トップページに戻る

【ウマ娘怪文書】「カワイイユニバース?」「そう。そこはカワイイが支配する特殊な空間。そこに私とトップロードさんは修行に出たの」


1: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:57:11

「カワイイユニバース?」
「そう。そこはカワイイが支配する特殊な空間。そこに私とトップロードさんは修行に出たの」
「あー……うん。それで?」
「そうしたらカレン、途中でトップロードさんとはぐれちゃって……それでこの世界に戻ったら、トップロードさんがそうなっていたの」
後ろから抱きつきその豊満な肉体を恥じらいもなく押し付けてくるトップロードをなだめながら、カレンチャンからの説明を受ける。
「きっとカワイイユニバースで過剰な小悪魔ゴコロを浴びちゃったんだと思う。だけど安心して。きっと明日には元のトップロードさんに戻るから」
「色々と突っ込みたいんだけど……まぁいいや。説明してくれてありがとね。あとは本人に聞くから」
カレンチャンがトレーナー室から出ると、トップロードはすぐさまこちらの膝に向き合うよう座り込む。トップロードは身長が高いため、こちらが彼女の胸に顔を埋める体勢になった。






2: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:57:29

「トレーナーさん……さっきまで私以外の女の子見てましたよね?」
「そりゃ話をしてたからね。それで聞きたいことがいっぱいあるんだけど……」
「ハグしながらじゃないと答えませんよ!」
「まずその……どうしてこんなことを?」
「トレーナーさんのことが好きだからです!トレーナーさんは攻め攻め系の小悪魔が好きだと聞いたので!」
「どこでそんなデタラメを……っていうか小悪魔か? これ」
むしろその様子は犬じゃないかという言葉をぐっとこらえ、彼女の抱擁を受ける。しきりに動く尻尾と耳を見るに、彼女がこの状況を楽しんでるのは確かなようだ。
「今、トレーナーさんは困っています。そして、私はトレーナーさんをからかってとっても楽しいです!今、私はすごく……すごく小悪魔です!」
凛々しい笑顔での宣言。非常に可愛らしいが決して小悪魔とは言えないと思う。しかし、本来の彼女なら照れることなくこんなことを行うのは不可能だろうから、彼女がカワイイユニバースとやらの影響でこうなっているのは確かなようだった。まぁ、この学園で起こる現象にしてはまだ被害が少ないほうだろう。




3: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:57:53

「そもそもトップロードはなんで修行に行こうなんて思ったんだ?」
「それは……カレンちゃんのようになれば、トレーナーさんがもっと私のことを好きになってくれると思って……」
「そうか……」
そう言われてしまうと返答に困ってしまう。こちらも彼女に好意は抱いているのだから。
「気持ちは嬉しいけどな。ただ人の目ってものがあるだろう。あんまり学園内でこういうことは……」
「重賞で勝ったらいつもハグしてるじゃないですか! これくらいは許してくださいよ!」
「いや、あれはほら。感情の高ぶりとかがあったし」
「なら私は今も高ぶってます! トレーナーさんのこと、すごく好きです!」
ピコピコと動く両耳は彼女が心の底から満足していることを示している。まるで大型犬である。
ウマ娘である彼女を力で引き剥がすことは不可能。説得もできそうにない。幸いなのは、一晩すればもとに戻るらしいことである。不確かではあるが、今はカレンチャンの言葉を信じる他無いだろう。





4: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:58:23

「さぁ、練習に行きましょうトレーナーさん!」
「え? この状態で?」
「……ちょっぴり恥ずかしいので、手を繋ぎながらで行きましょう!」
あぁ。やっぱりトップロードは小悪魔になってもトップロードなんだな。そう思った。
グラウンドに出ると聞こえる歓声。トップロードのクラスメイトが輝いた目で俺たちを見ていた。
「委員長……!ついに……」
「おめでとー! お似合いだよー!」
「みなさん……応援、ありがとうございます!」
右手をぎゅっと繋いだまま深く頭を下げる彼女を見て、明日を憂う。これ、もとに戻ったあとが心配だなぁ……
名残惜しそうにシャツの袖を握って抵抗するトプロをなんとか説得して練習に挑む。特異なコンディションであることは確かだが、走れないわけではない。俺は走るナリタトップロードが好きなのだ、と伝えると彼女は練習を始めた。
「いいぞ! 自己ベスト更新だ!」
「ありがとうございます! もう一周、行ってきますね!」




