祖母の家に遊びに行った時に納戸で古いアルバムを見つけた。アルバムを開いてみると、今より随分若い父と母と謎の少年が写っていて…
229: 名無しさん@HOME 2009/12/13(日) 07:02:36 0
私が高校生の頃、祖母の家に遊びに行ったとき、納戸で古いアルバムを見つけた。
アルバムを開いてみると、それは我が家のアルバムらしく
そこには今より随分若い父と母が写っていた。
わー、うちのアルバムなんだ。
そう思ってページをめくり続けると妙なことに気が付いた。
え?え?何これ?
写真には父と母が写っていた。
けど、年齢的に絶対写っているはずの
年の離れた姉の写る写真は一枚もなかった。
姉の代わりに写っていたのは、スポーツ刈りの見知らぬ少年だった。
229: 名無しさん@HOME 2009/12/13(日) 07:02:36 0
その少年の写真は、七五三から幼稚園でのお遊戯会、小学校の入学式、運動会まであって
家族旅行などの写真まである。
写真の構図や写真の枚数から考えても、アルバムの主役はその少年、
父母は常に少年の側に立つ脇役といった感じだった。
どう考えても、親戚のような遠い関係じゃないし
いくらなんでも、親戚の七五三や運動会までうちの親が顔出すなんて不自然。
きっとうちの親とは家族並みに親しい関係なんだろうけど
でも、姉と同年代のその少年に、私は心当たりがない。
そもそも、姉の写真が一枚もないのもおかしい。
ちなみに、我が家の写真はアルバムに整理されて、我が家にある。
他の写真とは隔離されて、祖母の家で保管されていたこのアルバムには
何か深い訳があるように思えた。
一人薄暗い納戸で考え込んでしまった。
230: 229 2009/12/13(日) 07:07:30 0
しばらく一人で悩んだけど、
結局、数日後、母に聞いてみることにした。
母の話は複雑な顔をして考え込んで、
しばらくの沈黙の後、真相を教えてくれた。
母が言うには、あのスポーツ刈りの少年は、小学校時代の姉だという。
姉は○○の奇形のために出生時、男の子と間違えられ、
小学校までは男の子として育てられたという。
驚いて声も出なかった。
ここからは姉から聞いた話。
なんか、めんどくさいから伝聞形式で書くの止めます。
文章力無くてごめんなさい。
姉は小学校の頃、性別は男として育てられたんだけど
顔立ちが女の子そのものだったから
「男女」とか「同性愛男」とか言われて、近づくと「キモイ」などと言われて
いじめられていた
私だったら、ショックで学校行かなくなってるところなんだけど
そこは努力家で忍耐強い姉だけあって
男女と言われないように、精一杯男らしくして頑張ってた。
髪はいつも短くして、サッカーや空手なんかもしたりしてた。
231: 229 2009/12/13(日) 07:13:43 0
だけど、どんなに努力しても、やっぱり元は女の子。
短距離走のタイムなんかも、徐々にクラスの男子から離されていって
小学校中学年になる頃には、下から数えれば5本の指で数えられたし
サッカーなんかしても、体力続かなくて、男子と一緒に最後まで走ったりできないし
空手なんかも、体は柔らかいから足は上がるけど、
やっぱり男には敵わない。
成長するにつれて、姉は次第に女らしい顔付きになり、
体つきも、いくら鍛えても女みたいに華奢。
成長して男女の違いが顕著になるほど、姉は運動音痴になっていって
「男女」と呼ばれることも増え、悩みも増えていった。
本当は刺繍やビーズなんかにも興味あったけど
そんなものに興味を持ってるなんてことが、クラスの人に知られたら
間違いなく「男女」とからかわれる。
そう思った姉は、興味があっても、
決して女の子の趣味には手を出さなかった。
テレビに映るアイドルグループを見て、ときめくこともあったけど
それがクラスに人に知られたら、間違いなく同性愛扱いされて、更にいじめられる
