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【ウマ娘怪文書】生徒たちが山にチョコを置いてゆく様は、できるだけ高く積んでいく遊びのようで少しだけ笑ってしまったが、下手をすれば転んでしまいそうなほど手いっぱい抱えたシービーを見ているとそう悠長なことも言っていられない


8: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:35:08

ああ、またやられた。気後れするように下げた指の些細な動きも、彼女は目敏く見逃してくれない。
「ふふ、だーめ。
ちゃんとあーんしてくれなきゃ食べてあげない」
観念して彼女の口の前にチョコを差し出すと、彼女はさっきよりもずっと美味しいとでも言うように、ぺろりと一口でそれを飲み込んだ。少し硬いチョコと対を成すように、一瞬だけ触れた彼女の唇の柔らかさはやたらに印象に残り続けた。
「あ、もったいない」
少し残っていた粉を舐め取るように、彼女の舌が指先を掠める。
「やっぱり、甘いね」
知らない、けれど心地よい感触を続け様に伝えられて、指先から感覚が融けて無くなってしまうのではないか、と思った。




9: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:35:35

「もう腹いっぱいか?」
「うん。一年分チョコ食べた」
今日は一日中、彼女に振り回されっ放しだった。もうすっかりセーフティリードを取られてしまって、今更追い込んでも取り返しはつくまいが。
それでも、渡すべきものはしっかり渡しておかないと。
「一応、用意してみたんだけど。
慣れないことはするもんじゃないな。こんなに貰ってるとは思わなくて」

チョコには食傷気味になっている彼女に嫌な顔をされても文句は言えないと思ったが、やはり彼女は自分などの想像は軽く越えていく人間なのだろう。
彼女は初めに、少し驚いたような顔をした。けれどすぐに、またいつものような微笑みを浮かべて、こちらに振り向いた。
「食べたい」
「大丈夫か?」
「じゃあ、また半分にしよ」




10: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:36:01

一度味見をしているはずなのに、彼女と食べると不思議と新鮮な味わいに思える。
彼女の為せる不思議のひとつなのだろうが、なぜなのだろうと考えを巡らすような無粋な真似は止めた。

「はんぶんこできたらいいな。
思い出も、きみと一緒にさ」

彼女とともに過ごす時間を味わうのに、夢中になっていたかった。
口の中で融けてゆくチョコレートのように、甘くて幸せなひとときを。





11: s 2023/02/19(日)01:37:19

俺は贅沢野郎
最高に顔がいいおもしれー女と甘くて苦い思い出を分け合いたい




12: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:39:19

シービーとはちょっと歯の浮くような会話がちょうどいい




13: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:42:04

もらい慣れてるけどあげるのはそんなに経験ないんだよね
ちょっとだけ形の崩れたチョコを少し恥ずかしそうに渡してきてほしい




14: 名無しさん(仮) 2023/02/19(日)01:43:46

あげたやつ目の前で食べておいしいって言ってもらえるだけで幸せになれそう




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