりだ、何としても見つけ出すだろう!」

三男 「次兄の兄さんの言うとおりだと思います」

三男 「妹は騎士団のマスコット呼ばわりされることもありますが民衆の人気も高い」

三男 「それに例の計画・・・ 仕事にありつけない下層民を集めて開拓地に送り込む計画ですが」

三男 「何かと文句をたれる貧民達がよく言うことを聞くようになったのは妹の手柄です」

三男 「妹は可哀想な人を助けている位に思ってますが、貧民からすれば高貴でお偉い公爵家のお嬢様が」

三男 「自分たちのためにあれこれ世話を焼いてくれる・・・ これが彼らの心を動かしました」

三男 「わたしたちの統治に反発する革命主義者達が貧民を焚き付けにくくなったと憲兵隊が分析しています」

三男 「おそらくこの者達の仕業かと。早急に兵を出しましょう」






11: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:47:31.76:FRHtg0hY0 (11/49)


次兄 「おいおい、決め付けちゃ駄目だ。あるいは魔物かも知れねえぞ」

次兄 「あいつは獣人、モンスター、亜人にも等しく接していたからそいつらにも人気なんだ」

次兄 「この間ぶっつぶされた魔王軍の残党がモンスターどもと俺たち人間の対立をけしかけようってのかも」

次兄 「どっちにしても国家反逆罪だ、叩き潰せ!」

公爵 「お前達の言うとおりだ。だが複数犯というのが問題なのだ」

公爵 「一度に全員を捕縛するなり倒すなりせねば、残りが姫騎士をどうするかわからん」

公爵 「加えて時間だ。日が経てば姫騎士がいなくなったと民衆が騒ぎ出すだろう。病気で伏せてることにしようとは思うが、限度はある。」

公爵 「おまけに手口から見て兵の中にも下手人に通じておる者がいるやもしれん・・・ どうすれば良いというのは、そういう意味なのだ」

公爵 「弟たちよ、案があるのか?」




12: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:49:44.48:FRHtg0hY0 (12/49)

次兄 「うぐぐぐ・・・ クソッタレ。手がかりはほとんどないんだよな・・・」

三男 「う~ん・・・ 確かにどうすれば・・・ 犯人を捜そうとしてるのがバレてもアウトだろう・・・」

執事 「・・・僭越ながら、わたくしに案がございます。既に私の独断で対処しつつあります」

公爵 「どういうつもりだ、私の許可もなく」

執事 「運良く勇者とコンタクトに成功しました。いつでも依頼が可能です」

公爵&弟達「「「!」」」

公爵 「でかした。すぐに来てもらうのだ」





13: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:50:16.53:FRHtg0hY0 (13/49)

【PART④ 依頼者の工夫】

勇者 「・・・」

公爵 「・・・・以上が今までに判明していることだ。」

公爵 「何者かが妹・姫騎士をさらった」

公爵 「下層民を煽ってこの公爵家に敵対させてきた連中が、邪魔になる姫騎士の排除を試みた可能性もある」

公爵 「私の領地は大規模な軍隊はなく、治安維持の憲兵隊と公爵家を護衛する騎士団しかない。」

公爵 「そのため辺境の夜盗や山賊の撃滅がなかなか難しい。そこに反動の革命主義者も入り込んでいるとの見方もある」

公爵 「あるいは魔王軍の生き残りかもしれん・・・ はっきりしないのだ」

公爵 「どちらにしてもすぐさま救出していただきたい。憲兵や騎士団は味方ばかりとは限らんので貴方に頼むのだ」

公爵 「姫騎士を救い出してくれ!」

公爵 「まずはどこにいるのかの調査が必要だが・・・」

勇者 「悪いが、俺の仕事じゃないな。」





14: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 00:52:25.73:FRHtg0hY0 (14/49)

次兄 「おい? まさか無理って言うのか?」

三男 「あの、依頼金を足しますから。探すのも手伝いますから」

執事 「そういう意味ではございますまい。救出という仕事である故にお断りされているのです」

次兄 「意味分かんねえよ、そんじゃなんで呼んだんだよ?」

執事 「私めが依頼を修正いたします。姫騎士様にこれ以上の危害が加えられないよう、この拐かしに参加・協力したものを残らず斬り捨てていただきたく存じます。これでよろしいですかな」

公爵&弟達「「「!」」」

三男 「そ、そんなことで・・・・」

勇者 「・・・いいだろう。俺の口座に送金され次第、やってみよう。」

執事 「おお! 何卒よろしくお願いいたしますぞ!」

公爵&弟達 (あ、それでいいんだ)




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