トップページに戻る

勇者「用件を聞こうか・・・」 隠者「神に因らざる”命”を消して下され・・・」 (47)(完)


22: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:51:04.21:Rt4TKwq30 (22/45)

大主教 「いえ、その結論はまだ早いかと。勇者の死体は確認されておりません」

大主教 「全てを投げ出すには早すぎます。どうか早まらないで下さいませ・・・」

教団長 「ううーっ 魔王すら倒し、魔法学校の陰謀をも打ち砕いた、超A流のスペシャリスト・勇者・・・」

教団長 「主神と天使の次に信用しても良いとまで隠者に言わせた人物、ならば信じよう・・・」

教団長 「それより他に道なし。ああ主神よ、勇者に加護を与えたまえとは申せませぬ。加担になりますが故に」

教団長 「背教者達、そして造られた命が長く苦しまぬよう、彼らに加護を与えたまえ」




23: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:51:37.73:Rt4TKwq30 (23/45)

―――分派の本拠地

大司教 「逃げた? お前がとどめを刺せなかったのか?」

ランサー 「申し訳ございません。さらには騒ぎを大きくするなと言われたのに、信徒に知られてしまいました」

ランサー 「この失態、いかなる懲罰もお受けする覚悟はできています」

大司教 「・・・まあそう自分を責めるな。知られたなら教団の仕業にすりゃあ良いんだ。どうせそうなんだ」

大司教 「教団長も、幹部どもも、俺の神業をごちゃごちゃいって決して評価しなかった」

大司教 「どころか記録も資料も全て焼き捨てろと言いやがったからな。ついに実力行使ってか」

大司教 「それにお前は偶然の産物とは言え私の最高傑作だ。そのお前が無理だったなら仕方ないさ」




24: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:52:11.81:Rt4TKwq30 (24/45)


秘書 (王国騎士団の中でも腕利きの槍使いが戦死したとき、その死体から血を盗ってきた)

秘書 (魔法協会の才女の髪は床屋を抱き込んで入手した)

秘書 (グリフォンのリンパ液やらヒドラの骨髄やらと一緒に甕に入れて発酵させ、呪文を唱え続けて9日)

秘書 (確かにこれ以上の「人間」はなかなか創れないだろうな)

秘書 (魔法も槍術も天下一品だよ。再現できていないのが残念だ。)

大司教 「そろそろ世界に公表とも思ったが、今のところ人造人間と言えるのはお前1人、時期尚早だな」

大司教 「公表さえしちまえば教団があれこれ言っても手遅れだ。内臓疾患のある富豪や権力者がどっちの味方をするのか今でもわかるぜ。」

大司教 「とりあえず信徒達から民兵志願者を募って警備体制を整えよう。それから騒ぎを静めろ」

大司教 「いくら勇者とは言えしばらくは来ないだろうぜ。その間に兵隊を増やすんだ。どうせ必要になる」

秘書 「はい」






25: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:52:53.48:Rt4TKwq30 (25/45)

―――広場

群衆 ざわざわ ざわざわ

秘書 「昨夜の騒ぎについて説明する! 教団本部が殺し屋を雇って大司教様を狙ったようだ!」

群衆 「ひえっ」 「なんてことだ」 「ご無事なのですか」 「くそっ 汚い手をつかいやがる」

秘書 「静まれ静まれ。大司教様は御無事で怪我1つない」

秘書 「主神様に等しいがための奇跡だ! 神と同格であるとの証明だ!」

群衆 「さ・・・ 流石は大司教様」「奇跡だ、奇跡だ」「神を傷つけるなどできっこないんだ」

秘書 「だが念のため、お前達から民兵志願者を募る。大司教様の盾となりたいならランサーの下で鍛錬してくれ」

秘書 「万事、ランサーの指導に従うこと!」

群衆 「おおーっ!」 「やってやりますよ」 「不届き者め、返り討ちだ!」




26: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:54:22.51:Rt4TKwq30 (26/45)

ランサー 「はは。頼もしいことだ」

ランサー (勇者・・・・ 正体不明の超A級ワンマンアーミー、主にロングソードを武器として負け知らず)

ランサー (武勇のみならず知略・医術・心理学、その他あらゆる分野に優れ、常に冷静沈着)

ランサー (使えぬ武器は無く、ショートキル、ロングキルのいずれにも優れると言うが・・・)

ランサー (人命創造の記録を確実に破棄するには、ロングキルだけでは心許ないだろう!)

ランサー (必ずショートキルをも用いる。そのときがチャンスだ、俺の槍術で勝敗を決してやる!)

群衆  「この命、大司教様に捧げるぞ!」 「大司教様のおかげで死など怖くない!」 「生き神様を守るんだ!」

ランサー 「まずは集団行動の訓練だが、その前にランニングで準備体操でもしようか」




27: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:54:57.74:Rt4TKwq30 (27/45)


PART 5  勇気と知恵と

―――勇者のアジト

勇者「うう・・・」

勇者 (ランサー・・・ 予想以上の判断力と戦闘技術だ・・・)

勇者 (また武器庫にも様々な武器があった。刀や槍だけではなく弓、ボウガン、ダイナマイトも多い)

勇者 (そしてあの信徒の数・・・ 紛れ込むには良いが、ひとたび敵になれば多勢に無勢)

勇者 (だが民兵の練度はそれほどではない。数は揃えてあるが、今のところランサーありきの部隊だ)

勇者 (ランサーの攻略方法だが・・・ 真正面から挑んでも五分五分だ。)

勇者 (一時的にでも無力化できるか・・・ ?)

勇者 (・・・・)




28: ◆IG18SUC7FQ:2023/03/15(水) 21:56:04.93:Rt4TKwq30 (28/45)

/////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

勇者 「・・・」 地図を描いている

勇者 (ここが広場、大司教は襲撃未遂にあったとはいえ、支持の源泉である秘儀を停止できない)

勇者 (必ず再開する。秘儀の行われる天幕がここ。患者を天幕に入れるため大司教自らが呼び寄せる)

勇者 「こちらの岩場が高台になっている。直線で結べそうだな。」

勇者 (だが大司教を葬ったところで、だれかに研究記録を持ち逃げされれば終わりだ)

勇者 (研究記録は自室にあるはず。部屋の扉はちょっとやそっとでは開きそうにない。ある程度の時間が必要だ)

勇者 (始末しておかないと必ずランサーの邪魔が入り、失敗するだろう。そもそもランサーの始末も依頼の内だ)

勇者 (ランサーの注意を俺からそらすには・・・?)

勇者 (民兵はある程度までランサーの指揮に従うが、その他の群衆は大司教に心酔するのみだ・・・)




[6]次のページ

[4]前のページ

[5]5ページ進む

[1]検索結果に戻る

この記事を評価して戻る



通報・削除依頼 | 出典:http://2ch.sc


検索ワード

勇者 | 用件 | 隠者 | | | ( | )( | |