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【ウマ娘怪文書】大AI時代。学園は興奮の坩堝にあった。 PC室の前には連日長蛇の行列ができ、 彼女らの目的は、仮想担当トレーナーとのロールプレイである。


8: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:14:28 0

トレーナーを誘惑し、ホテルに連れ込み、唇を奪った中年のウマ娘。
それはキングヘイローの母親に瓜二つだった。
からくりは単純なことだった。
「効率的脳破壊プログラム」は生徒のプロフィールを解析し、最も有効なストーリーを作成する。
キングヘイローの母親を相手役に選ぶことが、最短距離で脳を破壊すると判断されたのである。
確執のある母親とトレーナーとのキス。これはあまりにも耐えがたい光景だった。
一流だのなんだのなんて関係ない。
"上書き"、そうよ。"上書き"しなくては――!
キングヘイローは半ばやけになって顔を近づけた。その時。
「キング……ごめん……」




9: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:14:49 0

それはいかなる偶然か。AIのことなど知る由もないトレーナーから放たれた寝言。
それはこの場面にぴったりの、キングヘイローが求めていた言葉だった。
興奮が急速に収まっていく。怒りと憎しみに満たされていた心に、愛しい想いが溢れてくる。
ああ、やはり、本意ではなかったのだ。
お人好しのトレーナーは、酒を強要されて、やむなく身体を差し出してしまったのだ。
そっと、トレーナーの頬を撫でる。柔らかな肌と温かい体温が、傷ついた脳を癒してくれた。
「馬鹿ね。嫌だったらきっぱりと断りなさいな。本当に優柔不断な、へっぽこなんだから……」
キングヘイローは理性を取り戻していた。
自分でも不思議なほどに、冷静に状況を見つめることができた。
大丈夫。今はもう、"上書き"することに何の躊躇いもない。
キングヘイローは身を乗り出して、ゆっくりと唇を近づけていった。




10: 終 2025/05/29(木)22:15:12

「効率的脳破壊プログラム」は猛威を振るった。
カルストンライトオは千鳥足になり、直線に歩けなくなっていた。
マルゼンスキーは峠を危険運転した罪で逮捕された。
ホッコータルマエは苫小牧に一時帰省した。
ヒシミラクルは絶食した。
ヴィルシーナは病んだ。
アグネスデジタルは目を血走らせて話す。
「憎い、憎いですよ……私の愛しいウマ娘ちゃんたちを、こんな酷い目に合わせて……許せません!」
しかし、言葉とは裏腹に、腰のカメラは秒間10コマでウマ娘を撮影していた。
「資料ですから……! これは新刊のための資料ですからっ……!」
その後、被害は拡大し、学園の半数の生徒が脳破壊を経験した。
トレーナー室の廊下は、"上書き"を試みるウマ娘で溢れたのだという。生徒会はキレた。





13: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:18:47 0

>>9
>興奮が急速に収まっていく。怒りと憎しみに満たされていた心に、愛しい想いが溢れてくる。
よかった…
>大丈夫。今はもう、"上書き"することに何の躊躇いもない。
なんでだよ!!




18: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:23:11 0

>>13
私は止まらねえからよ…!




20: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:25:10 0

>>18
(応援)団長…!




16: 名無しさん(仮) 2025/05/29(木)22:21:40 0

>>10
>ホッコータルマエは苫小牧に一時帰省した。
普段通りでは




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