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後味の悪い話『ふたりのジョンの話』


202:本当にあった怖い名無し:2013/10/22(火) 18:54:34.64 ID:TRlYafWs0

平山夢明の「或る愛情の死」

既出だったらごめん



両親と息子二人の家族の話。

ある日一家四人で車に乗っているところ事故に遭う。
両親は脱出するが後部座席の息子たちは自力で出てこられない。

父は長男を、母は次男を助け出そうとするが、ガソリンが漏れてきて時間がない状況に。

父は足が不自由で一生歩けないと医師に診断された長男の救出を途中でやめ、
次男の救出に切り替えてしまう。

結果次男は助かるが、長男は亡くなってしまう。

母はその日以来父を責め続け、また黒焦げになった兄の幽霊が見えると怯える次男に対しても「あなたのお兄ちゃんなんだから怖くないでしょ」と冷たくあたる。

そんな母にとうとう父はキレ、あいつは障害があるんだよ!歩けないんだよ!と叫び、母はやっぱりそう思ってたから見捨てたのね、あなたがあの子を殺したんだ、
あなたが死ねばよかったと言い、家庭はめちゃくちゃに。

そんなある日家に警察が訪ねてくる。

いわく、長男が通っていた病院の医師が逮捕された、
薬物(だったかな?うろ覚え)をやっており、正常な判断が出来ず、
患者に間違った診断をしていた。おたくの息子さんも治療すれば治り、また歩けるようになると……

それを聞いた母は何も言わず家から居なくなってしまう。

ある日父が帰宅すると次男が泣いている。どうしたのか問うと、兄がいると言う。

父はそっと部屋を覗く。そこには黒焦げに見えるよう刺青を入れた母がいた。





「或るろくでなしの死」という短編集のひとつなんだけど、この本は全体的に後味悪い。




203:本当にあった怖い名無し:2013/10/22(火) 21:32:50.24 ID:8t+d60aHi

平山夢明の話はホラー通り越して都市伝説風ギャグって感じがする




204:つくすん『はくし病』1/3:2013/10/22(火) 22:54:47.72 ID:Jnh7mAwLi

ずっと前見た読み切りのWeb漫画。



女子中学生の主人公は最近朝目が覚めなかったり、鼻血が出やすかったり、
携帯に見知らぬ人の写真が入っていたり、何より念動力が使えることに悩んでいる。



ニュースによると、それらの症状は「はくし病」という病気によるものらしい。

はくし病とは手を触れずに物を動かせるという超能力が得られる代わりに、
脳に障害が起こり発病から一年で死に至るという数万人に一人の奇病。

しかも感染力がある病気なので、警察や医療機関は患者を見つけたら即通報を呼びかける。

寿命一年も嫌だけれど、捕まったら何をされるかわからないと悩む主人公。

そんなある日不良女子グループにいじめられている優等生の少女を超能力で助ける。実は彼女もはくし病患者。鼻血を出してるところを写真で撮り合ったり、
秘密を共有する二人は仲良くなる。





205:つくすん『はくし病』2/3:2013/10/22(火) 23:04:10.66 ID:Jnh7mAwLi

翌日主人公が登校すると、昨日の少女が主人公が助けたせいではくし病がばれ、
不良女子グループにゆすられているところに遭遇。

目で訴える少女だが、主人公は逃げてしまう。

途端に少女の態度が豹変、不良女子の一人の腕を超能力で引き千切り、教室はパニックに。

はくし病の第二段階は極度の幻覚や被害妄想。

主人公に裏切られたと思った少女は机や椅子を飛ばして攻撃しながら主人公に迫る。




206:つくすん『はくし病』3/3:2013/10/22(火) 23:08:14.20 ID:Jnh7mAwLi

主人公を捕まえた少女は、のしかかり首を絞める。

泣きながら少女の名前を呼ぶ主人公だが、少女はとどめを刺そうとする。

その瞬間急に主人公が明瞭な口調で「お前のせいで私までバレるところだったじゃないか」と呟く。

主人公は戸惑う少女を微笑みながら窓から突き落とした。



はくし病の最終段階は多重人格と、人格の異常な変化。

その上はくし病患者どうしは引き合い、殺し合うという奇妙な修正があるため、
住民は自己防衛のためならはくし病患者を殺しても罪に問われない。

そんなことは知らず、昨日までのことをすっかり忘れて目を覚ました主人公は、
携帯に残る見少女の写真を誰だこれ、と気味悪がりながら消去し、学校へ向かった。




208:1/3:2013/10/23(水) 00:51:14.94 ID:uTfU9U/b0

江戸川乱歩『指』



とある名のあるピアニストが暴漢に襲われ、右手首を失った。

物語の語り手である医者は、ピアニストに右手首切断のことを教えなかった。

「あ、君が世話をしてくれたのか、ありがとう」とピアニストは言った。

「何せ酔っ払っていたもので、暴漢が誰だか解らなかった。右手だね?

僕の右腕は……指は、大丈夫だろうか? 元のように動くだろうか?」

「大丈夫だよ」と医者は言った。「何、じきに治るよ」

医者は親友を落胆させるに忍びず、彼がピアニストとしての生涯を終えた

ことを、もう少し症状が良くなるまで伏せておこうと思った。




209:2/3:2013/10/23(水) 00:59:26.89 ID:uTfU9U/b0

「右手の指を少し動かしてもいいだろうか?」とピアニストは言った。

「新しい曲を作ったんでね、それを毎日練習してみないと気が済まないんだ」

医者はハッとし、看護婦に彼の尺骨神経を圧さえさせた。そこを圧迫すると、

指が無くとも、あるような感覚を脳中枢に伝えることができるからだ。

ピアニストは左腕の指を気持ちよさそうに動かしていたが、右腕の指が現実に

動いているわけではない。そうであるにも拘わらず、架空の曲を弾き続けていた。

「ああ、右の指は大丈夫だね。よく動くよ」

医者は耐えきれなくなり、病室を出た。




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