【ウマ娘怪文書】「ちょっとトレーナー!もう……どうしてこんなに大事なものを置き忘れられるの……」「あぁ、ありがとう。気をつけるよ」レースでもないというのに、息を切らして駆け寄ってきた彼女に鈍く光る無地のリングを渡される
1: こ、この人とのこん……指輪を…… 2023/05/29(月)23:18:26
「ちょっとトレーナー!もう……どうしてこんなに大事なものを置き忘れられるの……」
「あぁ、ありがとう。気をつけるよ」
レースでもないというのに、息を切らして駆け寄ってきた彼女に鈍く光る無地のリングを渡される。
こんな所で勤めるのだからと、御守りの一つとして薬指に身に付けていた安物のリング。いつしかそれは一緒に彼女を応援し続けた相棒の様に感じられて、けれどもその役割を果たし切ってくれただろう。
そっとトレーナー室の机に上に置いていたそれを、見つかってしまうのは想定外であったが。
「渡す前に一つ、いいかしら。勝手に見たのは、ごめんなさい。でもそれ……普通はイニシャルとか刻まれているものではないの?」
「あー……アヤベにはもう、いいか。それ、フェイクなんだよ」
生徒達にも、それ以上に他所から無用な懸念を向けられない様にも、体良く出会いを断るためにも役立ってきたそれも、ここまでアヤベとの関係が――絆が周知された今なら、無くてもいい。
そう伝えた所で返ってくる、深い溜息。そうして指輪は、再び彼女の手で深くに嵌め直される。
2: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:19:05
「いい、つけておいて」
「いや、もうこれは……」
「いいから!ほ、他の子がうっかりあなたに惚れちゃったら困るじゃない……」
それは、そうかもしれない。今は良くてもこれからの未来、別の子やチームを担当する時に、適切な距離感を保てず余計な関係の拗れを産みかねない行為は控えるべきだっただろうか。
やはりアヤベは、優しい子だ。
何?自分もお揃いが欲しい?外では付けないから?
別にどこでだって気にする必要はないよ。買ってあげるから好きな時に付けなさい。
いつしか見せる様になってきた、どこか頑固でいじらしい、子供じみた我儘が。その一つ一つに財布が緩んでしまうのが、きっと惚れた弱みというものなのだろう。
勿論、これは惚れた腫れたを意味するものではないけれど。
ついでに他にも何か……ペアのカップ?歯ブラシ?何処かに行くつもりでも……
乾燥機は持参……?
3: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:20:28
追い込まれたようだな…
4: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:21:01
どうして隙を見せるんですか…どうして…
5: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:21:54
クソボケか???
6: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:23:27
アヤベさんかわいい
7: 名無しさん(仮) 2023/05/29(月)23:24:21
アヤベさんは自分のリングにはトレーナーのイニシャル彫っておくタイプだよ