【5/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
607: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:42:17.36 ID:ktYFwS2/O
それから数ヶ月経ち、ハルも4年生になった。
ハルとはあれ以来会っていない。
ハルが新しい環境に慣れるためと、サリナや彼氏に気をつかってからだ。
て言うのは言い訳。
本当は今会えば、別れが辛くなりハルを手放したくなくなると思ったからだ。
608: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:43:53.38 ID:ktYFwS2/O
ハルのいない一人だけの部屋。
一人の生活。
虚しい。
仕事も殆ど手がつかない。
こんな気持ちなら、いっそハルに会えば全て解決するのに。
俺は頑なになっているだけなのだろうか。
今頃ハルは笑顔で毎日を過ごしてる。
そう思うことだけが今の俺の救いだ。
日に日にこんな気持ちは薄れて行くはずだと思ってた。
でも日に日に寂しさは増していった。
そんなある日一本の電話がかかってきた。
609: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:47:15.11 ID:ktYFwS2/O
「松井さん?
お久しぶりです」
俺「久しぶりです。佐々木先生」
去年佐々木先生の誘いで、ハルと一緒にイチゴ狩りに行った。それ以来だ。
俺「どうしました?」
佐々木先生「去年のイチゴ狩りの時の写真出来ました。
て遅すぎですよねw
カメラのことずっと忘れてて、現像したからお渡ししようと思ってw
今時間ありますか?」
610: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:48:21.91 ID:ktYFwS2/O
近くの喫茶店で佐々木先生と待ち合わせすることになった。
佐々木「これとこれ!
ハルちゃん可愛くとれてますよw
あっこれは私のお気に入りw
ハルちゃんとお父さんすっごく笑顔w」
テーブルにはイチゴ狩りの時、佐々木先生が撮ってくれた写真が並んでいる。
ハルの楽しそうな笑顔。
少しホッコリした。
611: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:50:54.89 ID:ktYFwS2/O
俺「わざわざありがとうございます」
佐々木先生「いいえw
ハルちゃん最近どうしてるかなって思ってたしw」
俺「あの…
ハルなんですが…」
俺は佐々木先生にハルの現状と今日までの経緯を説明した。
612: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:52:49.58 ID:ktYFwS2/O
佐々木先生「そうなんですね…
だから松井さん元気なかったんだ…」
俺「いや…
すんません。
せっかくわざわざ足を運んでもらったのに」
佐々木先生「いいえ…
でも…
ハルちゃんがいなくなってもお父さんには変わりないんですからw」
優しく俺に微笑みかける。
俺「はい」
613: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 03:54:20.64 ID:ktYFwS2/O
佐々木先生「せっかくなんだから、
これからは自分の時間を大切にしなきゃですよw」
俺「はぁ」
気のない返事で返す俺。
そんなこと分かってるんだ。
それが出来ればどれだけ気が楽か。
佐々木先生「ね?良かったら今度映画見にいきません?
私どうしても見たい映画があるんですw
もちろん私おごりますよw」
俺「はい、いいですね」
佐々木先生「じゃー決まりw」
何でこうなったかは分からないけど、寂しい独身男の相手をしてくれるんだ。
断る理由なんてないだろう。
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