【学マス】篠澤広「負けたら退学?」 (46)(完)
22:Dの人:2025/03/18(火) 21:47:52.68:p5ftvJd7o (22/46)
──
トレーナー「ステキよ広ちゃん、もともと顔立ちは良いんだからもっと自信持って笑顔よ」
広「ひ、ひひ……」
千奈「ああっ! 篠澤さんの表情が疲労で引きつった不気味な笑顔になっていますわっ!」
佑芽「可愛いよ広ちゃんっ!! はいっ! 笑顔でポーズっ!」
──
23:Dの人:2025/03/18(火) 21:48:24.59:p5ftvJd7o (23/46)
──
トレーナー「以前と比べたら体力はついているようだが……」
広「──」
千奈「ああっ! とっくに倒れていた篠澤さんが立ち上がろうとしてまた倒れましたわっ!」
佑芽「頑張れ広ちゃんっ!! ほら立って立って!」
──
24:Dの人:2025/03/18(火) 21:48:55.11:p5ftvJd7o (24/46)
──
佑芽「いよいよ明日は最終試験だねっ!」
千奈「わたくし不安ですわ……」
広「佑芽……千奈、レッスンに付き合ってくれてありがとう。2人はレッスン中に倒れた私を何度も叩き起こしてくれた……。お陰で私は限界を越えて辛いレッスンに取り組む事ができて、とても充実している」
広「……それでも、勝てるかは分からない」
千奈「そんな……」
佑芽「そんな事ないよ広ちゃん! 広ちゃんすっごく頑張ったもん!」
広「佑芽と千奈のお陰で、可能性はずいぶん上がったと思う。だけどそれは元々の可能性と比べての話。ハッキリ言って可能性はまだ低いと思う」
佑芽「今は何%くらいなの?」
広「……10%?」
千奈「ひえぇぇ……」
佑芽「大丈夫だよ千奈ちゃんっ! 2%が10%になったんだからすごい成長だよ! 10回に1回は勝てるんだよ!」
広「その1回を最終試験に持ってこられるかは、プロデューサーの作戦にかかっている。正直、私はまだプロデューサーの作戦の意図はわかっていない」
佑芽「最終試験の終わりの方で歌うんだよね? どうしてだろう?」
千奈「始めに歌った方が上手に歌えますのに」
広「分からない。だけどプロデューサーは私の事をよく分かってくれている。だからこの作戦も、きっと私に適しているんだと思う」
佑芽「相変わらず信頼が厚いな~」
千奈「素晴らしい事ですわ」
広「ふふ、もしかしたら私を見限ってて、わざと負けさせようとしているのかも」
千奈「相変わらず幸せそうに言うセリフではありませんわ……」
佑芽「よく分かんない関係だなぁ」
──
25:Dの人:2025/03/18(火) 21:49:34.86:p5ftvJd7o (25/46)
──
P「いよいよ明日ですね」
広「うん、いよいよプロデューサーが私との契約を解除する日」
P「……負けて本当に退学するなら、そうなるかも知れませんね」
広「ふふ、プロデューサーはどっちが良い……?」
P「最終試験に向けてですが」
広「プロデューサーはすぐ無視する」
P「……最終試験に向けてですが、既にやれることは全てやりました」
広「……そうなんだ」
P「はい、倉本さんと花海さんのお陰で篠澤さんのコンディションはこれ以上ないほど万全の仕上がりです」
広「……プロデューサー」
P「はい」
広「今の私は通常よりも酷く疲労が溜まっている。何故なら、いつもなら倒れて中断していたレッスンを、佑芽と千奈が私を叩き起こすことで無理矢理続行させた」
広「ふぅ……」
広「お陰でとても満足のいく辛いレッスンになった。だけどそれに比例して私の疲労は明日の最終試験にまで影響の出るレベルに達している。つまり、万全とは言えない状態で最終試験に挑むことになる」
P「はい、それが万全です」
広「……プロデューサーは私の体力を奪うことが目的だった?」
P「……間違いではないですね」
26:Dの人:2025/03/18(火) 21:50:00.75:p5ftvJd7o (26/46)
広「……プロデューサー、私は勝ちたいと言った。プロデューサーの作戦は理にかなっていないように思う」
P「そうですね」
広「……つまり、プロデューサーに勝つ気はない?」
P「そうではありませんが、篠澤さんには体力的に厳しい状態で試験に挑んでもらいます」
広「そうすれば勝てる?」
P「わかりません」
広「……プロデューサー」
P「はい」
広「プロデューサーは不思議、いつも私が欲しいものをくれる」
広「こんなに大変で、ボロボロの状態で試験に挑むほど頑張るのに、それでも上手くいくとは限らない」
広「ふふ、アイドルって本当に……ままならないね」
P「……篠澤さん」
広「うん」
P「明日はきっと、楽しいですよ」
広「うん……頑張る、ね」
──
27:Dの人:2025/03/18(火) 21:50:48.92:p5ftvJd7o (27/46)
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試験当日
佑芽「広ちゃーーーーん!!」
千奈「し、篠澤さーん……!」
広「おはよう、佑芽、千奈。どうしたの?」
佑芽「どうしたのじゃないよ! はいこれ! 今日の試験前に食べたら元気モリモリだよ!」
広「これは……お弁当?」
佑芽「うん! 名付けて『転がり続ける元気の源弁当』!! これ食べて試験頑張ってね!」
千奈「わたくしからはこれですわ!!」
広「……上着?」
千奈「わたくしが自宅での自主練で愛用していたカーディガン、名付けて『ひみつ特訓カーディガン』ですわ! わたくしの努力が染み込んだこのカーディガン、きっと篠澤さんを助けてくださいますわ!」
広「……佑芽、千奈、ありがとう」
広「頑張ってくる、ね」
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28:Dの人:2025/03/18(火) 21:51:42.70:p5ftvJd7o (28/46)
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P「……今、あのアイドルの試験が終わって点数が出ました、暫定1位です」
広「……そう」
P「……何を食べてるんですか? それと、この時期にカーディガンですか?」
広「佑芽と千奈がくれた。カーディガンは暖かいし、お弁当は、食べ切れない量だけど、美味しい」
P「……そうですか。では俺からもプレゼントがあります」
広「プレゼント?」
P「ホットコーヒーです」
広「……プロデューサー、私は今お弁当を食べている。正直、お米とコーヒーは合わないと思う」
P「3杯用意しました。全部飲んでください」
広「問答無用……ふふ、鬼畜」
P「昨日も言いましたが、やれる事は全てやりました」
広「うん」
P「……それでも勝てるかは分かりません。あとは篠澤さん次第です」
広「うん」
広「プロデューサー」
P「はい」
広「行ってくるね」
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