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勇者(35)「あ、異世界から来た勇者です、よろしくお願いします」 女魔法使い「ええ…」 (74)(完)


50:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:17:04.158:SzK1zoyM0 (35/44)

勇者「あ、あーあの、若いの。この女神のいうことはあんまり聞かないほうがいいぞ。
よく考えろよ?おとなしく元の世界に戻って、冒険で学んだ経験を生かして、普通に暮らすというほうが将来…」

若勇者「俺…、やります。女神さま。新しい世界に連れてってくださいっ!」

女神「ええ、わかりました。さ、それでは、この光のゲートの中にどうぞ」

若勇者「わかりましたっ!それじゃ、みんな。お元気で」

女僧侶「そんな、勇者、行っちゃうのっ!?」

女戦士「魔王を倒したばっかりなのに、そんな急がなくても」

女武道家「そうだ、私たちも勇者と一緒にその新しい世界に着いていくわ、いいでしょ女神様っ!」

女神「だめです。異世界ルールで、ほかの世界へは仲間やアイテムは持ち込めないのです。
持ち込んだ場合には、ペナルティがくだされるのです。そこのおっさんのように。
さ、貴方たち三人は、ここから一気に故郷の国へ戻してさしあげましょう」




51:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:17:22.569:SzK1zoyM0 (36/44)

若勇者「みんなありがとう、俺、次の世界でも頑張るよ」

女僧侶「ぐす…、ぐす…、勇者、今までありがとうね」

女戦士「私たち、貴方の事一生忘れないからっ、さよなら」

女武道家「ええ、お元気で」

勇者「うん、それじゃ。みんなも、お元気で…」

…………

女魔法使い「みんな行っちゃた…あの若勇者…、次の世界で
また魔王討伐をするということなんでしょうか、ねえ…女神さ…」

女神「あー、久しぶり。そういやアンタもこの世界来てたんだ。てかまだ勇者やってたんだ、頑張るね」

勇者「知ってるくせに白々しいこと言わなくていいから。いいから元の世界戻ったら報酬よこせよ。いつも振り込むの遅いんだよ」

女魔法使い「え……?」




52:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:20:29.739:SzK1zoyM0 (37/44)

女神「…しかし、アンタもずいぶん丸くなったわね。若い子に魔王討伐ゆずってサポートに徹するなんて。
あれ、はじめからそのつもりだったでしょ?」

勇者「もう、歳にはかなわないんだよ。並みの魔王なら今でもなんとかなるけど、今回のくらいは
正直だめだわ、…あの若いのみたいに冒険前に特典くれたら、俺ももうちょい頑張れるとおもうけど」

女神「あー無理無理。あんたペナルティあるじゃん。
まあ、その歳で今回くらいやれるなら、別にそこ拘らなくてよくない?」

勇者「いや、そりゃないでしょうが…もうそろそろ許してくれても…」

女魔法使い「え、ええっとあの…、ちょっといいですか?
二人はその…知り合いなんですか?」

勇者「ああ、俺がこんな仕事してるのはこの女神のせいだよ。
若いころブラブラしてた時、急に異世界に飛ばされてさ…なし崩し的にこの仕事を…
あーあ、あの若いの。もっと本気で止めるべきだったわ…可哀そうに」

女神「あらあら、かわいい魔法使いちゃん。こんなおっさんと二人で冒険なんて辛かったでしょ?
大丈夫?変なことされなかった?」

女神「気を付けてね、このおっさん。初めての冒険で、魔王にさらわれた姫さんに惚れちゃって、
魔王倒した後、助けた姫さんをそのまま元の世界に連れてきちゃった前罪あるからね」

勇者「ちょっ…!おいやめろっ!」





53:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:20:43.987:SzK1zoyM0 (38/44)

女神「そのせいでこのおっさんペナルティで、異世界勇者がもらえるテンプレ的な特典
一切もらえないの。バカよね」

女魔法使い「その元の世界に連れて行ったお姫様って、ひょっとして…」

女神「確か2人目の子、できたんだっけ?おめでと、幸せそうでなりよりだわ」

勇者「2人目はだいぶ前だよ。まあ、最近は家帰ってもアイツ、子供にかかりっきりで相手してくれないけど…」

女神「寂しいなら、異世界でハーレムでも作って遊べばいいのに。アンタ意外にまじめで一途よね。
まあ、どっちみちもうその年じゃ無理か、けけけ」

勇者「うっさいなあ、いいから早く元の世界のゲート開けよっ!」

女神「ああはいはい。ちょっとまってねー」

女魔法使い「え…」




54:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:20:58.107:SzK1zoyM0 (39/44)

女神「一応、今日アンタが帰ってくることは、奥さんたちには伝えておいてあるから。
ゲートの先でお出迎えしてくれると思うわ。まだ愛があればだけど」

勇者「おい、怖いこと言うな」

女魔法使い「あの…、いっちゃうんですか?」

勇者「ああ、君とはなんだかんだ長い付き合いになったな。まあ、女神のいうとおり、
こんなおっさんと冒険なんて、いろいろ辛い思いもさせたけど」

女魔法使い「そ、そんなこと…、ないです。あの、ていうか、わたし、その…」

勇者「2人旅も久しぶりだったけど、君にはほんとに助けられた。感謝してるよ。
いままで、ほんとありがとう。それじゃ」

女魔法使い「あ、あのっ!勇者さんっ、…わたし、その…あなたのこと…、ちょ…待っ…!」

………

………




55:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:21:26.841:SzK1zoyM0 (40/44)

………

………

都内 
異世界ゲート案内所

勇者「ふう…、あー久しぶりの元の世界だ」

息子「ぱぱおかえり!」

娘「ぱぱー」

勇者「ああ、ただいま。ちょっと背伸びたか、はは。ところでママは…」

奥さん「……あなた、おかえりなさい…っ」

勇者「え、おいおい、こんなところで、抱き着くなよ…」

奥さん「…あなた、会いたかった…心配したわ、今回の旅は長旅だったから…」

勇者「あ、ああ…!ごめんな心配させて…。けど、今回の報酬はそこそこもらえるはずだから。
しばらくは家にいるつもりだから…」

奥さん「ええ…、ところで」

奥さん「その後ろにいる子はどなた?」

勇者「え……?」




56:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:24:02.469:SzK1zoyM0 (41/44)

女魔法使い「はじめまして、勇者さんの奥さんですね。わたし、異世界のほうで
勇者さんとずっと二人で、魔王討伐の冒険してた魔法使いのものです。ずっと二人で」

女魔法使い「それで勇者さん…、私にはホントに助られたって、言ってくれて…ですね?
私ならこれからも勇者さんの冒険のお役に立てるかとおもって…、ついてきちゃった…ていうかぁ…」

勇者「な、……ばっ…」

奥さん「ふうん…へえ」

奥さん「どうやら満喫してたみたですねえ…あなた。そして、またですか。あなた」

勇者「やっ…ち、違っ…、こ、これはお前の時と違って…、この子が勝手に…っ!」

息子「ぱぱー、だれ、その女の子ー?」

娘「うわきだー?」

勇者「!?」

奥さん「帰ろうか、二人とも。パパをおいて、おうちに」にっこり

勇者「いや、ちょ、ちょっとまって、いやまじめに働いてたから、ちょ、違うっ、誤解だから、ちょ、おいっ!
ちょ、うそっ!あ、あれえええ!?」

………




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