嫁「最近体力が落ちたみたい」俺「健康診断に行け」→町医者「うちでは無理…大学病院に紹介状を書いとく」→最悪の診断結果だった。
607: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/11/28(土) 18:08:04.83
過疎っているようなので、嫁への愚痴を勝手に書き逃げします。
ある日のこと。
嫁が「電動チャリンコに乗るようになって体力が落ちた」と言い出した。
何のことかと問うて見ると「階段の上り下りがキツイ」とか、
「少し走っただけで息切れがする」と言う。
俺は嫁より2歳年上だが、週に2回運動をしているので
40半ばに近いが未だ体力には問題ない。
だから、「体力云々よりも健康診断に行け」と言った。
何度も言った。何度も何度も言った。
2週間くらい言い続けてやっと町医者に言ってくれた。
町医者は「ウチでは判らないから・・・」と言って、
大学病院に紹介状を書いてくれた。
大腸がん(S字結腸がん)のステージ4だった。
608: 607 2015/11/28(土) 18:17:09.10
嫁の父親(俺の義父)は直腸がんで亡くなっている。
このときは便秘が1週間も続いて、腸閉塞を起こしていた。
3月に手術をして人工肛門になり、半年間の予定で抗がん剤治療をした。
しかし闘病も空しく、8月の盆明けには無くなった。
享年69歳だった。
それ以来、俺は家族の健康には人一倍口うるさくなった。
子供が少し熱を出しただけで、すぐに町医者に連れて行った。
実母が少し転んだだけで、整形外科に連れて行きレントゲンを撮ってもらった。
嫁は便秘症だったから、新薬・漢方薬の両方で薬を探した。
でも、嫁は「アタシは丈夫だから」って、いつも暢気に暮らしてた。
609: 607 2015/11/28(土) 18:26:32.65
大学病院でのカメラの検査の結果、大腸にテニスボール大の癌が見つかった。
階段の上り下りが辛いのは大腸から常に出血していたので、
慢性的な貧血状態だったそうだ。
癌治療の医学は常に進歩しているそうで、義父が亡くなった時に比べて
癌患者の手術後の生存率は年々高くなっているらしい。
しかし、テニスボール大にまで肥大した腫瘍を見て、
担当の医者も顔色を曇らせていた。
嫁の口癖である「アタシは丈夫だから」の言葉に心底腹が立った。
611: 607 2015/11/28(土) 21:49:05.67
あら、レスがあったんですね。
誰も見てないと思って書き溜めてないので、ゆるゆる続けます。
検査結果を訊いた後は、とにかくすぐにでも手術が必要だと。
幸いにベッドは空いているので、いつから入院できるか訊かれた。
こんな命に係るような大事なときになっても嫁は、
「いや、職場に相談しないと・・・」なんて寝ぼけたことを言う。
あ・の・な、嫁の職場がどうなろうと、俺の知ったことじゃ無い!
もしもオマエがいなくなったら、俺は生きていく甲斐が無くなるやろ!!
このときの俺は、本気で怒っていた。
「ちょっとは自分のことを優先して考えろよ!」って。
612: 607 2015/11/28(土) 22:02:58.55
俺は嫁の意見は一切聞かずに、最短の手術日を決めた。
そのころは3月の中旬で、年度末にかかろうとしていた時期だった。
俺の仕事はある法人の事務長で、人事・総務・経理をしていたが、
職場の決算と嫁の生死とは比べるまでも無かった。
替われるものなら替わりたい、本気でそんなことを考えていた。
613: 607 2015/11/28(土) 22:14:57.06
そんなこんなで、手術当日。
嫁のいる個室の病室に看護師が来た。
俺と嫁は一礼をした後、看護師の後に続いて歩き出した。
手術室のある棟は、病室のある棟とは違うので長い渡り廊下を歩く。
その棟は一般病棟と違って、無菌室のような造りになっているらしい。
俺と嫁はほとんど会話をしなかったが、何年かぶりに手を繋いでいた。
そして、いよいよ手術室病棟の前に来た。
嫁は幾分か引き攣った顔をしていたが、
それでも懸命に笑顔を造った。
「じゃ、行ってきます」
――――お、頑張れよ。
と、言ったつもりだったが、声になっていたのか・・・
看護師に導かれて、嫁は手術室のある病棟へと歩いていった。
614: 名無しさん@お腹いっぱい。 2015/11/28(土) 23:15:42.26
ハッピーエンドなんだろ?
そうなんだよな(´;ω;`)