監督「しずくさんー!次の死体B役お願いしますね」しずく「は、はい!」 (36)(完)
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:37:31.97:Yqju1EfpO (22/33)
しずく「」
監督「今日はいいじゃねぇか死体B役!!本物の死体かと思ったぜ!ひゃひゃひゃひゃ!」
しずく「ありがとうございます!!」
監督「死体が喋んな!!」
しずく「す、すみません」
(帰り道)
しずく「ふふ……今日は褒められましたね」
良い気分で帰路に着くも、帰りもセミナー会場を通らねばならないため嫌でも思考がそちらに傾く。
しずく「………」
会場には「東條教会」と書かれている。
しずく「一見普通のセミナー会場ですが実際はきちがい宗教施設なんですね」
こういった施設は「いかにも」な作りになっている所も多いが都会に自然と溶け込む東條教会はかえってタチが悪いな、と思った。
ギィ…ギィ………
しずく「あれ………」
23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:39:22.06:Yqju1EfpO (23/33)
風に揺られて東條教会の裏手に続くドアがギィギィと鳴っていた。
誰かドアを閉め忘れたのだろうか。
しずく「………」
魔が差した、と言わざるを得ない。
私は考えるより先に足が動いた。
空いているドアを通り、建物に無断で侵入してしまった。
子供ならイタズラで済むが大人の私は不法侵入罪、犯罪だ。バレたら全てを失う。
しかし相手も法を犯している団体だ。
私は躊躇わない事にした。
しずく「何かかすみさんの洗脳を解くきっかけがあるかも……」
24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:41:09.65:Yqju1EfpO (24/33)
1階は全ての部屋の電気が切れており人の気配を感じなかった。
しずく「流石にドアは戸締りされているか……」
敷地内を歩き回るが空いているドアは無い。
もう帰ろうかという時、それは起こった。
花陽「ギャアアアアアアアアア………!!!!」
しずく「っ!?」
かろうじてだが、確実に聞こえた人の「悲鳴」
建物内からだ。
25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:43:27.46:Yqju1EfpO (25/33)
しずく「はぁ……はぁ…………!」
まともな叫び声では無い。
中で拷問まがいの事が行われていることを感じさせる声だった。
私は恐怖で足を震わせながら窓を見た。
しずく「これを破れば………」
私は近くにあった石を掴んで窓にぶん投げた!!
バリィン!!と拳ほどの大きさの穴ができたため、手を突っ込みクレセント錠をこじ開け部屋内に侵入した。
そこは事務室のようだった。
私は帰りたい気持ちをなんとか胸の奥に押し込み、真実を明るみにする事にした。
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:45:54.52:Yqju1EfpO (26/33)
1階に人の気配はない。
だが異様な……お経のような声がかすかに響いていた。
しずく「下から……地下からだ」
私は階段を探す。
かすみさんと行ったセミナー会場に近づくほど声は鮮明に聞こえてきた。
だが地下への道が分からない。
しずく「どこだ……どこだ……」
壇上に立ち周りを見渡す私。
そこで一部の床の色だけ変色している事に気づいた。
よく見たら取手も付いている。
しずく「よいしょ……!!」
取手を引っ張ると床が開き、地下への階段が出てきた。
ちょうど人が1人通れるサイズだ。
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:48:16.56:Yqju1EfpO (27/33)
階段を降りるか逡巡していると地下から声が聞こえてきた。
段々声は近づいてくる。
しずく「やばい……どこかに隠れないと!」
私は掃除ロッカーの中に隠れて階段を観察する。
私が隠れて数秒後に地下から何人も信者達が出てきた。
そこまでは想像していた。
しかし彼らが持っていた「モノ」に私は息を呑んだ。
28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/10/02(水) 02:50:36.40:Yqju1EfpO (28/33)
凛「この遺体はどうします?」
ことりの母「浄化しなければならないから処理場に運ぶぞ」
しずく「嘘でしょ……」
花陽「」
担架に人の遺体を乗せて運んでいたのだ。
その遺体は全裸で体中火傷後が酷かった。
目の前の光景が現実なのか分からず気を失いそうになった。
これからどうしよう……。
私は心臓がバクバク飛び出そうなほど振動させながら必死に考える。
ただでさえ限界なのにさらに信者は追い討ちをかけてきた。
にこ「おい!この窓破られているぞ!」
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