1 少考さん ★ :2025/05/25(日) 19:24:44.54 ID:Gu2kn7+09
ENCOUNT
https://encount.press/archives/798575/ 2025.05.20 著者:ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム
「謝罪してもらうまで私は絶対に許しませんよ」
小学生の息子を降雨の中、傘を差さずに帰宅させたとして職員室に怒鳴り込んできた保護者に対して、担任が対応に苦労していたところ、教頭が取った行動に称賛の声が上がっている。当時、担任だった元教師のこうめい|親育て先生(@yumenochikara39)さんに詳しい話を聞いた。
「なぜ雨が降っているのにうちの子に傘をささずに帰らせたのですか 風邪をひいたら責任を取ってくれるんですか?」
こうめい先生が5月16日にXに投稿したのは、小学校3年生の担任をしていた時に経験したエピソードだった。
「ある保護者が職員室に怒鳴り込んできた」
状況から伝わるただならぬ様子。怒髪天を突く保護者は、息子への学校の対応に不満をぶちまけた。
こうめい先生は、心の中で叫んだ。
「昼から雨の予報なんだから傘を持たせてくれ!!」
しかし、その保護者はこう主張したという。
「息子は先生に傘を忘れたと言ったそうじゃないですか。そのまま帰らせるなんて信じられません。だいたい普通に考えたらわかると思うのですが。これだから子どもを持ったことがない人は親や子どもの気持ちが分からないんですよ」
強い言葉に、こうめい先生も引けなくなった。
「確かに当時僕は独身で子どもをもった経験はなかった。けれども子どもの気持ちや大切な子を持つ親の気持ちを可能な限り考える努力はしてきたつもりだった」
そして、言った。
「私は親になった経験はないですが、親の気持ちに寄り添う努力はしているつもりです。それに子どもたちには忘れ物や何か問題が起こったときに自分たちで考えて行動するように指導しています。今回○○君は傘を忘れたようだったのでどうするかを聞いたら走って帰ると自分で決めました。私は彼が自分で決めたことだったのでそれ以上は何も言っていません」
保護者は言い返されたと感じたのか、さらに興奮。
「だいたい先生は声が大きいんですよね。そんなふうに威圧的に言われると子どもたちも萎縮します。だからうちの子も何も言えなくなったんじゃないですか? とにかく今回のことをちゃんと謝罪してもらうまで私は絶対に許しませんよ」
けんか腰の保護者は収まる気配がなく、こうめい先生は困惑した。
だが、ここで思わぬ展開が訪れる。保護者とのやり取りを心配した教頭が、割って入ってきた。
「お母さん、お子様が雨に濡れて帰ってきたことにとても心配されたのですね。確かに子どもが風邪をひくといろいろと予定が崩れるので大変ですよね。その気持ちはよくわかります」
優しい語り口に、緊張した場の空気が変わった。
「保護者の表情が一瞬で緩んだ」とこうめい先生は驚く。
「そうなんですよ。うちの子は風邪をひくと長引くので大変で。仕事もそんなに休めないじゃないですか」。保護者は理解者が現れたことに安堵(あんど)し、振り上げた拳を下ろし始めた。
そして教頭は続けた。
モンスターペアレントに苦しめられている教員も多い
「本当に毎日お子様のことやお仕事など忙しくされて○○君にもきっとそれは伝わっているのでしょうね。この間、担任の彼(僕のことだ)もこう話しておりました。○○君はすごく優しいし自分で決めたことに芯を持っていてすごいと(たぶん通知表の所見欄に記入したこと)。お母様の愛情と彼の指導が◯◯君のそんな姿につながっているのでしょうね。ぜひ傘のことも◯◯君なら持っていくかどうかも自分で考えて決めることができるはずです。次からはお母様の方で一声かけて送り出してあげてくれませんか?」
保護者の表情から険しさが消え、笑顔も見えるようになった。
「はいそうします。こうめい先生すみませんでした」
保護者の口からはおのずと謝罪の言葉も飛び出していた。
「僕は、心の底から驚いた。教頭は全員分の通知表のチェックをするので確かに子どもの頑張りの様子を記載したものに目を通している。小さな学校とはいえその内容を覚えて子どもの姿として保護者に伝えたのだ。それにまず保護者の気持ちを受け止めることで話を聞いてもらう信頼関係を一瞬にして作り上げたのだ。僕はこの教頭の姿を見て僕もこうなりたいと心の底から思った」
(略)
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