【1/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
117: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:29:41.78 ID:7FyMgNZmO
ハルの手を引っ張りただただ街を徘徊する。
そうだ、クラブでナンパした女の家に泊めてもらおう。
1日くらい大丈夫だろ。そんな軽い気持ちで向かってはみたものの。
女「はあ?
無理無理。
あんた子持ちなの?最低。」
俺「頼むよ。
1日でいいからさ」
女「いやよ」
「誰か来たのかー?」
部屋の中から男の声がした。
女「分かったでしょ?
さっさとどっか行ってよ」
そんな感じで追い返されたんだ。
119: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:30:43.92 ID:7FyMgNZmO
まあこんなのあてにした俺がバカなんだけど。
数人のツレにも電話したけどなんなく断られる。
辺りはもう真っ暗だ。
路頭に迷う俺とハル。
世間が妙に冷たく感じた。
ハルも疲れたのか。
両手を俺に向け。
ハル「ダットー。ダットー。」
と言う。
120: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:31:48.46 ID:7FyMgNZmO
とりあえず寝る場所を探さないと。
俺はハルを抱っこし、大きなリュックを背負った。
ようやく繁華街にある広場の階段に腰を下ろした。
せめて明るい場所の方が、ハルも落ち着けるだろうと思ったからだ。
ただボーっと座っていたんだ。正直今何も考えられない状況。
121: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:33:24.67 ID:7FyMgNZmO
「すいませんが、ここに座らないでもらえますか?」
警備員服を来た初老の男に注意された。
ここに座られては、客が入らないと言うことらしい。
俺「ここはおめーの土地か?」
いつもならつかかって行くとこだが、今そんな元気もない。
俺は黙ってまた歩き出した。
122: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:34:55.92 ID:7FyMgNZmO
コンビニでお茶とおにぎりを買って、朝来た公園までやって来た。
ハルは俺から降りて喜んで走り回っていた。
状況を理解できる年齢じゃないから当然だ。
公園に遊びに来たとでも思っているんだろう。
むしろそっちの方がありがたいか。何も考えてない方が。
123: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:35:56.65 ID:7FyMgNZmO
遊び疲れたのか、汗だくで少しグズったのでおにぎりを食べさせた。
風呂に入れないので、公園の蛇口で水を借りた。
タオルで体を拭いてあげると、冷たくて気持ちいいのかすごく嬉しそうだ。
目を擦って眠たそうにしてる。
俺はハルを抱っこして、
大きな滑り台の下がトンネルみたいになっていたのでそこに入った。
124: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/13(日) 05:44:35.72 ID:7FyMgNZmO
夏も終わりかけ、少し肌寒くなってきたな。
月明かりがトンネルの中まで入ってきている。
ハルを横向に抱え座り込む。
ハルは俺を見つめ、宇宙人みたいにわけの分からない言葉を話している。
きっと俺に話しかけてるんだろう。
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