【5/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
641: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:39:44.38 ID:ktYFwS2/O
ジュン「チッ。
仕方ねーな。
あんまり遅くまで居座らせんなよ」
舌打ちしながらダルそうに話すジュン。
サリナ「うん」
小声だが会話はまる聞こえだよ。
俺は腰を上げる。
ハル「パパどうしたの?」
俺「ハル。今日はもうパパ帰るな。」
ハル「やだー。
いまきたばかりだよ。
だめだめだめだめー」
ハルが俺の服を引っ張った。
642: 名も無き被検体774号+ 2014/08/24(日) 04:40:12.41 ID:ZnMztgmV0
ジュンのことはパパとは呼んでなさそうだったもんな
644: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:43:13.36 ID:ktYFwS2/O
するとサリナとジュンがリビングに入ってきた。
ジュン「あっ、俺さんお久しぶりです。
お元気そうですねw良かったらこれから一杯どうですか?」
ジュンが作り笑いで俺を見る。
俺「いや、
俺はこれで。
明日仕事も早いんで。」
ハル「パパかえらないで。
おねがい。かえらないで。」
必死に俺を引き止めるハル。
645: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:45:12.14 ID:ktYFwS2/O
ジュン「コラコラハル。
ワガママ言っちゃ駄目だろ?
俺さんは忙しいんだよ。
困らすな」
父親面するジュンに嫌悪感を抱きながら、
俺「ハルごめんな。
パパまた必ずハルに会いにくるから。」
笑顔でハルを諭した。
拗ねながらハルは諦めてソファーに座り込んだ。
646: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:46:15.95 ID:ktYFwS2/O
俺「じゃ俺帰るわ。」
気まずそうな顔をするサリナに、
少し申し訳ない気持ちになりながらも玄関に向かった。
ジュン「あれっ俺さん何か落としましたよ」
偶然廊下を歩いている時に、
ハルのプレゼントにと思っていたフィギュアがポケットから落ちた。
ジュンがそれを拾う。
648: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:47:54.09 ID:ktYFwS2/O
ジュン「仮面ライダー?
なんかの景品?」
俺「あっそうそうw
たまたま当たったんでハルにどうかと思ってw」
ハル「ぼくに?
ありがとーパパー」
ハルが嬉しそうにフィギュアを手にとった。
ジュン「当たった景品だぞ。
そんなのいっぱいあるだろ…」
捨てろと言う前にサリナが割って入ってきた。
649: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 04:49:33.63 ID:ktYFwS2/O
サリナ「さぁさぁ。ジュン君疲れてるでしょ。
先にシャワーしたら?」
サリナが申し訳ない顔をし俺を見た。
場違いな俺こそ申し訳なさすぎるよ。
リビングからジュンが、「きったねーケーキ。
こんなの早くゴミ箱に捨てろ」
と聞こえた時は、無償に自分がダサいやつなんだと自覚した。
惨めな気持ちになるが、そんなことはどうでもよかった。
だってハルが、
ハル「ぼくずっとたいせつにするね」
って言ってくれたんだよ。
本当に嬉しかった。
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