【3/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
228: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:21:26.87 ID:JjzRc+udO
社長「そうか?
残念だな。一番期待してた若手だったのに。」
俺「すんません。
俺なりに色々考えまして、
そろそろ自分の将来もしっかり見つけようと思います。
本当にお世話になりました。
社長には助けてもらってばっかりで。
この御恩一生忘れません」
俺はお世話になった会社を辞めることにした。
それは自分のため、ハルのため。
ハルは新しいことに挑戦する。それは勇気がいることだ。
俺がいつまでもアルバイトしてるんじゃ駄目だ。
そう思った。
230: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:23:23.67 ID:JjzRc+udO
社長「そうか。そうか。
頑張れよ。
いつでも戻ってこい。
お前は息子同然なんだからな。」
社長は泣いて見送ってくれた。
本当にいい人だよ。
本当に助けてもらった。
家も無く路頭に迷ってる俺を拾ってくれたんだ。
本当に子供のように可愛がってくれた。
いろんなことを教えてくれた。
感謝してもしきれない。
232: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:24:32.52 ID:JjzRc+udO
俺とハルは新しい1DKのマンションに引っ越した。
新規一転新しい生活が始まる。
俺はすぐ仕事が決まった。
成長したよ。
昔は何十回も面接を受けて、何一つ採用されなかったのにな。
前からずっとやってみたいと思ってた仕事だ。
堅物だけど男気のある親方のいる工務店。
見習いから修行することになったけど、将来大工になりたいと思った。
234: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:28:37.77 ID:JjzRc+udO
昔から工作が好きだったんだ。
いつか一人前になってハルのために家を建ててやりたい。
庭にはブランコ。
ハルの部屋には俺の作った玩具や子供用の家具。
夢が膨らむ。
俺は幸せな理想の親子を想像した。
それだけで頑張れるんだ。
235: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:30:29.58 ID:JjzRc+udO
入学式。
大きなランドセルに制服。
ピカピカの一年生。
ハル「一年生の、松井ハルでしゅ」
家の中で何度も自己紹介の練習をするハル。
なんだか大人になったみたいで、少し誇らしい気持ちになった。
卒園式では佐々木先生とお別れってことで、
先生のそばから1時間も離れず困らせてたのにな。
随分泣いて大変だった。
236: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:37:59.06 ID:JjzRc+udO
すまん。
大丈夫じゃなかったかもだ。
240: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:40:17.29 ID:JjzRc+udO
夏が過ぎ秋が過ぎた。
色々大変だけどハルは毎日が楽しいみたいで、
小学校に通わせて良かったのかもと少し安心していた。
ハルが2年生になったある日、仕事中に学校から電話がかかってきた。
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