バイト先の弁当屋が夜逃げしてびっくり。夫婦ですごい優しい笑顔を浮かべる人だったのに
41: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:06:15 ID:Q9u
その後、俺は逃げるように帰った
オバサンに弁当を適当に幾つか持たされて
「明日は来ないでいいよ!ごめんね、ごめんね!」
と何度も言われて
でも、店から少し離れたところで直ぐ脇に外国車が停まって
声をかけられた。
運転席に一人しか乗っていなかったのだけど
クソ渋い顔したオッサンで
オッサン「おい、お前、○○(弁当屋)で働いていたよな?」
オッサン「なあ、○○(会社名?)の連中たち
弁当買いに来ているか?」
オッサン「あーわかんねーのな。新人さんで?」
ビビリながらそんな感じの会話をした。
オッサン「別んところで働け。本当に、別んところで」
なんかの拍子でそう言われて、
その後、缶コーヒーを渡されて別れた
当時の俺としても意味不明だけど
ひたすら怖い怖いと思っていた
42: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:10:25 ID:Q9u
家族に「休みになったー」と話して、
その日は適当に一日過ごした
ただ弁当屋のことが気になってひたすら眠れなかった
当時眠れないならやることと言えば
マンガ本や本を読むのもあるけど、
基本は公園に出掛けて運動ぐらいしかなく
深夜徘徊ってやつ
大体公園に行けば知り合いの1人や2人は居るような田舎だし
夏休みの夜を暇しているやつなんて沢山いた
そこで見つけた友人に弁当屋のことを話した
「近所じゃんwwwwww」と爆笑したヤツである
43: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:15:33 ID:Q9u
爆笑した友人(以後、Aくん)
「なあ、あそこの弁当屋。カーチャンがあるのは知ってた」
俺「だろ?」
Aくん「でも行ったことがないらしい」
俺「なんで?」
Aくん「いやしらねーよ。
そもそもあそこ潰れたんじゃなかったの?とか言ってたよ」
俺「は?」
Aくん「わっかんねーけど。てか、俺も考えてみると
そうだと思う」
Aくん「彼処らへんは小中で通学したことあるけど、
店やっていたのを見たこと有るけど」
Aくん「高校あがる少し前から旗も畳んで
店もシャッター降りていたと思うんだよなぁ」
Aくん「そもそもその時給で募集していたら
俺が真っ先に飛び込みに行ってるしさ」
Aくん「なあ、その店本当に大丈夫なのか?書類とか
色々書いてないか?」
44: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:19:34 ID:Q9u
俺はそこで知った
バイトでも結構事細かい書類を書く必要があることに
名前、生年月日、住所、郵便局、電話番号・・・・
そんな書類書いたことがない
俺「か、書いたこと・・・・ねーわ・・・」
Aくん「バカだな、それじゃ、
もしかしたら働いたことになってねーかもしれねえよ?」
Aくん「今聞いている感じ普通の店じゃないじゃん?」
Aくん「普通じゃないって、普通じゃないが当たり前になってな?」
Aくん「一線超えちゃいやすいからな?」
そんな感じで俺の初バイトがガクブルへと変わっていった
45: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:27:54 ID:Q9u
次の日、公営プールで馬鹿みたいに泳ぎまくってリフレッシュして
翌日弁当屋に向かった。
俺の顔を見るとオバサンが「あ、来た」と呟いた
オジサンは「こないだは、ごめんねー」と
いつもの陽気で行ってきた
その日は珍しく忙しかった
昼前から作業着を着た人が大勢来て、昼過ぎにも来て、
夕方にも来て
多分同じグループが4つぐらい店に来ていたと思う
購入していくものもマチマチで、セール弁当から普通の弁当まで
注文してから作る弁当を頼んだ人も居た
そのグループの一人が「お、□□さんが言っていた新人だな!」
と俺のことを見ていった
オバサンの方は「そうなのー!」と明るく笑って
その人が「ちゃんと稼げよ~、てか金ほしいなら
俺たちのところで働くか?」とか誘ってきた
オバサンは「やめてよー!うちの店が困っちゃうから!」
と笑い流していた
でも、その日の夜。帰る前にオバサンに言われた
「こき使われて、それこそ事故とかに
逢わせられるかもしれないから、行っちゃ駄目だからね」と。
46: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:33:07 ID:Q9u
オジサンとも話をした
ハッキリと給料関係の話を切り出した
とはいっても「少し早めにほしくて」と
オジサンの方は黙ってしばらくテレビを観た後
「つっはぁ」みたいな短い息を吐いて
「そか、そうか、話は分かった」と言った
オジサン「給料急にほしいとかどうしたの?」
俺「いや、ほしいのがあって・・・・ボーリングの球
なんですけど(咄嗟に言った嘘)」
オジサン「こないだの事とかでなにかあった?」
俺「いえ、なにも!なにもないです!」
オジサン「そかそか・・・そうか・・・・」
俺「それで・・・・貰えないでしょうか?」
オジサン「んー今週に渡すからね。金曜日に渡すから」
俺「二日後に、絶対ですよ・・・?」
オジサン「分かった約束する」
内心、本当になんかヤバイなって思っていた
47: 名無しさん@おーぷん 20/02/28(金)23:42:03 ID:Q9u
次の日、少し早く出勤すると
一般家庭で使うような冷蔵庫が置いてあった
でも、今で言う奥行きのある氷冷皿付きの冷蔵庫。新品。
電気代は食うタイプ。
オジサンに尋ねると
オジサン「新しく冷蔵庫を増やすことになってね。
野菜とか入れようかなーって」
オジサン「奮発しちゃったよ・・・」
そのままオジサンと2人で店の中に冷蔵庫を運んだ。
店の中ではすでにオバサンが片付けを終えていて
「そこにおいて」と指示していた
その日は冷蔵庫の他に、鶏もも肉が30キロ箱で来ていた
いつもなら肉は冷凍庫にいれるのだけど、その日は
オジサン「今日使っちゃうからそのままにしておいて。
冷蔵庫に入れちゃうから」と
その後はジュージュージャージャーと料理を作り始め
俺とオバサンで開店準備を済ませて
前日と同じく作業着を着た人たちが昼前と昼過ぎと夕方に大勢来た
すこしだけ話をしたらやはり会社ごとに来ていることが分かった
運転手の行きつけで連れてこられていると
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