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Yahoo!オリジナル記事4/29(火) 19:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/d291de179e099b2f7b67ad23d2647620b3dcc34f 新年度が始まったが、今なおマスクを着用する若者は少なくない。新型コロナウイルスが広がり、マスクが必要になって5年、慣れた若者からは「なかなか外せない」という声が聞かれる。だが、常態化すれば、表情によるコミュニケーションへの影響も無視できない。なぜ外せないのか。どんな影響があるのか──。コロナ禍に学校生活を送った「マスク世代」の大学3年生から新入社員の社会人までの10人と、外見問題や養護教育の専門家らにインタビューした。(文・写真:Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
(中略)
二人のケースにあてはまるかどうかはわからないが、前出の鈴木准教授は、「重度のマスク依存で困っている場合は、心理士・師や精神科医などの専門家に相談するのも一つの方法」と言う。
「自身の容姿の欠点にとらわれてしまう『醜形恐怖症(身体醜形障害)』。その研究は日本ではあまり進んでいません。患者自身が心理的な問題と認識せず、また当人が困っていることが少ないこともあって、心療内科などに相談に行くことは少ないようです。しかし、適切な対応が必要な場合があります。子どもについては親が気にかけて適切に対応することが必要となる場合もあるでしょう」
◆「常態化」の背景にある日本社会特有の規範意識
複数の学生は、日本社会特有の規範意識の高さがマスク常態化の背景にあると指摘する。
筑波大学4年の真司さん(仮名)は、「国民性なのか、マスクをつけるほうが社会的に正しいという刷り込みが今でもある気がします。飲食業や学校関係者、公務員などは比較的つけている人が多い」と感じている。
同大の同級生でイギリス留学中の加藤緑さんは「現地ではマスクをしている人はほぼいない。つける文化がそもそもない」と日本人との差異を感じている。また、つい最近、日本のある高校のSNSでたまたま職員室を大掃除する様子の動画を見たというが、「職員室の先生たちは、ほぼ全員マスクをしていたのに驚きました」と、そこにも日本人の気質を見たような感覚があったと話す。
「外すべき」「つけるべき」といった規範の二重性に最も翻弄されるのは、周囲の期待に敏感な子どもたちだ。コロナ禍でマスク生活を強いられ、頑張ってその生活に順応してきた若い世代ほどマスクとの関係は複雑だ。
このジレンマに対応する学校現場の工夫もなされてきた。東海学園大学教育学部特任講師の出川久枝さんは、小中学校の養護教諭への助言を行ってきた。コロナ禍に訪問したある中学校では、生徒がマスクなしで撮った写真を教室に掲示し続けた。それにより、外す時の抵抗を減らす狙いがあったという。
「東海地方の中学校では『マスクを取るか取らないか』をテーマにした授業で、生徒自身に『良いこと・困ること』を考えさせ、意思決定を促す試みも実践されていました。マスクは周囲が外すように強制するものではありません。大切なのは個人の選択を尊重しながら、表情豊かな交流への穏やかな橋渡しを目指す、社会の柔らかな働きかけだと思います」
マスクを外すことを「つらい」と感じた当事者は、そうした心理状況から脱する苦労があったと語った。一方、専門家からは、マスクが外せない背景にある、見た目の心的負担は「つらさ」として認識しづらいものという指摘があった。今必要なのは、困り感やもやもやした気持ちを抱えた人たちを「包み込む」ような周囲の目と働きかけだろう。
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