後味の悪い話『ふたりのジョンの話』
36:本当にあった怖い名無し:2013/10/16(水) 00:18:36.50 ID:7UbzN7Hdi
Lacryma Christiの「情熱の風」って曲のPV
パンフなどを見返して書いてるので、映像見ただけでは
分からない部分は補完してるよ。
PVの舞台は豪華客船で、バンドのメンバーは
真っ赤なドレスを着た踊り子の後ろで歌うバックバンドという設定で、
京都迷宮案内とタイアップしていた関係からか、
推理ドラマ仕立てのPVになっている。
ショーの最中、踊り子は突然背中から撃たれ倒れる。
咄嗟にその方向を見るボーカルだが、犯人の顔は見えず、
おまけに、銃声の方向にいるメンバー全員がタキシードを着ているため、
区別がつかない。
床にひざまずくボーカルの腕の中の踊り子の死体と、
背後に立つ残り四人のメンバーと、床に落ちた拳銃が映され、
この中に踊り子を撃った犯人がいると暗示される。
37:本当にあった怖い名無し:2013/10/16(水) 00:19:35.16 ID:7UbzN7Hdi
タキシードを脱いで私服に着替え、船の中を歩くボーカル。
彼の前に死んだはずの踊り子の幻影が現れ手招きする。
誘われるまま部屋を覗くと、そこはサイドギターの部屋で、
彼は鏡を見つめて、自身の震える右手を抑えこんでいた。
次に覗くのは、ベースの部屋。
ベースはベッドに座り、死んだ踊り子の写真を二つに引き裂いて
ライターの火で燃やす。
今度は椅子が並ぶ談話室のような場所へ向かうボーカル。
放心状態で椅子に座るドラムの手から銃が滑り落ちる。
それは、あの日踊り子を撃った銃だった。
最後に甲板へ向かったボーカルは、海を見つめているリードギターを見る。
彼の右目から一筋涙がこぼれ落ちた。
そこへ再び踊り子の幻影が現れ、まっすぐに彼を指さして
銃で撃つような仕草をする。
38:本当にあった怖い名無し:2013/10/16(水) 00:21:56.41 ID:7UbzN7Hdi
一人自室で考えるボーカル。
もはや全員が怪しすぎて、誰が犯人か全く分からない状況。
そこでふと思い出す。
銃声が鳴った時、犯人と思われる男の手に、指輪が光っていたことを。
メンバーひとりひとりの手を確認していくボーカル。
ベース、サイドギター、ドラム…指輪はない。
最後にリードギターの手を見た。
そこには、右手の人差し指にはまったシルバーリングがあった。
場面が変わり、メンバー四人に背を向けて立つボーカル。
手を大きく振りかぶり、リードギターへ銃口を向ける。
演奏を止めて驚き見上げるメンバーの前で、ボーカルの銃が火を吹いた。
リードギターの心臓を真っ直ぐに撃ちぬいた銃弾。
彼は左手で胸を抑え、仰向けにゆっくり倒れた。
拳銃を下ろしたボーカルの右手人差し指には、
リードギターと同じ型のシルバーリングがはまっていた…
39:本当にあった怖い名無し:2013/10/16(水) 00:22:28.32 ID:7UbzN7Hdi
これ、メンバーですら間違えてる人がいたらしいんだが
実際の踊り子殺しの犯人はボーカルで、リードギターは全くの無実。
なぜ同じ指輪だったのかは明かされていない。
また他メンバーの怪しい行動の理由も謎のまま。
ファンの間では、
PVを見る限り、ボーカルと踊り子は恋人設定のようなので、
別れ話か何かでこじれ、逆上したボーカルが踊り子を殺害し、
すでに精神に異常をきたした彼が犯人探しをした挙句、
同じ指輪をしている親友を殺害するという話…という説が有力だったかな。
ここまで来たら一生正気に戻れそうもないし、
ボーカルにも他メンバーにも救いがねえ…
しかも、犯行に使われた証拠品の銃を、なぜかドラムが持っていたり、
踊り子の写真を燃やして彼女の存在を隠滅しようとしたり、
どう考えても他メンバーはボーカルが犯人だと知ってて
大事なメンバーのため、彼の犯行を隠し通そうとしている…とも見られるのがまた怖い。
後ろで演奏しているんだから、ボーカルが撃ったってのは分かるだろうしね。
41:本当にあった怖い名無し:2013/10/16(水) 01:33:21.42 ID:Qrcp6MwE0
>>39
中身はともかく京都迷宮案内のタイアップとしては良いPVだな
44:1/4:2013/10/16(水) 12:07:01.26 ID:pWmUkFsFO
女流ミステリ作家の短編
「私」は小さな花屋を経営している平凡な女。
最近恋人からプロポーズされ、快諾した。
ある日小包が届いた。
中身は『素敵なあなたに』とメッセージカードがついた、趣味の悪いカフスボタン。
婚約者に訊ねてみたが、差出人にもカードの筆跡にも心当たりがないと首をかしげる。
常連客のA子、「私」よりおそらく年上の、落ちついた優しい女性に打ち明けてみると、どこかでブスが僻んでるんじゃないの?気にする事ないわよ、と励ましてくれた。
ここで視点が変わる。
「僕」は両親がなく、祖母に育てられていたが15歳で家出し、年齢をごまかして夜の街で働いている。
45:2/4:2013/10/16(水) 12:09:05.70 ID:pWmUkFsFO
バーのボーイになった「僕」は喫茶店ウェイトレスのB子と親しくなり、彼女のアパートにも上がるようになったが、肉体関係はない。
姉弟か親友のように一緒にいるだけで満足だった。
B子は「僕」の理想の女性だったので。
ある日同僚のDQNに、親友の俺に彼女を紹介しろ、と押し切られて二人でB子のアパートに行った。
タバコを買いに行かされたか何かで「僕」が外に出て戻って来ると、B子をレイプしようとしたDQNは反撃で殺され、B子は抵抗した時にヤカンの熱湯を顔に被って苦しんでいた。
B子の正当防衛で片がついたが、警察は「僕」に、お前が彼女に火傷を負わせたようなもんだよ、と言った。