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【ウマ娘怪文書】ある日秋川理事長によって、急遽「トレーナー体験制度」なるものが発された。専属トレーナーによるコーチングを受けられないダイヤの原石たるウマ娘がもし存在したら、それは非常にもったいないのではないか?と理事長・たづな両氏が懸念した為に発足された新しいウマ娘育成体系の一種である


8: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:22:47

その日の放課後、トレーニングも無いのでまっすぐ寄り道して帰宅しようとするヒシミラクルを、彼女のトレーナーが呼び止めた。
「ミラ子、ちょっと…」
「トレーナーさん?」

なんでも、見て欲しい物があるらしい。断る理由も無く無駄に時間はあるので、言われるがままに彼女はトレーナーに着いて行くことにした。

広いトレセン学園の中をしばらく歩くと、トレーナーの方から声がかかった。
「はい、これ」
「え?」

飾り気の無い、白く小さな箱がトレーナーから渡される。手のひらに乗るほどのサイズだ。

「なんですかこれ」

「開けてみて」




9: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:23:49

中には小さいお好み焼き──ではなく、お好み焼きの形をした髪飾りが入っていた。それは以前にヒシミラクルが欲しがっていたが手に入らずに諦めていた一品だ。

「これ…覚えててくれたんですね。もう諦めてたのに…」
「知り合いに服飾関係の仕事をやってる人がいてな…」
「嬉しいです!でも…」

何故今日なんだろう?という視線を投げかけると、察したように、恥ずかしげに答え始めた。
「引退してからミラ子にあんまり会えてなくて、寂しくてさ。今日は君の初勝利から2年目の記念日だからちょうどいいかなと思って」

付き合いたてのカップルか!と、朗らかなウマ娘がその場にいたらそう突っ込んでいたかもしれないな、とヒシミラクルは思う。なんだかこちらも恥ずかしくなってきた。けれど────

(こういう素直で、ストレートで裏表のないところが素敵なんだよなー)

菊花賞の出走書類は勝手に出すけど…と自らのモノローグに付け足した。




10: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:24:25

 「って、これを渡すのになんでこんな場所まで?というかここどこですか…?こんな場所学園にあったんですね…」

キョロキョロと辺りを見回すが暗くてよく見えない。塩素のような匂いがする。

「実はプレゼントはもう一つあるんだ」
そう言ってトレーナーが明かりを付けると、ヒシミラクルの目に大きなプールが飛び込んできた。
普段授業やトレーニングで使っている場所とは違う。誰も泳いでいない、貸切状態の地獄の釜だ。

「その髪飾り、防水加工してあるから髪を後ろで束ねるのに便利だと思うよ」

トレーナーの手には事前に用意したであろうヒシミラクルの水着が握られていた。

「鬼!悪魔!変態!水泳の先生!」

悲鳴と罵倒と笑い声が二人だけの空間に響いた。





11: 名無しさん(主) 2024/02/13(火)22:24:51

終わりです。ミラ子いいよね








12: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:26:13

>>10

>普段授業やトレーニングで使っている場所とは違う。誰も泳いでいない、貸切状態の地獄の釜だ。
ははは
地獄の釜はもっと煮えたぎってるさ




14: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:28:02

>>10

>トレーナーの手には事前に用意したであろうヒシミラクルの水着が握られていた。
一歩間違えれば変態の所業




15: 名無しさん(仮) 2024/02/13(火)22:36:30

>>14
数歩通り過ぎてない?




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