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【ウマ娘怪文書】「よお、トレーナー! 今ヒマか!」トレーナー室でゆっくりしていると、ゴールドシップが話かけてくる。「んじゃ、やろうぜ。リバーシ」


1: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:17:02 0

「よお、トレーナー! 今ヒマか!」
トレーナー室でゆっくりしていると、ゴールドシップが話かけてくる。
「おいおい、これが暇そうに見れるってのか?」
「…………。……ヒマそうだな」
「…………まあ、そうだな。暇だな」

「んじゃ、やろうぜ。リバーシ」
「は……? なんでまた突然、しかもリバーシなんて」
「え〜良いだろヒマだろ? リバーシなのは……あれだよ。たまたまリバーシ持ってたんだよ文句あっか」
「普通あるか? リバーシをたまたま持ってること」
「んな細けーことは良いんだよ! ほら、やるぞ!」
ゴルシはおもむろに机にリバーシを起き、コマをポンと置いていく。
「ったく……仕方ないなあ、一戦だけだぞ?」
「よぉし、そうこなくっちゃなあ! おら、先行決めっぞ!」
そう言って俺たちは、互いに拳を握り向き合う。




2: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:18:27 0

『ジャーンケンー!』『ほいっ!!』
「よっしゃ、俺の勝ちぃ!」「ちーっぃ! くそ……仕方ねえ、先行は譲ってやるぜ……」
「さーて……どんなもんかな……」
「リバーシチャンピオンのこのゴルシ様の実力をとくと見やがれ!」「あーはいはい」
ゴルシのいつもの過言を受け流す。

「ま、いっか……んじゃま、いざ尋常に……勝負!」
ゴルシの掛け声でリバーシが始まる。最初に並べられた黒白のチェック模様の四角形、その横に手持ちから黒のコマを置いていく。

「んー、しかしあれだな。オセロやるのも久々だな? ガキの頃以来か?」
「おい、トレーナー。オセロじゃねぇ……これは、“リバーシ"だ」
突然、ゴルシが神妙な顔でこちらに訂正する。
「……いや、どっちでも良いだろ」
「良くねえよ! オメー、オセロっつったらよお……オセロっつったら、株式会社メガハ○スの商標になっちまうじゃねえか!」
「いや、どこに配慮してんだよお前は」






3: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:19:22 0

意味のわからんことを言いながらも、ゴルシは白いコマを置いていく。序盤はまあ特に考えることも無いし、そそくさと互いにコマを置いていく。

「……ところでお前、リバーシ好きだったのか? 急に持ち込んだりして」
「まあ、割りかし? つーか、ボードゲームは全般得意だぞ」
……そう言われて思い出す。そういやコイツ練習中、コースに将棋やら麻雀やらを持ち込んでたな。
「ボドゲの神とはそう、このゴルシ様のことなのさ!」
「あーそう、そりゃ凄いな」
ゴルシの意味の無い言葉に生返事で返す。そうしてる内にも盤面は進み……現状は俺の方が多く取っていて有利そうな状況だ。

「……あー、それにしても。リバーシをやってると、思い出すなあ……」
「……思い出すって、何をだ?」「……ダチのことだよ」
どこか遠くの方を見つめて、ゴルシが静かに呟く。
「アタシの唯一無二のマブダチのことをな、思い出すんだよ……」
「……なんでそのマブダチをリバーシで思い出すんだ? リバーシキッカケで知り合ったとかか?」
「いんや、そうじゃねぇ……」「んじゃまたどうして」





4: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:20:28 0

そう問い返すと、ゴルシは何か思いに耽るように黒と白のコマが並ぶ緑の盤面を見つめる。
「……似てるんだ」「は……?」
「アイツの服が……リバーシに……」
コイツは一体何を言ってるんだ? リバーシみたいな服ってなんだ。
「こう……緑と黒のチェック柄の模様つーか? そんな感じの勝負服してんだ」
……なるほど、勝負服の話か。確かに、緑と黒のチェックの勝負服はあってもおかしくないように思える。コイツの周りでそういう奴を見たことはまだ無いが、そんなウマ娘もいるんだろう。

