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【ウマ娘怪文書】アストンマーチャンは所謂「マスコット活動」でも成功を収めている特殊なウマ娘だ。大好きな担当のために、もっと何かしてやれる事はないだろうかと考えていたヒシミラクルのトレーナーは、試しに同じことをしてみようと思った。


1: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:51:46

アストンマーチャンというウマ娘がいる。
主に短距離路線で活躍した彼女は、レース以外の部分───所謂「マスコット活動」でも成功を収めている特殊なウマ娘だ。

聞くところによると彼女のトレーナーがこれまた多芸で、アストンマーチャンの日常をエッセイ形式で4コマ漫画としてブログに載せ続けたところ、書籍化までこぎつけ大ヒットを博し、それがマーチャンの知名度・人気アップに大きく貢献したのだ。

大好きな担当のために、もっと何かしてやれる事はないだろうかと考えていたヒシミラクルのトレーナーは、試しに同じことをしてみようと思った。




2: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:52:24

「へぇ〜トレーナーさん、絵上手じゃないですか。意外だな〜」

「ミラ子の顔なら見慣れてるしね」

意外なのかどうかはわからないが、絵には少し自信があった。この調子なら数日後には数ページの短編漫画を完成させられそうだ。

「完成するの楽しみにしてますよ」

「えっ、本人チェックしてくれないの」

「何言ってるんですか、私は明日から友達と4泊5日の旅行だって言ってたじゃないですか」

すっかり忘れていた…折角の担当なのにヒシミラクル本人にチェックして貰えないのは惜しいが、彼女が帰ってきた時恥ずかしく無いものをお出しできるように努力を尽くそうと思った。




3: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:52:55

ヒシミラクルの漫画は思ったより早く完成した。アストンマーチャンの漫画のようなバズりはしなかったが、元からのヒシミラクルのファンの間では好評を博したので、成功と言っていいかもしれない。

その2日後の朝、ヒシミラクルからLANEで連絡があった。

『ちょっとトレーナーさん さっき見ましたけど
、なんですかあれ(^^)』

何のことかわからなかったが、出勤時間も迫っているので急いで身支度をし、一旦無視して後で直接話す事にした。





4: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:54:22

その日の放課後。
「ちょっとトレーナーさん!漫画!!!」

「はぁ」
ヒシミラクルが怒っていたのはやはり漫画の件らしい。自分と直接会ってないのに怒るという事はそれくらいしか心当たりが無いので薄々勘付いてはいたが。

「バズらなくてすまない。でもファンの間では好評だよ?」
「それはいいんです!これ!見てください!!」
ヒシミラクルが見せてきたスマホの画面は渦中の漫画の投稿記事だった。自分はこの漫画を投稿するためだけにわざわざウマッターのアカウントを作ったのだ。

「可愛くて描けてるでしょ」
「私こんなに太くありません!!!!!!(^^)」

「えっ」
予想外の抗議だった。




5: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:55:17

「そうかな…」

何年も一緒にトレーニングしてヒシミラクルの肉体を見続けて来たけど、こんなものだと思うけど…

「そうですよ!それにそのせいで…ほら、リプ欄見てください!」

『ヒシミラクルがまるまるしててかわいい』
『むちむちミラクル』
『ヒシミラクル まんまるだ…』

ウマッターの返信欄には、漫画に対する好意的な感想が数々寄せられていた。
「私の最大の特徴が丸くて太いみたいに思われてるじゃないですか!!?」

「うーん…いや…こんなもんだと思うよ…」
ここは譲れない。なんせ何年もヒシミラクルのトレーナーとして彼女のカラダを管理してきたんだ。自分の目には狂いは無い。ミラ子の腹には脂肪しか無い。




6: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:56:08

「往生際が悪いです!ちゃんと見てください、ほら」

ヒシミラクルが制服の裾を捲ってお腹を見せてきた。うん、太いな。

「うん、太いな。って顔しないでください。ええい!ままよ!」

今度はこっちの手を掴んで、無理やりお腹を揉ませて来た。安心する感触だ。

「うん、完璧だ。漫画の通りだね」

「ぐぬぬぬ…もう絶対揉ませてやらん…」

ヒシミラクルが歯を食いしばって睨んでくる。そんなに見つめられると照れてしまう。




7: 名無しさん(仮) 2023/07/11(火)22:56:59

「それにこのシーン!これもおかしいですよね!?」

次にヒシミラクルが見せてきたのは、漫画の中の彼女がプールでトレーニングをするシーンだ。
可愛らしいヒシミラクルは、プールサイドで満面の笑みで踊りながら、「わーい!私が泳ぐの大好き!トレーナーさん早くしよ(^^)」と言っている。なんて事のない日常の1ページだ。

「いやいやいやいやいや!!?嘘1000%じゃないですか!?There is Lie only…(嘘しかない…)ですよ!!!?」

「それは……ふふっ…ごめん…」

「何笑ってるんですか!?」

この日は楽しかったけれど、これのせいでヒシミラクルは水泳の授業で苦労をしたと聞いて少し反省した。




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