【後編】小学校の頃、好きな女の子がいた。とても勝気な性格で負けず嫌い。この子に格好いい姿を見せようとサボり気味だった野球クラブの練習を本気で頑張った結果…
162: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 04:51:41.52 ID:zEEsm5BO0
いつもの様にプレゼントを渡した
「メリークリスマスとお誕生日おめでとう」
最初はありがとうと微笑んでくれたがその目には涙が浮かんでいた。
俺には彼女が泣いている理由が分からなかった。
163: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 04:58:39.52 ID:zEEsm5BO0
「もう、私に合わせないでもいいよ?あなたはあなたの好きなように人生を歩んで欲しい」
彼女は俺にそう告げた。
「私はもう歩く事は出来ないし、あなたの人生で荷物になる。
あなたは私に縛られないで自由に生きるべきなの。」
サキは泣きながら思いを打ち明けた。
自分は普通の人とは違う。
これから先、一緒に人生を歩むには負担が大きすぎる。
今まで私のわがままみたいなもので一緒に居たけど、これからのあなたの人生は自由にして欲しい。
ということをいわれた。
164: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 05:00:23.07 ID:zEEsm5BO0
そして、最後にぽつりと
「さようなら。」
俺は頭の中が真っ白になり気がついたときは実家のベッドの上で泣いていた。
166: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 05:04:30.49 ID:zEEsm5BO0
激しく後悔した。
何で彼女の苦しみを理解できなかったのか。
何で彼女がその事を気に病んでると見抜けなかったのか。
どうしてあの時何も言えなかったのか!
俺には、本当に人を支えるということが解っていなかったのかもしれない。
子供の発想をそのまま引きずって今まで来た事が彼女を苦しめていたのかもしれない。
俺はまた自分が嫌いになった
168: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 05:12:08.29 ID:zEEsm5BO0
「これから先でどうしないといけんか、どうしたいかだけ考えなさい」
ばあちゃんにいわれた事がふと思い出された。
そうだ。これから自分はどうしたいんだ?
結論はすぐに出た。
俺はサキとずっと一緒に居たい。それでいい。あとは知らない。
中学の頃と全く進歩していないが、それでも今回は違う。
169: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 05:17:00.20 ID:zEEsm5BO0
さて、そう決めた自分に思いがけない来訪者が現れた。
サキの妹だ。
「お姉ちゃん、これ聞いてずっと泣いてた。。昨日は部屋から出てこなかったから心配で・・・」
渡されたのは
GacktのLastsong
だった。
この曲を聴いて自分の心情と重ねてしまったのだろうか。
でも、おかげで彼女の心に近づいた気がした。
170: usH3wxSS0 ◆veX80jB2Qs 2009/12/11(金) 05:19:48.73 ID:zEEsm5BO0
妹さんに手紙を渡した。
サキに届けてくれと。
内容ははっきり言って覚えていない。
必死に
ただ、待っていてくれと伝えた気がする。
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