中学の頃プールの時間に女子のパンツの匂い嗅ぎに行ったら親友ができた話
86:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:19:14.858ID:NAtWayyn0
俺は永沢を適当にあしらうと、山田のことを考えた。
山田は自分が疑われてることをメールしてこなかった。
それはなぜか。
俺に心配をかけたくなかったからだ。
事件当日は偶然にも風邪が流行っていて男子だけでも4人欠席がいたから、俺が犯人だとバレる心配はない。
このまま黙っていれば、そのうち有耶無耶になるだろう。
でも山田は違う。山田のカバンが使われたことがそのまま、山田が犯人だという証拠にされてしまっている。
なんとかできないだろうか。
俺は机に突っ伏したままの山田を見てそう思った。
87:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:20:01.034ID:NAtWayyn0
ふだん学校であまり話さない俺たちが教室で話したりしていたら共犯だと思われかねない。
だから俺は放課後になるとすぐに家に帰り、山田にメールを打った。
「なんで疑われてること教えてくれなかった?」
俺が送る。
「お前、心配するだろ? 」
山田から返事が来る。
思った通りだった。
こいつはここに来て俺の心配をかけないように気を使ってやがる。
「みんなすぐ忘れんだろ笑」
山田はおどけた調子で書いてきた。
俺もそれに乗っかる。
だが、俺も山田もわかっていた。
悪い噂というのはいくらでも広まっていく。
ひょっとしたらもう取り返しがつかないかもしれない。
なにせ、イケメンの山田だ。妬み嫉みは買いやすい。
この機会に蹴落とそうとしてくる人間だって大勢いるはずだ。
だが俺も山田も「みんなすぐに忘れる」という希望的観測にすがるしかなかった。
もちろん、それはまたすぐに裏切られるのだが。
88:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:20:26.342ID:E7cr45Hp0
永沢に山田って・・・
もうちょっとしたら藤木やら小杉も出てくるか?
91:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:21:01.983ID:NAtWayyn0
週明け月曜日。
どんよりとした空が不安を掻き立てるような朝だった。
こういう日は大抵嫌なことが起きる。
この日もそうだった。
朝教室へ行くと、山田の机の上に花瓶が置いてあった。
俺は思わず苦笑してしまった。
こんな漫画みたいなこと今時するのかと。
さすがにこれを見たらいくら山田でもショックを受けるだろう。
俺は山田が教室へ来る前に花瓶をどかす。
そして発見してしまう。
花瓶に隠れるように机に書かれた「下着ドロボウ」の文字を。
山田に向けられた文字。
山田に向けられた敵意。
でもそれは俺に向けられたものでもあった。
俺はその文字を消しゴムで綺麗に消すと机に突っ伏し寝たふりをした。
何人かが俺を見てヒソヒソと話しているのが聞こえた。
93:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:22:10.289ID:NAtWayyn0
山田はその週の終わりから学校へ来なくなった。
俺が送ったメールにも返事を返さなくなった。
山田が感じた敵意や悪意は俺が感じたものの何倍もあったんだろう。
俺は自分が平穏無事に毎日を過ごしていることに腹が立った。
元はといえば俺のミスだ。
なんで山田ばかりが責められなくてはいけないんだ。
山田が学校に来なくなって数日。
俺は山田のことばかり考えていた。
殺される覚悟で兄貴のAVを無断で貸してくれたこと。
好きなAVのジャンルについて朝まで語り明かした日のこと。
俺のバカ話を笑って聞いてくれた山田の表情。
そして一緒に下着を盗もうと約束した日のこと。
俺は山田をどうすれば救えるか考えた。
そして、一つの結論を導き出した。
97:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:23:40.476ID:NAtWayyn0
山田が学校を休み始めて10日目の朝。
俺は職員室の前に立っていた。
深呼吸をし、ノック。学年主任を呼ぶ。
突然の陰キャラの訪問に学年主任は怪訝な顔つきで何の用だと聞いてくる。
俺は答える。
「すみません!この前女子更衣室から下着を盗んだのは俺なんです!」
学年主任が驚いた顔で俺を見た。脇で何事かと話を聞いていた教師たちも。
学年主任は俺を空き教室に連れて行き、詳しい事情の説明を求めた。
あまりの威圧感に吐き気を覚えながら、前日の夜から練っていた言い訳を話す。
「興味本位でやってしまいました。以前遊んだときに、山田くんが忘れていったカバンをたまたま使ったら、山田くんが犯人扱いされてしまったので申し訳なくなり自首しに来ました。ゆいとブスとまりなの下着は怖くなって捨てました、
本当に申し訳ありません」
俺は泣くふりをしながら話そうと思っていたが、怖すぎて申し訳なくなってマジ泣きしていた。
あまりにも俺がビビっていたことと、自らの自首しに来たことから学年主任は2発ぶん殴るだけで済ましてくれた。
親への連絡は当然のごとくされたけれど。
100:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします:2015/07/16(木) 00:25:33.394ID:NAtWayyn0
親はかなりブチ切れていた。
ゆいとブスとまりなの家に母親とともに謝罪にいかされた時は死にたくなった。
ゆいは俺をゴミを見るような目で見ていた。
ブスはしきりに「こわ~い」と泣いていた。殺したくなった。
まりなは早く帰れよ、と顔に出していた。
俺はだいぶ凹んだとともに安心してもいた。
疑いは晴れた。
これで山田は大丈夫だ。
学校にも来れるだろう。
俺は学校へ行きづらいけど、平気だ。
悪いのは俺なんだから。
家に帰ると、俺は山田にメールした。
「もう大丈夫だから安心して学校へ来い。」
だが、いつまでたっても返事は来なかった。
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