ライナー「エレン、ちょっといいか。話があるんだ」エレン「?」 (18)(完)
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:19:50.60:QuJmxrDzo (4/5)
ハンジ「皆の気持ちはわかった。ただ、こちらにも、二人が男ではないかという証言者がいてね」
エレン「証言者……?」
ハンジ「アニの部屋の隣に住んでいるヒッチという子だ。しかも、そのヒッチの証言によると、あの二人の正体は君達もよく知っている人物という事になる」
アルミン「僕達も良く知っているって……一体誰が」
ハンジ「一人は『ライナー・ブラウン』。もう一人は『ベルトルト・フーバー』」
エレン「そんな……!? まさか……!」
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:20:53.03:QuJmxrDzo (5/5)
ハンジ「ヒッチの証言によると、その二人は何回かアニの部屋に来た事があるらしい」
ハンジ「それも、布で隠した荷物を二人とも持ってきていたそうだ」
ハンジ「そして、彼ら二人が来た日というのが、調べてみると決まって『芽型打カラ』と『華部多クル』『蝶出カイ』の三人でのオフコラボがある日でね」
ハンジ「しかも、その二人以外はアニの部屋を訪ねた人間は見ていないという」
ハンジ「となるとだ……。そういう事だよ。私の言いたい事はわかるだろう?」
エレン「わかりません! あの二人が『華部多クル』と『蝶出カイ』の正体だなんて、そんなはずがありません!!」
10:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:22:07.26:AjqxA9jmo (1/1)
ハンジ「まあ、確かに。彼ら二人の正体がただのスタッフで、本物二人は隠れてアニの部屋に忍び込んだという可能性はあるよ。それは否定出来ない」
ハンジ「ただ、怪しいのは確かだろう。だからこうして皆に聞いているんだ」
ハンジ「アルミンやミカサやサシャはどう思う? 二人の正体がライナーとベルトルトかもしれないと聞いて、何か過去に思い当たる点とかはないかい?」
サシャ「そう言われても……」
ミカサ「……私は、何も」
アルミン「僕も……ありません。大体、ライナーはかなりの機械音痴で、前にみんなでパソコン用品を買いに行った時も、ライナーだけ店に入らず、何も買っていませんでした」
アルミン「だから、ライナーが美少女Vチューバーだなんて考えられ」ハッ‼
ハンジ「どうしたんだい、アルミン? 何か思い出した?」
《じゃあ、ボイスチェンジャーはどこにあるってんだ!》
アルミン「まさか……!」
11:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:23:56.52:VSgfdSieo (1/1)
アルミン「……あの時、コニーが面白そうだからとボイスチェンジャーを探していました」
アルミン「それで、その話を聞いたライナーが俺も手伝ってやると言って、僕にボイスチェンジャーがどこの店にあるのかを聞いてきました……」
アルミン「僕がその店の場所を教えると、ライナーはわざわざメモをして、マルコの方に急いで走っていきました……」
アルミン「だけど、途中でアニとぶつかって……。その拍子にアニの胸に手が当たったとかで、ライナーはアニに投げ飛ばされていました」
アルミン「ですが、ライナーを投げ飛ばした後、アニは急に方向を変えて走っていったんです」
アルミン「もしかしたら、その時、誰にも気付かれずにアニのポケットにメモをこっそり入れて、自分の代わりに買ってきて欲しいと伝える事が出来たかもしれない」
アルミン「……ライナーなら」
12:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:25:01.62:WWyTQw8po (1/1)
エレン「……おい、嘘だろ、アルミン」
アルミン「…………」
エレン「それじゃ、『華部多クル』と『蝶出カイ』の正体が、あのライナーとベルトルトだって言うのか。そんな事、あるはずが……!」
アルミン「あくまで、そうかもしれないっていう可能性の話だよ。そうと決まった訳じゃない……。僕だって、そんなの嘘であって欲しいと思ってる……」
エレン「いや、嘘であって欲しいっていうか、嘘だろ! 俺、『華部多クル』のファンなんだぞ。寝る前、毎日あの子のASMR聞いて寝てるんだからな。それなのに、その正体があのライナーやベルトルトかもしれないだなんて……!」
ミカサ「待ってエレン。どういう事。そんな話、私は聞いてない」
サシャ「私も『蝶出カイ』の料理配信が大好きなんですけど、それがあの二人かもとか……。ええと……ちょっとそれは……」
ハンジ「静かに!」
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:26:46.84:lLOKrSI/o (1/6)
ハンジ「とにかく、今は議論は後だ。まずはあの二人を尋問するところから始めよう」
ハンジ「ここにいる全員に言っておく。二人を尋問室まで気付かれず誘導する為に、我々が疑いを抱いているという素振りは一切見せるな」
ハンジ「仮に否定したとしても、尋問室にいる間は配信は一切出来ない。つまり、その期間中、『華部多クル』と『蝶出カイ』の二人が配信を行えば、彼らはシロだ。疑いが晴れる」
ハンジ「だが、その期間中、一度も配信がなければ……彼らはクロだと言わざるを得ない」
ハンジ「その時は、素顔や素性などを公開し、過去の恥ずかしい黒歴史なども含めて一切合切全て拡散して、ネット処刑を行う」
ハンジ「奴等は人類の敵だ! 私達を欺き騙しておきながら平然としている極悪非道な人間達だ! 決して許してはいけない! また、許して良いものでもない!」
ハンジ「いいね! 何か異論は?」
シーン……
ハンジ「よし。それじゃ、行くよ!」
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/01/28(日) 16:28:30.23:lLOKrSI/o (2/6)
【現在】
エレン「お前さ、疲れてるんだよ」ポンッ
ライナー「…………」
エレン「なあ、ベルトルト。そうだろ?」
ベルトルト「あ、ああ。ライナーは疲れているんだ」
エレン「大体なあ、お前が『華部多クル』の正体だって言うんなら、何でそんな相談を俺にしなくちゃなんねえんだ」
エレン「俺が『華部多クル』の大ファンだってお前知ってるよな。スパチャも何度か送ったし、ライブ配信はほぼ全部リアタイしてる。初期の頃からのファンなんだぞ」
エレン「顔も可愛いけど、声と性格が特に可愛いってお前やベルトルトにも話したよな。結婚するなら、こんな子がいいって」
エレン「3D配信のライブなんか最高だったんだぞ。二人ともキラキラ輝いていて、あれで完璧なガチ恋勢になっちまったんだぞ、俺は」
エレン「親父の話もしただろうが。推しのVチューバーがバ美肉おじさんだったと発覚して、それからはショックでろくに仕事もせず、母さんからも見放されて離婚した。だから俺はバ美肉おじさんをこの世から駆逐してやるんだって言ったよな」
エレン「そんな俺が、その話を聞いて、わかった俺もお前達みたいに美少女Vチューバーになるって言う訳がねえだろっ!!」
ライナー「…………!!!」
ベルトルト「…………」