監督「しずくさんー!次の死体B役お願いしますね」しずく「は、はい!」 (36)(完)
29:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:53:26.88:Yqju1EfpO (29/33)
絵里「しかも開きっぱなしだ!だれか侵入しているんじゃないか!?」
しずく「ひっ!!!」
見つかったわけでもないのに自然と情けない声が漏れ出す。
そして反射的にロッカーのドアを押し除けて出てしまった。
ドアを開ける音を聞いていた信者達がこちらに近づいてくる。
逃げなきゃ!!!
ことりの母「いたぞ!!」
信者の1人にあっさり見つかってしまう。
私は脇目もふらずひたすら走る。
30:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:55:25.51:Yqju1EfpO (30/33)
しずく「窓だ!!」
ことりの母「捕まえたぞ!!」
目の前に窓があるのに肩を掴まれてしまう私。
ここで捕まれば先ほどの遺体のように殺されるかもしれない……。
私は以前演劇で学んだ護身術を反射的に繰り出した。
しずく「りゃあああああ!!!!!」
掴まれた手を逆に掴み、背負い投げで信者を窓ガラスにぶん投げた。
バリィィィィィィィィン!!!!!!!
派手にガラスが割れて信者が外に投げ飛ばされた。
私も割れた窓から外に飛び出た。
31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:58:14.36:Yqju1EfpO (31/33)
しずく「このまま走って逃げる!」
ガシッ
ことりの母「逃さんぞ!!」
信者はしつこく私の足首を掴んで足止めしてくる。
しずく「離してください!!!」
私は全体重をかけて信者の喉仏を踏み抜いた。
べギィ!と嫌な音が響き信者が苦しそうに暴れている。
しずく「あ……」
ことりの母「ひゅー……ひゅ………」
息ができないのか喉元を押さえて必死に酸素を求めていた。
このままでは窒息で死んでしまうかもしれない。
しずく「………」
32:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 03:00:17.04:Yqju1EfpO (32/33)
このまま逃げることもできる。
だが私は自分でも気付かないうちに割れたガラス片を手に取っていた。
しずく「早く逃げないと………」
ことりの母「ひゅー……ひゅー………」
何をしているの私?
こんなにガラスを強く握りしめて……手から血が出ているじゃない。
ザッザッ………
ことりの母「が……ひっ…………」
信者は近づく私から距離を取ろうと這いずって逃げようとする。
だが私は信者の顔面を踏みつけ、固定した。
ことりの母「あ、ぐ…………」
しずく「………」
そしてそのまま躊躇いなく信者の喉にガラスを突き刺す。
ブニュ、と肉が簡単に避けて傷口から噴水のように血が舞った。
33:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 03:02:31.96:Yqju1EfpO (33/33)
ことりの母「ぶ、ぎゅ………あ……………」
信者はしばらく呻いた後動かなくなった。
しずく「あ………」
我に帰った私はとんでもない事をしてしまったという思いにかられた。
けどこれは後悔……ではない。
なんだろうこの感情は。
私は顔を上げて窓ガラスに映る自分の姿を見た。
そこには人を殺したとは思えないほど晴れやかな私の笑顔があった。
しずく「笑ってる……」
しずく「私……笑ってたんだ………」
凛「逃がすにゃ!!殺せぇ!!」
にこ「うおォォォォォォ!!!!!殺せ殺せ殺せェェェェ!!!!」
34:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 04:02:10.79:CCOBv5LrO (1/3)
今日はオーディション当日。
題目は「我が殺人」
主人公が恨みを持つ相手をただ殺すだけでなく死体を芸術品のように加工して街中に放置するという先品だ。
しずく「この作品で私は大きく羽ばたいていきます!」
(オーディション会場)
しずく「さぁて……張り切っていきますよ!!」
部長「元気だねしずく」
しずく「部長……」
部長「前会った時と比べて随分明るくなったね。ま、とはいえしずくにオーディションの役を譲る気はないよ」
しずく「えぇ……」
しずく「(当然です。この前の言葉を撤回させてやるんですから…)」
35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 04:04:06.09:CCOBv5LrO (2/3)
(会場内)
監督「では桜坂さん開始!!」
しずく「あなたの魂はとても穢れていますッッッ!!!だから私が浄化して差し上げましょう!!!」
監督「ほう………」
ザワザワ……
スタッフ「あの子すごい気迫ね……」
スタッフ「○○さん(部長の本名)で決まりだと思ってたけど桜坂さんもいいじゃん」
部長「す、すごいな……まるで本物の……」
しずく「(たくさん練習しましたから)ウフフ」
監督「ヒエッ(何だ今の顔は……)」
あの日、「東條教会」は壊滅した。
いや、壊滅させられた、と言うべきか。
一人の猟奇殺人犯の手によって。
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