浜田「松本さんは実は雛見沢出身だったと小耳に挟んだのですが」 (44)(完)
22:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:40:39.45:f57j9Rtf0 (22/44)
松本「こんなんが、ずっと続いてて」
浜田「お前しょっぱなからやられたい放題やないかw もっとはよイかなアカンやろそれ」
松本「だから優しいおじさまを演じたかったんですって……いつものように笑顔でいたかったんですよ」
浜田「よう我慢できたなオイ」
松本「でも、限界あるじゃないすか。言うて所詮、尼のオッサンじゃないすか」
浜田「はいw」
松本「もうこっちは準備万端なわけですよ。次なんかやられたら即動ける状態なわけですよ」
松本「ただでさえスタンバッてる状態の僕に、あのクソガキ何しやがった思います?」
浜田「なになにw」
松本「”おじさま~今日は学校でおはぎを作ってきましたのよ~どうぞお食べくださいませ~”」
松本「食べたら中に針入ってるんですよ」
浜田「wwwwwwwwww」
23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:41:53.75:f57j9Rtf0 (23/44)
浜田「仕留められかけてるやん!w」
松本「気ぃついたらマウントポジションとってましたね」
松本「電話線でこの辺ぐるぐる巻きにして、”お前もおはぎ食えや!”って鼻ん中にあんこサッパーやってて」
浜田「ナハハハハハwwwwめっちゃおもろいわお前の姪っ子wwww」
松本「ね? 僕全く悪くないじゃないですか」
浜田「せやなw まっちゃんカワイソウw」
松本「なのにあの村の連中は、ハナから僕が悪やと決めつけてですね」
浜田「ん? 村の連中?」
松本「めっちゃ大事になったんですよ。なんか学校の担任とか児童何とかセンターのおばはんとか出てきて」
松本「なんか……ドメスチックバイオレンス的な事言い出して」
浜田「やられてる側やん!w」
松本「あのガキ逆ギレなのかなんなのか知らないですけど、至る所である事ない事言いふらしまくってるんですよ」
松本「だって言われましたもんなんかPTAみたいな奴に。”沙都子ちゃんの顔に痣らしきものがあるのですがどう言う事ですか”って」
浜田「馬乗りなるからやんけ」
松本「違うんですよ浜田さん。それよう見たら、僕がさっき鼻に突っ込んだおはぎなんですよ」
松本「自分でほじくってこの辺にガー広げてたらしくって。だからうっすくなったあんこが丁度アオタンっぽい色になってるんですよ」
松本「ご丁寧に余ったもち米とかこの辺につけたりとかして」
浜田「自作自演やんけw」
24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:42:43.06:f57j9Rtf0 (24/44)
松本「ね? 考えられへんクソガキでしょ?」
浜田「えらいもん引き受けてもうたな」
松本「でもね……実はそっちよりもヤバイのがいて」
浜田「だれや」
松本「雛見沢村民ですよ」
浜田「全員かいw」
松本「ああいう時の田舎って怖いですよ。集団心理とでも言いましょうか」
松本「ロクな証拠もないのに、魔女裁判に近い事されましたからね。ヒトシカエレ・デモンストレーションとでも言いましょうか」
浜田「デモンストレーションて……」
松本「マジですよ。なんかみんなで決起集会? みたいな事やってたらしくて」
松本「段取り決めてたみたいな動きで、めっちゃ囲まれて”カーエーレ!カーエーレ!”ってやられてたんですよ」
浜田「うわわ、えらいこっちゃ」
松本「んでよう見たらこう、ちょうど立ち退きの件で使ってたのがあったんでしょうね」
松本「掲げられてるプラカードの、立退反対の”立退”がうまいこと”ヒトシ”に置き換えられてるんですよ」
浜田「それで集まってたんかいw」
25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:44:54.21:f57j9Rtf0 (25/44)
松本「ホント滅茶苦茶やられましたからね。カエレだのコロスだの言われまくって」
松本「玄関とか常になんか置かれてましたし。使用済みコンドームとか、すっごい臭いのする系の何かを」
浜田「タチ悪いなぁ……」
松本「だからそんなんやられ続けてたら、ほんまに段々マジで殺されるんちゃうかって思えてきて」
浜田「んなアホなw」
松本「だってそうじゃないですか! 住人以外誰も来ない山奥の奥の奥ですよ!?」
