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勇者「用件を聞こうか・・・」 公爵「姫騎士を救い出してくれ!」 (50)(完)


43: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:17:51.66:FRHtg0hY0 (43/49)

【PART15 願いは届いた!】

勇者 (・・・ ”親分が1人、中堅が1人、子分が10人ね” ”それで 全員よ”)

勇者 「数が合わない!? サキュバスの数え間違いか? オークはどこだ?」

オーク 「う、うわー! うわー!」

 チャキン バシュ!

オーク 「お、おでの うでがーーー!」

姫騎士 「やっ 止めて! 止めるのです! そのオークは違うのです!」

勇者 「うん?」

姫騎士 「そのオークは言われるままにわたくしの世話をしただけです! 処断してはなりません!」

姫騎士 「貴方は憲兵か騎士でしょう、顔を見ましたわよ」

姫騎士 「オークを斬り殺せば、無抵抗の者を切り捨てたと兄公爵に告げますわ!」

姫騎士 「貴方こそ処罰されるのですよ!」




44: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:19:48.80:FRHtg0hY0 (44/49)

オーク 「か、か、かたきだ かたきだ」

姫騎士 「貴方も降伏なさい、降伏しますね、降伏するというのです!」

姫騎士 「このわたくしがたったいまこの者を捕縛しました、騎士であるわたくしが捕縛しました!」

姫騎士 「従ってわたくしが護送します、これは公爵領のルールに則った処置ですの!」

勇者 「・・・・俺は憲兵でも騎士でもない。」

勇者 「だがそいつがお前の誘拐に参加・協力していないというのなら・・・ 俺にとってはただの通りすがりだ・・・」

勇者 「お前は騎士のルールに従えばいい・・・・ 東のほうから救援隊が来ている」

姫騎士 「・・・・憲兵でも騎士でもないって、それでは貴方は?」

姫騎士 「いや今はオークの連行が先決、さあ行きましょう」

姫騎士 「腕が痛いでしょう。わたくしがついていますの。急げば助かりますからね、そこの馬に乗れますか」

姫騎士 「・・・一応、貴方にもお礼を言っておきましょう。助けてくれてどうもありがとうございました。」




45: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:20:41.49:FRHtg0hY0 (45/49)



【PART16 腐れ縁】

姫騎士 「さあ早く、医者を呼んであげますから頑張るのです」

オーク 「いてえよう いてえよう」

姫騎士 「応急処置はしましたから死にはしませんのよ。腕は心臓より高く上げなさいな」

姫騎士 「こんなとき女騎士の姉さんがいてくれたら・・・・ いえ弱音を吐いている場合ではないのでした」

女騎士 (うおっと、姫騎士だ! それにオーク? ・・・よくわからんけどオークに気を取られていてこっちに気付いてないな)

女騎士 (・・・ってことは勇者が仕事を終えたって事か。急げ!)

女騎士 「驚いた。ほったて小屋にまだいたとはね」

勇者  「・・・」

女騎士 「・・・・見たのか? 何か書類を見たか?」

勇者  「姫騎士よりも気になる書類か・・・ どうやらいい加減なでっち上げではないようだな」

勇者  「だが俺には関係のないものだ・・・」





46: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:22:00.71:FRHtg0hY0 (46/49)


女騎士 「そっちにはなくてもこっちにはあるんだよ」

女騎士 「騎士団長の私が盗賊集団と通じているなんて、誰にも知られちゃいけない」

女騎士 「あの野郎、最近はやり過ぎだったんだよ。騎士団長にももみ消せないものはあるんだ」

女騎士 「おまけに姫騎士誘拐・・・ これは私の知らないことだけど、当てつけかな?」

女騎士 「とにかく事情を知る奴が生きてちゃ困るんだ! 私はさっき回復薬を飲んどいたよ」

女騎士 「そっちは一仕事終えて疲れ切ってるだろう? こっちから行くぜ!」

チャキン キィン カキィン

ザクシュッ!

女騎士 「が・・・ ぐ・・・」

女騎士 「格が違った・・・・」

勇者  「俺には関係のないことだと言った。後は自分の好きにしろ」

女騎士 (な、なんとかして証拠を・・・ 小屋全部は探せない・・・)

女騎士 (・・・・ あんなとこにランプが・・・ 油も充分入ってる)

女騎士 「だあっ」  ガッシャーーン!





47: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:23:15.30:FRHtg0hY0 (47/49)

 パチパチパチ・・・・・

女騎士 「へっへっへ 証拠隠滅罪の追加だ」

女騎士 「へへへ・・・」

女騎士 (考えてみりゃ首領のやつに助けられて生きてきた。ガキのころも、騎士団に入ってからも)

女騎士 (私が入団したとき、あいつ心から喜んでくれてたよなぁ、それくらいわかるよ)

女騎士 (・・・恋人にはなれなかったけ・・・ ど・・・ 私じゃ・・・  たった1人の・・・ 友達・・・・)

女騎士 (友達が・・・ いない・・・ 世界なんて・・・・)

メラメラメラ・・・・・
 ボオオオオ・・・・・  ゴオオオオ・・・・・・!!
  ボオオオオ・・・・・  ゴオオオオ・・・・・・!!!!!




48: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:24:22.85:FRHtg0hY0 (48/49)

【PART17 救貧院の日常】

司祭 「ほら、並んで並んで~ 」

尼僧 「オークさん、蕎麦粥のお鍋をあちらへ運んで下さい。熱いので気をつけて」

オーク 「こ、こ、これなら かたうででも はこべる」

尼僧 「おおー 流石です! さあ蕎麦粥です。アレルギーはないですね?」

貧者 「ありがとうございます」

病人 「お恵みに感謝します」

獣人 「おいオーク、俺は獣人っていうもんだ」

獣人 「モンスターが少なくてさみしかったじぇ、来てくれてありがとよ。友達ににゃってくれよ」

オーク 「うん」

司祭 「お~ よかったよかった」





49: ◆IG18SUC7FQ:2023/04/12(水) 01:25:35.91:FRHtg0hY0 (49/49)

獣人 「友達になってしゅぐだけど俺はもうしゅぐ開拓地へ行くんだぞ。開拓地で麦がみにょったら、真っ先にここへ送るぜ」

獣人 「届いたら俺のこと思い出してくれよ」

オーク 「うん、うん」

司祭 (姫騎士さんも開拓地へ行くんだっけ)

司祭 (仲のよかった女騎士さんが戦死したんだから、新しい環境に身を置きたいのかも知れない)

司祭 (いや生来の滅私奉公の精神てものかな。彼女なら開拓地でも上手くやっていけるだろう)

司祭 (ここは本当に病人と老人ばかりになるのだろうか・・・ やっていけるのかな・・・・)

司祭 (・・・)

司祭 (・・・いやいや姫騎士さんのほうが大変なのに何を考えてるんだ。新しい労働力までやってきたのに!)


どこの国でも貧困問題が国家的課題となっている。
その解決に成功した国こそ強国になるというのが、おおかたの統治者の予想である。
様々な解決策が模索され、公共事業はその有力な選択肢の1つとされている・・・

END




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