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勇者(35)「あ、異世界から来た勇者です、よろしくお願いします」 女魔法使い「ええ…」 (74)(完)


22:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:04:15.663:SzK1zoyM0 (15/44)

女魔法使い「けど熟練者の割には、初めて会った時、武器もレベルも全然だったじゃないですか」

勇者「別の世界で身につけた実力や道具とかは、基本、それ以外の世界に持ち込んじゃダメなルールなんだよ。ルールを破ると神々からペナルティが課される」

勇者「まあ、その代わり冒険前に神々から特典もらえたりする制度はあるけど、
俺は事情があってその特典ももらえなくて…、まあそのあたりはややこしいから省略」

女魔法使い「ふーん」

勇者「ったく、家族養うためにがんばって異世界で勇者稼業してるのに、たまに家帰ると邪魔者扱いで
嫌になるけどさ…けどまあ、これも仕事だし家族のためにがんばらないとな…」

女魔法使い「ふーん、そっか…、妻子持ちか…ふーん」

勇者「え?どしたの」

女魔法使い「べ、べつにっ…!なんでもありませんよ。それよりどうするんですか?このままじゃ
まずいのでは!?あの若い勇者に魔王討伐を先越されたら、家族を養う報酬の取り分がどんどんなくなっちゃいますよ!?」

勇者「うん、まあそうだけど。まあ、そろそろあっちも伸び悩むころだとおもうけどね」

女魔法使い「え…?」




23:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:04:37.564:uedhfG+20 (1/4)

これ楽しい




24:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:06:14.969:SzK1zoyM0 (16/44)

その後…

とある洞窟

女戦士「はあ、はあ…なによこのダンジョン。また行き止まりよ」

女武道家「…やっぱり引き返したほうが…」

女盗賊「け、けど、周りが暗すぎてどっち引き返したらいいか…道もわからない」

女遊び人「やだあ~ナニコレ、前がみえないわ~、早く宿にもどりましょうよぉ」

女商人「くそ…真っ暗じゃどうしょうもないじゃない」

女僧侶「わんわん」

若勇者「……くそっ!なんなんだよこのダンジョンっ!真っ暗で全然進めないじゃないか、
なんだよこれ、クソゲーだなおい!」

若勇者「……って、あれ?急に周りが明るくなったぞ…?一体」

……

勇者「いやいや…、たいまつも持たずにこんな暗いダンジョン入れば、そりゃ暗くて行き詰まるでしょ…」
若勇者「え!!…あ、あんたは…!」





25:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:06:31.295:SzK1zoyM0 (17/44)

女魔法使い「たいまつなんて…、序盤の村でお爺さんからもらえるアイテムなのに…、貴方たち、
なんで持ってないんですか」

勇者「仲間の一人も、なんか呪いで犬になったままだし……、ええと、治してあげたら」

女魔法使い「ええ。ほら、僧侶。この鏡、みてください、ほら」

僧侶「わんわん…、えっ!も、元の姿ににもどったわっ」

女遊び人「僧侶が元に戻ったわ!ある町で魔王から突然、犬の呪いをうけたまま治し方わからなかったのにっ!
呪いを解く鏡があるだなんて知らなかったわ」

僧侶「そんな…、途中で犬になった仲間スルーして、先に進まないでくださいよ…」

勇者「こんな初歩的なことで息詰まるなんて。
勢いにまかせて、村人からの情報収集やいろんなイベントやダンジョン攻略をすっとばしてきた罰だな」

若勇者「な、なんだとぉ!」




26:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:06:46.194:SzK1zoyM0 (18/44)

若勇者「レベル一桁のくせにっ、俺に上から目線でモノ言ってんじゃねえっ!
一発ぶん殴ってやるっ!…え!?」

女武道家「そんな、あのおっさん、勇者の攻撃を受け止めたわっ!」

勇者「どうやら努力も怠ってた罰みたいだな。
最初に会った時から、レベルも全然あがってない。ちなみに俺のレベルはいま50な」

若勇者「なん…だと…!」

勇者「俺なんかに攻撃を受け止められるようじゃ、この先やっていけんだろうし。
それにこのダンジョンの奥にある扉は、別のダンジョンにある鍵を入手しないと開かない仕組みだ。
それもどうせ持ってないだろう」

勇者「悪いこと言わないからダンジョン引き返したほうがいいと思うよ、
ほら、予備で持ってるたいまつやるから」

若勇者「くっ…!」

勇者「神々からの特典まかせでやっていけるのは本当最初だけなんだ。
異世界だろうが現実世界だろうが、人生そんなおいしい話ないから。
必ずどこかの段階で頑張り時が来るってこと、覚えておいたほうがいい」

勇者「わかったら、少しは地道に頑張ってから俺たちに追いついてくるんだな」

若勇者「ち、ちくしょおおっ!!」




27:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:07:08.768:SzK1zoyM0 (19/44)

女魔法使い「若い勇者たち、ダンジョンを引き返したみたいですね」

勇者「ああ、よし、今のうち、俺たちは先に進もう。しかし、
ようやく彼らの冒険を追い抜いたか。まあ、一応生活のため、競い合いでもあるから、悪く思わないでほしいな」

女魔法使い「しかし、とんでもないハッタリ言いましたね。勇者さん、まだレベル20かそこらなのに
レベル50だなんて見え張って…」

勇者「ああ、事前に魔法で基礎体力あげてもらって、一瞬でも彼の攻撃を受け止めることができてよかった。
あのまま、あの若い勇者と取っ組み合いになってたら、正直*れてたな、はは」

女魔法使い「ダンジョンの奥の扉で鍵が必要なんてのも嘘ですし」

勇者「時間稼ぎだよ。まあ、これくらいいいじゃない。こっちはアラフォーのおっさんなんだから。
多少、狡猾にやらないと、神々の特典をもらったあの若い勇者と、魔王討伐の競争はできないよ」

勇者「なんだかんだ彼には若さがあるからね」

女魔法使い「ふーん…」




28:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2024/06/16(日) 20:07:23.245:83wXbE560 (6/10)

(´・ω・`)ぷーくすくす




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