松本「僕、下手したら埋められて行方不明扱いされるかもしれなかったんですよ!? ただでさえ【ピーッ】ばっかですし、あんなトコいたら絶対ヤバイじゃないですか!」
浜田「あー……せやな」
松本「その日のうちに即夜逃げ実行ですよ。もう、バイト代の事とか完ッ全に頭から抜けてましたよ!」
浜田「ンナッハッハッハw 全員【ピー】なんかいw」
松本「んでとりあえず展望台までカブで逃げたんですよ」
松本「ムカつく事に、やっぱりさすが夜景だけはすごく綺麗なんですよ。住んでる奴は汚ればっかな癖に」
浜田「やめーいうねんw」ペン
松本「それ見てたら段々”俺、こんな所で何やってんねやろ”……ってブルーなってきて」
浜田「大変やな」
松本「孤独と絶望に押しつぶされそうになって、心が壊れそうになっている」
松本「そんな僕に、救いの手を差し伸べてくれたのが――――」
浜田「お?」
松本「梨花ちゃんですよ」
浜田「誰やねん」
26:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:45:26.75:f57j9Rtf0 (26/44)
松本「ふっと見たらいつの間にか目の前おって」
松本「んで一瞬ヤバってなりましたけど、でも他の奴らと違って、梨花ちゃんだけすっごい優しいんですよ」
浜田「だから梨花ちゃんって誰やねんって」
松本「沙都子の同級生です」
浜田「ガキやんけ!w」
松本「いやほんまめっちゃ優しいんですって。ずっと”ヒトシカワイソカワイソなのですー”って励ましてくれましたし」
浜田「ええ歳こいて小学生にお前よぉw」
松本「何を言うてるんですか浜田さん梨花ちゃん舐めたらあきませんよ」
松本「園崎より強いっすからね」
浜田「え!? ヤクザより!?」
27:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:47:11.12:f57j9Rtf0 (27/44)
松本「もちろん腕力的な事言ってるんじゃないですよ――――権力的な意味でですよ」
浜田「余計すごいやんけ!w」
松本「なんか村の長の跡取り娘らしくって。だからほぼ長老みたいなもんですよね」
松本「その証拠に、泣きついたら一発で収まりましたからね。”僕に任せるのですにぱー!”とか言って」
浜田「番長やないか……」
松本「んでね、こっからが肝心なんですけど」
松本「そもそも梨花ちゃんは、何故僕みたいなよそ者にそこまでしてくれたのかって、思いません?」
浜田「だからカワイソウやったからちゃうん」
松本「あのねー浜田さん…………僕ね、あの時ほど吉本入ってよかったと思った事はなかったですよ」
浜田「吉本関係あらへんがな」
松本「何を言ってるんですか大アリですよ」
松本「いいですかもう一度思い出してください――――昭和58年の6月」
松本「あの当時、ド新人もええとこの僕らに、唯一いっこだけ仕事があったの、覚えてますか?」
浜田「えっ仕事? NSC卒業したばっかやろ?」
松本「……」ジー
浜田「……あ! あった!」
松本「そうですよ! 思い出したでしょう!」
浜田「――――”君スタ”か!」
※お笑い君こそスターだ!
28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/20(月) 22:48:11.08:f57j9Rtf0 (28/44)
松本「視聴者だったんですよ! あの番組の!!」
浜田「おおwwww」
松本「あれ確か全国初でしょ? 僕らの」
浜田「せやせや。ギリ素人って事で無理矢理出させられたんや」
松本「アレ正直クッソだるかったじゃないですか。東京大阪間何度も行き来するの、めっちゃめんどかったですし」
浜田「せやなw」
松本「でも……しんどくてもがんばった甲斐あったんですよ。おかげで、画面の向こうの梨花ちゃんにバッチリハマってたんですよ!」
松本「だって言われましたもん”この子らは売れると思ったです”って」
浜田「ンナハハハハwwww何様やwwww」
松本「なんか漫才めっちゃ好きで、あの年で演芸番組とか見まくってたらしくて」
松本「でも小学生でそんな話できる奴、周りにおらんくって、寂しかったんですって」
浜田「あるある。そういうのあるわー」
松本「僕なんてずっとチャンピョンチャンピョン呼ばれてましたからね」
松本「”100年経ってもヒートシはmeのチャンピョンなのデス~”って」
浜田「外人かwwww」
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