【学マス】篠澤広「負けたら退学?」 (46)(完)
8:Dの人:2025/03/18(火) 21:37:41.92:p5ftvJd7o (8/46)
──
広「……よろしくお願いします」
審査員A(倒れそう)
審査員B(倒れそう)
審査員C(倒れそう)
P(試験はグループごとに1人ずつ……審査員それぞれの得点の合計で競い、その合計値の高い上位3人が最終試験へと進む事ができる……)
広(持ち時間は11分……残り5分までは体力の温存)
P(頼むから倒れないでくれ……!)
広(ふふ……プロデューサー不安そう)
審査員A(この子なにもしないな)
審査員B(動かない……)
審査員C(可愛い)
広(……流石に何かした方が良い、かな)
広「えいえいおー……」
審査員A(何か鼓舞しはじめた……)
審査員B(試験前に済ませといて)
審査員C(可愛い)
広(もう少しだけ、何かしようかな……あ、靴紐が……)
審査員A(靴紐結び始めた)
審査員B(だから試験前に済ませといて)
審査員C(気付けて偉い! 加点しよう!)
広(靴紐結んだら疲れた……)
審査員A(また動かなくなった)
審査員B(え、もしかしてひなたぼっこしてる?)
審査員C(可愛い)
P(後半だ、篠澤さん、そろそろアピールを……)
9:Dの人:2025/03/18(火) 21:38:15.14:p5ftvJd7o (9/46)
広(そろそろ後半……審査員にアピール……)
広「……篠澤広です。……今日は朝起きて……しばらくベッドから起きれなくて……」
審査員A(何か喋り始めた)
審査員B(何このゆるふわお喋り……まぁ喋ってるから加点しとこう)
審査員C(お喋りできて偉い! 加点!)
P(篠澤さん! アレを!)
広(プロデューサーが何かしてる……あ、)
広「……篠澤広です。よろしくお願いします……!」
審査員A(なぜ突然挨拶を……)
審査員B(まぁ最初の挨拶よりは元気だから加点)
審査員C(挨拶ができて偉い! 加点!)
P(違います篠澤さん! コレですコレ!)
広(……そうだった。あの合図は……)
広「……」スッ
審査員A(え!? 急に手でハートマーク作った!?)
審査員B(ダウナー系からのハート!? このギャップ萌えが狙いか!? 加点!)
審査員C(可愛い! 加点!)
P(よし、効いてるぞ!)
──
10:Dの人:2025/03/18(火) 21:39:01.70:p5ftvJd7o (10/46)
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千奈「おめでとうございますわ~っ!」
佑芽「おめでとう広ちゃんっ!」
広「……ありがとう千奈、佑芽」
広「……ふぅ」
千奈「嬉しくありませんの?」
佑芽「広ちゃんもっと喜ばないと~」
広「そうじゃない……。合格は嬉しい、でも、もし次も上手くいってしまったら……それはつまらない」
佑芽「上手くいったら嫌なの?」
広「嫌というより、つまらない」
「3位でのギリギリ合格で上手くいったなんて、落ちこぼれの目標は低いんだね」
広「あ、2位の人」
「そう、2位だけどアナタよりは上だよ。もっとも、最終試験は当然1位を取るつもりだけど」
千奈「いったい何の用ですの?」
「別に、落ちこぼれを笑いにきただけ。流石落ちこぼれ組だよね、3人もいて1人がギリギリ合格なんて」
佑芽「いじわるだな~! 悪口言うだけならあっち行ってよ!」
「行かない。まだ言いたいことあるから」
千奈「もうっ、いったい何ですの!」
「アナタ達、もう学園辞めたら?」
11:Dの人:2025/03/18(火) 21:39:40.15:p5ftvJd7o (11/46)
広「……どうして?」
「ハッキリ言うけど、アイドル向いてないよ」
広「やっぱりそうなんだ」
佑芽「ぐぬぬぬぬ! そんなの分かんないよっ!」
千奈「そうですわ! わたくしたちはまだ成長途中ですわ!」
「成績最下位」
広「うん」
「補欠合格」
佑芽「うぐっ!」
「コネ入学」
千奈「ひぃっ!」
「足を引っ張るだけの雑魚3人、学園にいる必要ある?」
千奈「あ、あんまりですわ!」
佑芽「そうだそうだ! 自分だって2位じゃん!」
「私は合格してる」
千奈「篠澤さんだって合格してますわ!」
佑芽「そうだよ広ちゃんだって合格してるもんっ。最終試験だってきっと合格できるよっ」
「無理だね。辞退した方が良いと思うけど?」
広「……辞退は、しない」
千奈「そうですわ! 篠澤さんは我々落ちこぼれ組の希望の星! 最終試験ではきっとアナタにだって勝ってみせますわ!」
広「……え」
「ふぅん……やる気なんだ。いいよ、勝負してあげる。私が勝ったら3人揃って退学でいいよね?」
千奈「た、退学!?」
広「それは困る」
「勝つつもりなら問題ないと思うけど? それとも、やっぱり勝てないと思ってるんだ」
佑芽「その勝負乗ったああああっ!!」
12:Dの人:2025/03/18(火) 21:40:06.28:p5ftvJd7o (12/46)
千奈「花海さん!?」
「決まりだね。後で後悔しても知らないから」
佑芽「そっちだって! 広ちゃんが勝ったら今まで言ったこと全部謝ってもらうからね!」
「……いいよ、土下座でも何でもしてあげる。……そこの落ちこぼれが私に勝てたらの話だけど」
佑芽「決まりだねっ! 頑張ろうね広ちゃん!」
広「……無理」
千奈「はわわわわわわ……! た、大変な事になってしまいましたわ……!」
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13:Dの人:2025/03/18(火) 21:41:02.18:p5ftvJd7o (13/46)
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広「……という事で、負けたら退学することになった」
P「どうしてそうなるんですか……」
広「わからない」
P「何とか中間試験を乗り越えたと思った矢先に何故……」
広「とにかく私は、最終試験であのアイドルより上位に入る必要がある」
P「……何か作戦は?」
広「ない」
P「そんな無謀な……」
広「無謀?」
P「無謀です」
P「いいですか篠澤さん。篠澤さんと同じグループで2位だったそのアイドルは、中等部でアイドルユニットのセンターをつとめてた経験者。今回の試験で1位でもおかしくなかった実力者です」
広「……そうなんだ」
P「そもそも最終試験は中間試験を乗り越えた実力者の集まり、ギリギリで合格できた篠澤さんが上位に入る事も難しいです」
広「……そう、ふふ、難しいんだ」
P「……嬉しそうですね」
広「うん、その困難を乗り越えるためにプロデューサーがどんな鬼畜なレッスンを私に課すか、今からワクワクする……」
P「人聞きの悪い言い方しないでください。並のアイドルなら篠澤さんの3倍、あの2位のアイドルなら5倍はレッスンをこなしているんです」
広「うん、私のレッスン量が人並み以下なのは理解している」
14:Dの人:2025/03/18(火) 21:41:30.91:p5ftvJd7o (14/46)
広「……だけどね、プロデューサー」
P「なんでしょうか」
広「私、勝ちたい」
P「……珍しいですね」
広「うん」
広「理由は2つ。1つはこの学園が私にとってとても居心地の良い場所だから、辞めたいとは思わない」
広「もう1つは、千奈と佑芽にもアイドルを続けて欲しいから」
P「……」
広「プロデューサー……勝てる?」
P「……」
P「……そこまで言われて、無理とは言えないでしょう」
P「……でもいったいどうすれば…………うーん……」
広「ふふ、頑張ろうね……プロデューサー」
──