死ぬ程洒落にならない怖い話 『とんでもない廃屋』
279 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:41:59.44 ID:SHSKxkAB0
どれだけ時間がたっただろう、誰かが言った。
「・・・・マネキン?」
俺も口を開く。
「・・・かな・・・たぶん」
ゆっくりすりガラスを開けると『彼女たち』は確かにいた。
「・・・マネキンかよぉ・・・・・・勘弁してくれよ!」
部屋の中を見渡すと、マネキンが林のように並んでいる。広い部屋に二十体ほど。
「気色わりぃ・・・」
みんな口々に同じような事を言っている。
でも気色悪いのは、マネキンの存在でもその多すぎる数でもなく、マネキンのその姿だ。
下着は下着でも機能的なものじゃない。
小学生の俺達も知っている、
公園で拾う本の後ろ側に載っている、男を誘うためにあるような・・・そんな下着。
282 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:55:11.32 ID:SHSKxkAB0
この家に住んでいた者の中身を垣間見た気がしてゾッとしていると、
「住んでた奴は絶対お前みたいな変態だな!」
そう言って俺の顔を友達が指差す。
みんながその言葉で大笑いし、すこしだけ緊張がほぐれた。
「もう少しだけ見たら帰ろう」
一人がそう言うと皆が頷いた。
部屋に入るとマネキン以外にもいくつかの物があった。
壊れたテレビ、玩具、オーディオ、よくわからないガラクタ、そして本の山。
俺は本の山から一冊を取り出し開いてみると、「・・・やっぱりこれもかぁ」思わず声が出た。
理由はここまで読んでくれた人ならわかると思う。
283 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 12:03:59.48 ID:SHSKxkAB0
「これも顔や体がすりかえられてる・・・」
そう言いながら友達の方へ顔を向けると、友達が何かをいじっている。よく見ると車のバッテリーだった。
「感電するから止めとけって!」
俺がそう注意すると、一瞬動揺しつつ「大丈夫!」と何の根拠も無さそうな返事で活動再開。
溜息混じりに何となくほかの本を手に取ったとき、俺の心臓は凍りついた。
285 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 12:16:57.01 ID:SHSKxkAB0
ブツン!
ブラウン管のテレビが点くときに鳴るあの独特の音。
その目の前で、「点いた!俺って天才!」と無邪気に喜ぶ友達。
周りの友達の顔が凍りつき、当たり前の疑問をなげかける。
「何でテレビが点くんだよ・・・」
でも俺の心臓が凍りついた理由はテレビじゃない。
俺は渇ききった口を開いた。
「この雑誌、今月号だ・・・」
俺の言葉でテレビの前ではしゃいでいた友達も状況がわかったらしく、顔が凍りついた。
286 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 12:23:58.22 ID:SHSKxkAB0
ギシッ・・・・・・
微かに音がする。
壊れかけ、灰色の映像で映しだされる歪んだ顔のニュースキャスター。
ノイズ交じりの声が響き渡り、懐中電灯とテレビの光で照らされた部屋の奥。
マネキンの林の中に、確かにそれはいた。
人以外にはできない最高の喜びの表現、笑顔。
それが人だとわかり、その場にいた全員の喉の奥から悲鳴が上がったときには
そいつはマネキンを掻き分け向かってきた。
他の者には目もくれず、一直線に俺の方へ。
その場にいた全員が声を張り上げ我先に逃げてゆく。
俺はというと、対峙していた。真正面から。
291 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 12:32:37.75 ID:SHSKxkAB0
俺の前にいるのは人間だ、間違いなく。人間の男だ。
頭で必死に理解しようとする。
幽霊じゃだめだけと、人間なら話し合えるかもしれない。
・・・わかってる、わかってるんだ。逃げるべきだって事は。
早く逃げろよと今ならそう思えるけれど、あの時は恐怖でどうかしてたんだ・・・。
「・・・こんにちは」と俺。
「可愛いねぇぇぇぇ」
・・・褒めてくれた?
「君は好き?こういうやつ好き?」
男が手に持った分厚い本を開いて見せてくる。
下の階にあった人体標本が載った本だった・・・
292 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 12:40:34.33 ID:SHSKxkAB0
死体の写真の顔が外人の女に差し替えられていた。
「こういうのはあまり好きじゃない・・・」
「好き?ねえ好き?どういうのが好き?いrw里いvmrvbmんr9ぢc炉vmvおvりc、 ぐぃうghbのtgんろgbんをんbを意を得rggrkwvm9wmv95pgとpgkm地fm儀gtgんgjtbmrtkbmrwbm4尾5印brウィ音日btmkgんびgんれおbmkんbvkfんぼrぎおtんrbr3gtvm9v9v9v、jcj4j、@」
駄目だ、人の言葉さえ喋ってくれなくなった。俺もう終わりかも・・・
「おいっ!」
横を見ると友達二人が泣きながら俺を呼んでいて、
次の瞬間には跳ねるように友達の方へ走ってる自分がいたんだ。
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