【悲報】旧友「この壺…買ってくれないか?」男「(やっぱりこういう話かよ……)」
12: 2022/09/15(木) 16:21:32.54 ID:5WAX/6AV0
取引先「いいかい? 別に君んとこじゃなくてもいいんだよ。他にも代わりはいるんだ!」
男「そこを何とか……」
男(嫌なことがあったら――)
男「ボケーッ! 代わりがいるんならいちいち脅さず、とっととそっちにしろや! どうせ出来ねえくせによ!」
男「あー……スッとした!」
13: 2022/09/15(木) 16:21:46.10 ID:5WAX/6AV0
男「ふんふ~ん」カタカタ
女「お菓子食べます?」
男「ありがとう」
女「……」
男「ん? 俺の顔に何かついてる?」
女「最近生き生きしてますよね。前はもっとこう……」
男「あ、分かる?」
14: 2022/09/15(木) 16:22:01.88 ID:5WAX/6AV0
男「実は……ツボのおかげなんだ」
女「ツボ? 私にも教えて下さい! 体のどこを押せばいいんですか?」
男「あ、いや、そのツボじゃなくて……容器のツボなんだ」
女「へぇ~、そういうのに興味があるんですか、ちょっと意外!」
男「だよね」
男(俺だってまさか、自分があんなもん買うとは思わなかったもん)
15: 2022/09/15(木) 16:22:16.86 ID:5WAX/6AV0
女「よかったら、どんなツボか見せてくれませんか?」
女「私もこう見えて、骨董品にはちょっとうるさいんですよ~」
男「別にかまわないけど」
女「じゃあ、今夜にでもお家にお邪魔させて下さい!」
男「う、うん」
男(まさか、こうなるとは……女の子が自宅に来るなんて初めてだぞ)
17: 2022/09/15(木) 16:22:45.85 ID:5WAX/6AV0
女「うわ~、ものすごくお部屋キレイですね! 私の部屋よりキレイかも!」
男「毎日掃除してるからね」
男(ただしツボ買ってなかったら、典型的汚部屋だったけどね……助かったわぁ)
女「で、ツボはどれですか?」
男「これなんだけど」
ピカピカ…
女「わぁっ、すごい! ピカピカじゃないですか!」
男「磨きまくってるからね」
女「うん……うん、うん」
女「これは絶対……すごい価値がありますよ! 100万……いえ、1000万の価値はあるかも!」
男「は……?」
女「私のアナライズ(分析)に間違いなしです!」
男(この子の目はだいぶ節穴のようだ)
女「そうだ、TVの『どれでも鑑定団』で鑑定してもらいましょうよ! きっとすごいことに……」
男「!? いやいやいや! 鑑定なんかしなくていいよ!」
女「欲をかかないんですね。なんだか見直しちゃった……」
男(恥をかきたくないだけだよ……)
20: 2022/09/15(木) 16:23:04.27 ID:5WAX/6AV0
アハハハ…
男「へぇ~、そうなんだ」
女「その時の写真がこれで……」
男(今まであまり話したことなかったけど、こうして話してるとすごく気が合うな)
女「そこで、ポップコーンがボッカーンと……」バッ
ガンッ!
女「痛っ!」
21: 2022/09/15(木) 16:23:21.26 ID:5WAX/6AV0
女「あ……ツボに手が当たって……ちょっと欠け……」
男「あー……」
女「あああああああっ! 私のせいで1000万がああああ! ごめんなさいいいいい!」
男「気にしないで。それより怪我はなかった? 指切ってるかも」
女「大丈夫……です。だけどツボが……」
男「ほんのちょっと欠けただし、全然大したツボじゃないから」
女(私を気遣ってくれてる……なんて優しい人なの)