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死ぬ程洒落にならない怖い話 『とんでもない廃屋』


258 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 08:28:15.29 ID:SHSKxkAB0

小さな脳みそを働かせ出た結論、きっと外から上がるタイプだ。

外側を見て回った・・・・・・無い。外にも内にも。

いっとき家の中を探すと二階への通路自体は見つかったんだけれど、

それが余計に不安と好奇心を煽ってしまう結果になる。

二階への階段は取り外され、階段が本来通るはずの場所は鉄板で塞がれていた。

それが分かった瞬間、門限という言葉は俺達の頭から消えていたと思う。




260 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 08:33:02.11 ID:SHSKxkAB0

とにかく二階が見たい!

そう思い始めたら妄想が止まらなくなってしまって、

「絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!」

「やっぱ頭のおかしい医者がやばい研究してたんだって!」

みんな口々に自分の妄想を吐き出し始めて、

最終的には、自分たちで作っていた縄梯子で二階に上ろう、という事になった。




261 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 08:38:34.53 ID:SHSKxkAB0

外側から上がるため、まずは家の周りを偵察。登りやすそうなパイプを見つけた。

一番は木登りが得意な俺が雨樋のパイプを伝い、上へ。

思っていたよりずっと簡単に登れたんだけれど、気になることがあった。

二階の窓から中が一切見えなかったんだ。

窓をよく見ると、新聞や雑誌をマジックで黒塗りにして何重にも貼り付けてあり、

一筋の光さえ通したくない、そんな意思を感じさせる気がして、

みんなが登って来れる様、梯子を架けてあげたが、

全員が登りきるまでの間どうしてもその事が気にかかっていた。





272 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:18:29.02 ID:SHSKxkAB0

屋根に登り切り、いよいよ二階の部屋に乗り込むことになったが、

窓の事を話すとみんな不安になったらしく、多数決を取ることに。

「中に入ってみたい奴」「このまま帰りたい奴」

結果、好奇心が勝る。

俺が先頭に立ち窓に手をかけると、あぁ、開いた。正直言うと嬉しさ半分、後悔半分。もういくしかない。

覚悟を決めて窓を開けると、満面の笑みで微笑む水着の女がいた。ポスターの。

「心臓が止まった・・・」

溜息をつく俺を見て爆笑する友達。

大笑いするみんなに腹は立ったが、それ以上に気持ちが軽くなっていて怒る気はしない。

・・・ただ気になったことが一つ。

何でポスターの口にルージュが引いてあるんだ?




273 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:21:13.74 ID:SHSKxkAB0

疑問はあったが、そのまま窓を跨ぎ二階へ足を踏み入れた。

廊下は暗く湿っている。

当たり前だ。入ってあらためて見渡すと、日の光が射せそうな場所が一切無い。

隙間はすべて黒塗りの新聞や雑誌で覆われていて、どんな晴天でもこの部屋に光を入れることはできない。

さっきまでは、この家に住んでいた人間は知的でセンスのある人だと思っていた。

だが今となっては、友達の言葉が頭の中でこだまのように響く。

『頭のおかしい医者が住んでいたんだ!』

『絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!』




276 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:24:22.80 ID:SHSKxkAB0

帰りたい、今すぐに。

それなのに好奇心が俺達の足を進め進めと突っついてくる。

ゆっくりゆっくり前へ進むと、一歩足を進める度にこの部屋の住人の異常性が伝わってきた。

廊下の奥に進むほど壁の黒塗り度合いは減っていき、反比例するように異常性が上がってゆく。

入り口付近の壁には、黒塗りの壁に水着の女や海外の●ルノグラビア。まだこれなら良い。

だが奥の壁には、グラビアから顔だけ抉り、

代わりに一階にあった死体の写真から切り取ったであろう顔を貼り付けてある。

ポジティブな考えは全て消え失せた。




277 :本当にあった怖い名無し:2013/10/14(月) 11:26:53.75 ID:SHSKxkAB0

こんな事をしたのが、この家の主だろうが廃屋に移り住んだホームレスだろうがどうでもいい。

みんなこの光景に言葉を失ってはいるが目を見ればわかる。満場一致で『今すぐ出よう』だ。

きびすを返し元の窓に戻ろうとしたとき、友達が言った。

「・・・人がいる」

その場で全員が、友達が指差す方を見る。

廊下から部屋に続くすりガラスの向こう側、そこに懐中電灯を全員が一斉に当てた。

女がいる、下着姿の。それも一人ではなく大勢。

全員声も出さず、呼吸もぜず、ただ固まったままライトを当てている。




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