【4/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
566: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:48:52.53 ID:ktYFwS2/O
俺「分かった…
悪い…」
仕方がないとことだ。
今実際にハルと会って何て言えばいいのか分からない。
サリナ「またハルと会ったら俺くんに連絡するから。
安心してね。」
俺「あー…
すまん…」
俺が迎えに行きたかった。
でもハルはサリナに会いに行ったんだ。
連絡を待つしかない。
俺は意気消沈し、重い足取りで家路についた。
567: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:57:28.88 ID:ktYFwS2/O
ようやくサリナから連絡がきた。
サリナ「俺くん?
ハルは無事迎えにいけたから。」
俺「ハルは…
ハルは…怪我とかしてなかった?」
サリナ「うん。
すごく泣いたみたいだけど、今は大丈夫。
今日はハル、わたしが連れて帰るね」
俺「え…
あー…
ハルと少し話せないかな?」
568: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 01:59:52.15 ID:ktYFwS2/O
電話越しにサリナがハルに問いかけている。
サリナ「ごめん。
今日はハルも色々混乱したみたい。
また少し落ち着いてから連絡するね。」
俺「そっか…
分かった…」
一言元気な声を聞きたかった。
一言ハルに謝りたかった。
この時、
俺の中でどうしようもない不安を掻き立てられていたのを覚えている。
569: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:02:10.20 ID:ktYFwS2/O
3日してサリナから連絡は来ない。
俺からサリナに連絡するも、
サリナ「ハルは今はまだ俺君に会いたくないって。」
俺「一言でいいんだ。
ハルと話したい」
サリナ「俺君?
ハルがどうして怒ったのか知ってる?」
そんなこと。。。
俺がハルのことブったからだ。
そう思ってた。
570: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:03:07.12 ID:ktYFwS2/O
俺「初めてハルに手を挙げたんだ。
きっとショックだったんだよな…」
サリナ「それもあるかもだけど。
ハルのおもちゃ。
ハルが何よりも一番大事にしてたモノなんだって。」
その言葉でハッとした。
バスのおもちゃ。
俺が初めてハルに買ってあげたおもちゃだ。
571: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:04:14.43 ID:ktYFwS2/O
俺「ずっと昔に買ったモノだぞ。
そんなこと覚えてるものなのか…」
サリナ「多分…覚えてるんだよ。
だってそれが大切なものだってずっと思ってきたんだよ。」
そう言えばいつも大事にしてた。
新しいおもちゃを買ってもそれだけはいつもハルのそばにあった。
色褪せて傷だらけなのに。
ハルは大事にしてくれてたんだ。
572: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/08/24(日) 02:05:24.24 ID:ktYFwS2/O
俺は自分の不甲斐なさを知る。
今は普通に働き普通に生活を送れてる。
好きなものだって買えるんだ。
俺はあの日、家を失いハルと2人人生のどん底にいた。
当たり前の環境もその頃は当たり前じゃなかった。
その頃の気持ちを、小さなことがどれだけ幸せで大切なのか忘れてしまっていた。
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