もう一人のジャック・ザ・リッパー?『トルソー・キラー』「おんj『海外』未解決事件部 Part3」
879: 誰そ彼 2017/09/04(月)06:27:58 ID:mNw
ある程度分かってたら切り裂きジャックと並ぶくらいの事件になってたかもしれへんな
もしも同一だったらやけど
880: 誰そ彼 2017/09/05(火)02:22:04 ID:FJh
バタシー・ミステリー
またまたロンドンの話、1873年9月5日、ちょうど144年前の今日の話である
テムズ警察がインナーロンドンのバタシー地区を警邏中に女性の胴体の左上部分を発見した
続いて、程近いナインエルムズ地区で右胸部が、やや下流のライムハウス地区で首から上の頭部が
左前腕部はバタシーで、腰回りはさらに下流のウールウィッチ地区で、それぞれ発見された
これらバラバラ遺体を集めると、どうやらこれが1人の女性がバラされた末の姿であることがわかった
頭部顔面は鼻とあごが切り取られており、髪の毛の部分は頭皮が剥がされていた
ロンドン警察の監察医トップのトーマス・ボンドはバラバラになった遺体を元の姿に組み直して身元確認をしようとしたが
組み直してもバラバラ遺体である、一般大衆に見せても野次馬根性か気味悪がるかでうまくいかない
そこでまずは写真にして目撃証言を集めることにした
医学雑誌「ランセット」は次のように報じている
大方の意見に反しこの遺体は闇雲に叩き切られているのではなく、巧みに切り分けられている
関節は皮膚筋が切り開かれ、骨ぼねは足首や肘などの関節が複雑な部分までうまくバラされている
臀部と肩の部分だけは関節から分けられず、骨がのこぎりか何かで切られていた
この医学雑誌の報道からわかることは、遺体を解体した人間はかなり人体または動物の構造に関する知識を有しているらしいことだ
ちなみに、10数年後の「(テムズ川)トルソ殺人者」との関連が指摘されたのはこれが理由である
予備審査で「身元不明の単独若しくは複数人による故意殺人」と断じられたものの
当時の捜査技術では、犯人が誰であるかどころか犠牲者が誰であるかすら判明しなかった
翌年の6月、今度はバタシーから5kmほどテムズ川上流部にあるパトニー地区でまたも女性の遺体が見つかった
この遺体は首から上と両腕、そして片足がない状態だった
さらに監察医E・C・バーンズの検死によれば、この遺体は川に投げ込まれる前に石灰にまぶしてあったらしいことも判明した
一般に石灰を使うと遺体の腐敗が早く進むとされており、遺体をバラした人物は恐らくこのことを知っていたものと思われる
つまりバラした遺体を意図的に腐敗させようとした訳であり、殺人など重大犯罪の痕跡を消し去ろうとした可能性が大である
にもかかわらず予備審査では「この遺体は死因不明」と判定してしまった
確かに死因不明に違いはないが、死因がわからないバタシー事件は殺人として扱ったので
殺人と死因不明の境界がどこにあるのかよくわからない
恐らく当時の法曹関係者もわからなかったと思う
いずれにしても、この2件の遺体が誰のものであるか、殺されたのか、殺されたとして誰の仕業か
殺したのは同一人物によるものか別々の人物の犯行か
いずれも全くわからないまま、一旦歴史の忘却の彼方に消えていった
この事件が再び脚光を浴びるのは10年のちのことになる
881: 誰そ彼 2017/09/05(火)17:33:07 ID:q9A
これもう当時のロンドン暗黒街ってレベルやないやろ
そらホームズ人気出るわ
882: 誰そ彼 2017/09/06(水)03:17:22 ID:2C4
トッテナムコートロード・ミステリー
1884年10月23日、まーたロンドンの話である
トッテナムコートロード近辺というからビッグベンから1km程度の距離のロンドン中心部と言っていいだろう
そこで人間の、恐らく女性と思われる遺体が見つかった
それは肉が付着した状態の頭蓋骨と大腿骨であった
そして状況的に、犯罪に巻き込まれたものであろうことが容易に推測できた