「へー、そうか……なあ、そいつってどんな奴なんだ?」
「お、気になるか? 良いぜ、教えてやんよ」
得意気な表情のゴールドシップ。変な奴ではあるが、何だかんだで友人のことを自慢したいという普通なとこもあるんだな。

「そう、まずは黒と緑の勝負服だろ? それから、結構マジメな方かな?」
「ほう、お前と真逆だな」「なんだと?」
きっとこちらを睨むゴルシを受け流して続きを促す。
「んで、そうそう。刀を持っててなー」




5: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:21:21 0

「ほーん、そうか刀か…………ん、刀!?」
一瞬聞き流しそうになったが、刀を持ってるとはどういうことだ。
「侍? みたいな? いや、時代が微妙に違うんだったか? 忘れちまったけど……まあ、和風っぽい感じはあるしなあ」
「そ、そうか……刀か……」
うーむ、真面目な方とは言っていたが、ゴルシの友人らしい奇特な趣味を持っているようだ。……しかし、グラスワンダーやノーリーズンのように、武将や和のものに憧れるウマ娘が居るのは俺も知っている。そういう類いの内か、と自分を納得させた。

「んで、そうそう。なんか漫画? に縁があるらしいとも言ってたな」
「漫画……?」
「んま、アタシはあんま聞いたことないけどよお」
ふーむ、ここまで聞くと、中々個性的な人物に思えてくるな……。黒と緑のチェック柄で、刀を持ってて、漫画に縁があって――ふむ……。

「んまあ、そいつアタシの同室なんだけどよぉ」
「は、同室!?」
「そ。だからまあ、マブダチ、的な?」
ゴルシの同室か……そういや聞いたこと無かったな……。これはまた、濃そうな寮部屋だな……。




6: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:22:32 0

「へー、そうか同室か……俺、まだ会ったこと無いよな?」
「ああ、多分ないと思うぞ」
「んで、なんて名前なんだ? 黒と緑のチェック柄で、刀を持ってて、漫画に縁があるとか言うお前の同室の名前は。なんてウマ娘だ」
「ああ……黒と緑のチェック柄で、刀を持ってて、漫画に縁があるアタシのマブダチ。そいつの名前はな――」

「――竈門炭○郎って言うんだ」「……いやおい、待てぇ!」
真剣な顔で某漫画の主人公の名を口走るゴルシにツッコミを入れる。
「どっから出たんだ鬼○の刃! 週刊少年ジャ○プに怒られるぞ!!」
「へーきだろ、アタシだって漫画の主役やってるし」
「お前のところは小○館! 竃門炭○郎は集○社だバカ野郎!」
「変わんねえよ、うち(スピカ)も鬼○隊も」
「全然違うわ!」
「うちにだって居るだろ? スペ柱とかスイーツ柱とか」
「謝れ! スペとマックとその他各方面に謝れ!」
なんなんださっきから伏字だらけの危ない橋を渡りやがって。つーかさっきまでの話なんだったんだよ、時間返せよこの野郎!




7: 名無しさん(仮) 2025/05/22(木)01:23:59 0

「……なぁおい、お前の番だぞ。ほら、早く置けよ」
「切り替え早いな!? ったく……まじで聞いて損した……。……はいよ」
パシりと黒いコマを置くと、盤面がほぼ黒一色に染まる。……あれ、気がついたらこんなに勝ってるな?
「むむ……」「……なんだ、どうした。手応え無いな? こんな盤面で良いのか?」
「るっせーな、まだ本気出してねえだけだよ」
そう言いつつ、むむむと盤面に向き合うゴルシ。
「……あー、ちょっとやる気出ねえなあ」「あ?」
突然、ゴルシがダランと姿勢を崩して舌を横に垂らす。コイツ真面目にやる気あんのか。
「……このままじゃやる気出ねえなあ〜なんか、スイッチ入るよーなもんねぇーかなぁー」
わざとらしく大きな声でぐだぐだ何かを言うゴルシ。
「…………そうだトレーナー」「…………なんだ?」
「どうせなら、賭けしようぜ」「あ? 賭けぇ……?」
ゴルシの瞳がキラリと光る。
「そ、負けた方は勝った方にたい焼き奢るってのはどうだ?」「は? なんでまた突然」
「良いだろ〜アタシがやる気出すためなんだよー! そっちの方が燃えるじゃねぇか」「いやしかし……」




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