しずく「あああっ!!!!」 (35)(完)
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:44:17.68:6nTFlglEO (12/25)
歩夢「あとね、今日ミルクティーのパック持ってきたんだ」
かすみ「ミルクティー?」
歩夢「クッキーに合うかなって思って!だからみんなの分もわたしがいれてあげるね♪」
璃奈「…」
歩夢「えっと、わたしのマグカップがこれで、かすみちゃんと璃奈ちゃんのがこれで」カチャカチャ
歩夢「…あれ?侑ちゃんのマグカップは?」
侑「…」
しずく(っ…)
歩夢「もしかして今使ってる?」
侑「…あ、あのね歩夢!」
歩夢「どうしたの?」
23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:47:53.94:6nTFlglEO (13/25)
侑「…」ガサガサ
ガチャ
歩夢「…え」
侑「ごめん歩夢…マグカップ、割っちゃった…」
歩夢「……」
しずく(違う…割ったのはわたし…早く言わなきゃ…取り返しのつかないことに…)
しずく(なのに…足が震えて動かない…)プルプル
侑「わ、わざとじゃなかったんだよ!」
歩夢「…うん 侑ちゃんがわざとするようには思えないから…」
侑「本当にごめん」
歩夢「うん…」
侑「歩夢…」
侑(わかってくれたのかな…)
24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:49:35.45:6nTFlglEO (14/25)
歩夢「そっか…思い出、割れちゃったんだ…」
侑「あ、歩夢…?」
歩夢「それじゃあもう…このマグカップもいらないよね…」ギュ
侑「!」
かすみ「あ、歩夢先輩!」バッ
歩夢「…」スッ
かすみ「だめ…っ!!」ガシッ
歩夢「離して…!」
かすみ「こんなこと間違ってますよ!!」ググッ
歩夢「かすみちゃんに関係ないでしょ!?これはわたしと侑ちゃん2人の問題なの!!」
かすみ「あっ…そ、それはそうですけど……」
歩夢「離して」
かすみ「っ……」グスッ
25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:51:44.24:6nTFlglEO (15/25)
侑「ちょっと歩夢!そんな言い方はないじゃん!!」
歩夢「なに?!侑ちゃんはわたしを責めるの!?」
侑「責めるも何も、今のは絶対に歩夢が間違ってるよ!!」
歩夢「っ…」
侑「かすみちゃんに謝って」キッ
歩夢「……マグカップ割ったくせに」
侑「!」
歩夢「大事な…っ……わたしたちのマグカップを割ったくせ…!!!」
侑「それはちゃんと謝ったじゃん!!」
歩夢「謝って済ませられるほどわたしにとって軽い思い出じゃないの!!!」
侑「っ…」
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:54:00.92:6nTFlglEO (16/25)
歩夢「…ねえ、覚えてる?このマグカップを買った時のこと…」
侑「…」
歩夢「中学生になったら、2人で夜中までお勉強会とかするのかなって…」
歩夢「そしたら、温かい飲み物がほしくなるねって…それで…2人で買ったお揃いのマグカップ…」
侑「…そうだね」
しずく()ダラダラ
歩夢「テスト前に必死に勉強した思い出…受験勉強をお互い励ましあって突き抜けた思い出…」
歩夢「2人で部屋でお菓子を食べながら楽しくおしゃべりした思い出…」
歩夢「そんな思い出が、このマグカップにはたくさん詰まってるんだよ…?」グスッ
侑「歩夢…っ」
しずく()ダラダラダラダラ
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 02:59:36.98:6nTFlglEO (17/25)
歩夢「だからわたしは部室に持って行きたくなかったんだよ!」
侑「それは…」
歩夢「家で使ってて割っちゃいそうになったことあった!?なかったよね!?」
歩夢「なのに、1週間だよ!?部室に持ってきて1週間で侑ちゃんは割っちゃったんだよ!?」
しずく(違う…割ったのは…割ったのは……)
侑「だからわざとじゃないって…」
歩夢「わざとじゃなくても!!マグカップは割れちゃったんだよ!!!?」
侑「っ…」
歩夢「粉々になっちゃったんだよ……」
侑「……」
しずく()ズキズキ
28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/06/02(金) 03:01:25.02:6nTFlglEO (18/25)
侑「………わたしだって……わたしだって辛いよ…っ!!!」
歩夢「!」
侑「こんな形で歩夢との思い出に傷が付いちゃって…辛いよ……」グスッ
しずく(っ……)
侑「でも…もうマグカップは割れちゃったんだよ…どんなに辛くても…元には戻らないんだよ……っ」
歩夢「そんなことわかってるよ…!!」
侑「なら!…受け入れるしかないじゃん!!」
歩夢「…っ」
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