時をほぼ同じくして、すぐ近くのベドフォードスクウェアでは小包が発見されたのだが
中を見たら案の定、人間の腕が入っていた
柵を挟んで道路から投げ込まれたと思しきこの腕には、個人が特定出来る可能性があるタトゥーが彫られていたが
これは恐らく被害女性が売春婦であるだろうことを意味していたらしい
売春婦の識別用タトゥーだったのだろう
5日後、やはり近隣のフィッツロイスクウェアの建物前で、警察官は茶色い大きな紙包みを発見した
嫌な予感がするなあ
予感通り、中から人間の胴体が出てきた
殺人者であろうと思われる遺体の捨て主は、捨てる時に極めて大胆か運が良かったのだろう
ポールモールガゼット紙にはこう書かれている
この建物の前の歩道は絶え間なく警察官がパトロールしている
紙包みが捨てられたのは10時から次の警官が警邏に来る10時15分までの15分の間と思われる
しかも紙包みが捨てられた建物というのが軍の練兵所だったというから
捨てた人間は大胆か運が良かったのどちらかだろう、と思われるのもむべなるかな
11月11日から検死法廷が始まった
タイムズ紙はこう報じている
医学的証拠からは、このバラバラ遺体の主は同一女性であり、遺体を解体したのは「技術を持った」人物である
但し、医学的解剖目的などでは断じてない
まーたある程度の技術を持っ人物による解体らしい
10年前のバタシー・ミステリーに似たシチュエーションである
これまた「(テムズ川)トルソ殺人者」との関連が指摘される訳である
結局、腕のタトゥーも身元判明の決め手にならなかったようで
この遺体が誰のものであるか判明していない
883: 誰そ彼 2017/09/06(水)03:20:17 ID:2C4
今度は12月9日である
やはりトッテナムコートロードから離れていないモーニントンクレセント駅敷地内で見つかった包みから
右腕と両足のそれぞれ骨がが発見された
地区の監察医によれば骨の主は「1人の女性のもので、巧みにバラされている」
また出て来たキーワード、またしても技術か知識を持った人間による解体らしい
しかも続けて監察医が言うには「トッテナムコートロードの女性とは別人」
この時代のロンドンはよほど治安が悪かったんだろうと思わずにはいられない
12月の遺体も誰のものであるかわかる術もなく、しばらく後に埋葬された
もちろん、2件とも未解決のまま今に至っている
>>881
1882年の記録では、1年間にテムズ川で544遺体を収容したらしい
約半数の277体は死因不明扱いだったとか
テムズ川が不法投棄の場になっとったみたい、人間の
884: 誰そ彼 2017/09/06(水)06:45:44 ID:5qq
>>883
えぇ…同一人物の殺人じゃなくて無関係の複数の死体遺棄場みたいなもんなのか…
警官の巡回時間知ってたんかな
931: 誰そ彼 2017/09/22(金)04:37:13 ID:mMR
今日は小ネタ
ジル・ザ・リッパー
誰が「切り裂きジャック」を男と決めた?
鋭い刃物で相手をバラバラにする残忍な殺人方法は普通、男がするものであると相場が決まっていると思われている
ただ刺し殺すだけなら非力な女にも可能だが、それをバラすとなると重労働で、男の力が必要と考えられるからである
しかしそれにしても、いとも簡単に売春婦が殺害され続けている
こんな事件が続いた日には、男を見ればちったぁ警戒しそうなもんだがその形跡がない
商売柄、男を警戒していては売春婦の商売上がったりだから、いちいち男を警戒している場合ではないのだろうが
「売春婦が殺人鬼を警戒しないのは、その殺人鬼が女だからではないか」という説も持ち上がったりした
血みどろになっていてもちっとも怪しまれない産婆が容疑者なのではないか、という説すら存在した
女がジャックはねぇだろうって話で、「切り裂き魔=女」説の場合「ジル・ザ・リッパー(切り裂きジル)」と一般的には呼ばれるが
この説は基本的には与太話のレベルで主流派ではない
しかし、何人か容疑者候補として興味深い名前が挙がっている