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【ウマ娘怪文書】「トレーナー!さっき買った帽子、出してみてもらって良いですか?」 マチカネタンホイザは店から出るなり、彼女のトレーナーに向き直ってそう言った。


8: 8/11 2024/08/10(土)16:41:06

「う、嬉しい……けど恥ずかしい……!」
屈託のない笑顔を浮かべるトレーナーに、顔を赤くしてジタバタするタンホイザ。そんな2人の後ろから、聞き慣れた声がかけられる。
「おはよータンホイザ。……と、トレーナーさん。今日も早いねぇ」
「ああ、おはようネイチャ。まだ先輩は……」
「ねっ、ネネネネネネネイチャ!!??」
尻尾をピンと逆立て、顔の前で手をわたわたと振りながら、タンホイザは素っ頓狂な声を上げた。
「……な、縄張りの主張なんてしてないからね!!?」
「ど、どしたどした?いきなり何の話?」
「大丈夫かタンホイザ?」
心配そうにタンホイザの顔を覗き込むトレーナーを見て、ネイチャはふと彼の頭に注目した。






9: 名無しさん(仮) 2024/08/10(土)16:41:54

「あれ?トレーナーさん、今日帽子被ってるんだ。珍しいね」
「ひ!」
「ああ、タンホイザが選んでくれたんだ」
「へー、結構センス良いじゃん。……そのバッジもタンホイザ?」
「ぎくぅ!」
「そうなんだ。タンホイザが買ってくれたんだよ」
「へぇ……そっか。そうなんだ」
「よよよ……」
身悶えするタンホイザをよそに、ナイスネイチャは何かを考え込むような様子でしばらく帽子を見つめていた。




10: 10/11 2024/08/10(土)16:42:49

数日後。学園の構内で、タンホイザのトレーナーはナイスネイチャのトレーナーとばったり出会った。
「あ、先輩。お疲れ様です」
「ん、おつかれ。今日も帽子似合ってるね」
「はは、ありがとうございます。……あれ?先輩ネクタイ変えました?」
「ふふ、気付いてくれた?これネイチャからのプレゼントなんだ」
嬉しそうに胸を張るトレーナーの首元には、赤と緑のストライプ柄のリボンタイが着けられている。その隅には、小さなN.Nの刺繍。
「ネイチャの勝負服とお揃いなんですね」
「わざわざ似てる柄のを探して、刺繍のオプションまで着けてくれてね。手間かかってるでしょ?こういう所が可愛いんだよね〜」
「ふふ、そうですね」





11: 11/11 2024/08/10(土)16:43:23

「……それにしても、君の帽子もそうだけど。こういう担当ウマ娘からのプレゼントってさ……」
「はい」
「……良いよね」
「……良いですね」
贈り主の苦悩や思惑など露とも知らず、2人のトレーナーはしみじみと頷きあうのだった。

それからというもの、トレセン学園では自分の物ではないイニシャルを身に着けたトレーナーが散見されるようになったという。






12: 名無しさん(仮) 2024/08/10(土)16:49:58

配当はどうしたー!




13: 名無しさん(仮) 2024/08/10(土)16:50:48

縄張り…




14: 名無しさん(仮) 2024/08/10(土)16:54:00

マーキング・・・




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