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【ウマ娘怪文書】「あ、トレーナーさん。また私のこと見てました? 駄目ですよーそーいうのセクハラって言うんですから」「馬鹿なこと言ってないで早くプール入れ!」 トレーナーさんは業務中は恐ろしく厳しい。真面目で融通がきかなくて、だけど私に期待してくれて……まぁ、トレーナーとしてはかなりデキる人だ。けど、そんなトレーナーさんにも隙はある。


1: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:26:33

「あ、トレーナーさん。また私のこと見てました? 駄目ですよーそーいうのセクハラって言うんですから」
「馬鹿なこと言ってないで早くプール入れ!」
ここ数日で気づいたことがある。トレーナーさんは業務中は恐ろしく厳しい。真面目で融通がきかなくて、だけど私に期待してくれて……まぁ、トレーナーとしてはかなりデキる人だ。けど、そんなトレーナーさんにも隙はある。
「トレーナーさーん……いい加減教えてくださいよー。トレーナーさんの恋愛経験」
「君には関係ないだろ。練習終わったんだから早く寮に戻って体を休めたほうがいいんじゃないか?」
「いーやーでーすー! トレーナーさんの華々しい女性けーけん聞きたいですー!」
顔を赤くしてパソコンに向き合うトレーナーさん。そう、この人。プライベートのこととなると一気に防御力が落ちるのだ。この状態では普段とは打って変わって私が攻める側である。
ウブもウブ。ちょっと恋バナを振るだけで顔を赤くする。面白いもんである。
「あーもう分かった! 一人だよ一人! 大学時代に!」
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2: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:26:52

「へ?」
「大学時代に一人だけ付き合ってた! これで満足か?」
「へ、へぇ……一人、彼女。え? 彼女いたんですか? ホントに?」
ひゅぅ。一瞬で肺の空気が抜けていく。不意打ちでぶつけられた情報に思わず脳が理解を拒む。
「彼女ってあれですよ? 手繋いだりデートしたりする女の人のことですよ?」
「そうだよ! 悪いか!?」
「悪いですよ! だってトレーナーさんが……トレーナーさんですよ!?」
言った直後にものすごく失礼なことを言ったことに気づき、ちょっと後悔。でもなんだろう。ものすごく寂しいような、この嫌な感じ。
「失礼だな。確かに今は別れたけど……」
「別れたんですね!? 今はフリーなんですよね!?」
「この仕事やってたらな。時間取れないし」
へぇ……じゃあ私が別れさせたみたいなもん?……それはそれで、モヤるような安心するような。
「どこまで! どこまでいってたんですか!? その人とは!」
「流石にこれ以上はなにも言わないぞ。ほら、帰った帰った!」




3: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:27:14

トレーナーさんに追い出されとぼとぼと寮へ帰る。その日はその後何をしても上の空で、ずっとトレーナーさんのことを考えていた。お相手はどんな人なのかな。私みたいにだらしない人をビシッと叱ったりしてたのかな。だとしたら、私にかけてくれてる言葉もその時のものだったりするのかな。なんでだろう。別にあの人の彼女でもないのに、こんなこと。
ベッドにダイブして、すがるように枕を抱いて、流れる涙に気づいた。いつの間にか鼻水も出てきてて、私はすすり泣いていた。そっか。好きなんだ。だから、悲しいんだ。苦しいんだ。あの人の隣りにいた女の人を想像するだけで、胸がじんじん痛むんだ。ずっと一緒にいて、いつの間にか始まりから終わりまで一緒にいるみたいに錯覚してた。でも、そんなワケ無いよね。
次の日、私の涙もすっかり乾いた頃。今日ばっかりはあの人の言葉無しに自分を奮い立たせなきゃ。トレーナー業は時間を取られる職業だ。私がトレーナーさんの時間をもらえるのも、きっと引退するまで。なら、その間に勝負を決めないと。いつもスパートをかけるのが遅い私だけど、今回ばかりは自分で仕掛けなきゃ。





4: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:27:43

「トレーナーさん! おはようございます!」
「なんだ。珍しく早起きだな。なにか用か?」
気合を込めてトレー室の扉を開けば、そこにはいつも通りのトレーナーさん。深く息を吸い込んで、覚悟を決める。
「トレーナーさん。私……ヒシミラクルは、トレーナーさんのせいで頑張ることを覚えてしまいました! アツアツのサウナに飛び込むような覚悟を決めることも!」
「う、うん……? それで?」
「なので! 全部はトレーナーさんのせいだということです! 今からすることも、全部!」
まるで最後の直線でのラストスパートみたいにトレーナーさんに駆け寄ると、思いっきり唇と唇を重ね合わせる。勢い余って前歯があたって鈍い音が頭に響くけど、それでも胸があったかくなるようにじんわりとした熱が唇に広がった。ファーストキスだった。
「好きです! じゃあ私授業があるので!」
私、逃げるのは得意じゃないんだけどなぁ。唖然としたトレーナーさんを置いてトレーナー室から疾走しながら、唇を指でそっと触る。まぁ、後は後の私がなんとかしてくれるでしょう。




5: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:27:59

ちょっとは成長できたんだ。あの人に背中を押してもらいたいとは思うけど、それはそれとしてこっちからも仕掛けられるようにならないと。
だから、覚悟を決めて頑張れ!私。




6: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:28:24

元カノの存在に動揺するミラ子の幻覚が見えたので書きました
かわいいぞヒシミラクル




7: 名無しさん(仮) 2023/09/09(土)00:29:56

お前ちょっと可愛すぎないか




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