6: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:58:50

こうして走る姿を見ていると、いつもと変わらないように見える。それどころかむしろタイムは普段よりも良い記録を示していた。まさか、カワイイユニバースとやらの影響だろうか。
走り込みを終えると、彼女が物欲しげな様子で頭を下げ、こちらを上目遣いで見つめていた。
「トレーナーさん! お願いします!」
「お願いって……その……撫でればいいのか?」
「はい! 思いっきりどうぞ!」
恐る恐る彼女の頭に手を置くと、彼女は満足げに顔をほころばせる。ウマ耳がまるでさらなる刺激を催促するようにペチペチと手に当たる。ゆっくりと彼女の頭を撫でると漏れるトップロードの吐息。再びグラウンドに響く彼女のクラスメイトたちの黄色い悲鳴。改めて彼女の人望の高さに驚かされる。今回ばかりはそれが裏目に出ているように思えるが。
「んふふ……次のメニュー、頑張ってきます!」
その後もいつも通りの練習メニューを、合間にスキンシップを挟みながら行っていく。何故か記録は普段のものよりも良かった。




7: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:59:17

「どうしたものか……」
トップロードが練習を終え、シャワーと着替えを済ませている間にトレーナー室で記録を眺めながら考える。もし彼女とのスキンシップが彼女のコンディション向上に寄与しているのだとしたら……
俺の心は揺れていた。きっとトレーナーとしてはよろしくない。しかし、お互いに嫌ではなくむしろ……
考え込んでいると、突然耳元に吐息が当たる。制服に着替えたトップロードが音を立てずに背後まで忍び寄っていたのだ。
「ふふっ……びっくりしましたか?」
「今日一番小悪魔っぽかったぞ」
「当然です。今日の私は小悪魔ですから」
爽やかな笑顔とサムズアップ。やはり彼女に小悪魔は似合わないなと思う。
彼女にまとわりつかれながら作業をしていればあっという間に夜である。トレーナーは退勤、ウマ娘は門限の時間である。
「トレーナーさん……私、帰りたくないです」
「そんな事言わないで。君はみんなの委員長なんだから」
「でも! 私、トレーナーさんと一緒に居たいです……」
「わかった。じゃあこうしよう。明日朝練を終えたらまたここにおいで。俺も早めに来るから」
「本当ですか? 約束ですよ?」
「あぁ。約束するよ」




8: 名無しさん(仮) 2023/09/18(月)17:59:31

もちろん、明日には彼女が戻っていることを想定した上だ。しかし、彼女と会うことを楽しみにしている自分もいた。
「そうと決まれば、急いで帰りましょう!」
彼女は嬉しそうに跳ねるようなステップで帰り道を歩いていく。ナリタトップロードは純粋なウマ娘だと、気付かされた一日となった。

後日、早朝のトレーナー室。トレーナー室に入ってきたのは昨日とまるで違う様子の彼女だった。
「あの……トレーナーさん。昨日は……昨日はすみませんでした!」
顔を赤くして、いつもより小さい声で彼女は頭を下げた。
「カレンちゃんと一緒に修行してたら、なんだかこう……すごく攻め攻めな気分になってしまって!」
「事情はわかってるよ。そんなに謝ること無いさ」
「それで、その……私はもう元通りなんですけど。昨日みたいに頭……撫でてくれませんか?」
「構わないよ」
おずおずと差し出された頭を撫でると、彼女は昨日と変わらぬ満足げな笑顔で応える。
この日から、トップロードからのスキンシップが少し増えた。




[6]次のページ

[4]前のページ

[5]5ページ進む

[1]検索結果に戻る

通報・削除依頼 | 出典:http://2ch.sc


検索ワード

ウマ娘 | 怪文書 | ウマ | ワイ | | カワイイユニバース | カワイイ | 支配 | 特殊 | 空間 | トップ | ロード | 修行 |