からかわれて、不細工男子とキスさせられそうになった苦い経験もあったし
そんな思いをもう一度するのが嫌だった姉は、
ジャニ系アイドルに興味が沸いても、決してそんな素振りは見せなかった。
誰にも相談しなかったけど、でも密かに姉は
男女とか、同性愛とか言われる自分が、実は評判どおり美男子好きで、
皆が言う通りの変態男だったということに、姉は深いショックを受けてた。
テレビでアイドルを見て、アイドルにときめく自分に気付く度に
自分が変態だということを思い知らされ、姉は一人苦しんでいた。
233: 229 2009/12/13(日) 07:17:08 0
姉がアイドルに目を奪われるようになった頃、
クラスのサッカー好きの男子の一部は、教室にサッカー雑誌なんか持って来て
海外の一流サッカー選手のスーパープレーの写真を見て
「すげー」とか「かっくいいー」とか言ったりしてた。
相手がプロサッカー選手なら、
「かっこいい」と素直に自分が言っても許される。
そう思った姉は、アイドルに恋焦がれる女心を
日本国内外の一流サッカー選手に向けた。
他の男子が海外サッカー選手の名前とチーム名ぐらいしか知らない中
姉は、お気に入りの選手の生年月日や経歴まで抑えてるようになり
いつしか姉は、クラスのサッカー博士になっていた。
相変わらず「男女」とからかわれることも多かったけど
なんとかクラスでの居場所も確保した姉は
小学校高学年になって、また悩み始める。
第二次性徴が始まり、胸が膨らんできたから。
「胸が膨らんできたことをクラスのみんなに知られたら、絶対いじめられる」
そう思った姉は、包帯買ってきてサラシを巻いて
さらにTシャツは厚手のものを2枚重ねにしたりして、学校に行った。
体育がプールのときは「水が怖い」で押し通して全欠した。
姉は、必死に胸の膨らみを隠し続けた。
小学校6年のある日、姉が学校から帰って下着を見ると、
血の染みが出来ていた。
とうとう姉は、生理が始まってしまった。
幸い、その日のズボンは黒いジャージだったので、他の人には気づかれなかった。
234: 229 2009/12/13(日) 07:20:33 0
「生理が来たなんて知られたら、間違いなくいじめられる。
せっかく出来た友達も、また自分から離れていくし
これから女として暮らして、スカート履いて学校行ったりなんて、冗談じゃない」
そう思った姉は、親が帰宅する前に下着とジャージを洗い
重ねたティッシュをセロハンテープでくっ付けて
生理が来たことを隠そうとした。
でも、そんな小学生が作った応急ナプキンじゃ、なんとかなるもんじゃない
翌朝、姉はパジャマとシーツに染みを作ってしまい
母に気付かれてしまった。
何かの病気だと思った母が姉を病院に連れて行くと
母と姉は医者から
「生理ですね。この子は女の子です」
と衝撃の事実を聞かされた。
姉から話を聞いた後、母に
生理があるならち○もあったんだろうし、
なぜオムツを代えるときに気付かなかったのか、て聞いたら、
赤ちゃんの頃、姉のち○は大き目のホクロぐらいの大きさで
窪み少しある程度のものだったらしく
そのため、医者も両親も気付かなかったのだと言う。
どうも、その後成長してち○口が次第に大きくなっていったらしい。
もっとも、大きくなったとは言っても、通常の女性と比べれば
極端に小さいものだったらしいけど。
235: 229 2009/12/13(日) 07:23:15 0
一口に性分化疾患といってもタイプは様々。
姉は、このまま成長すれば、どんどん女性らしくなっていくタイプらしく
今後、男性として生きるのは難しいとのこと。
医者は姉に、今後は女性として生きることを勧めた。
ちなみに、医者の話では
姉よりも重度の人は、女性と分かっても
そのまま男性として生きることを選択する人が多いらしい。
また、姉と同程度の人でも、なんとか男性として生きられないかと模索するらしい。
まあ、ご近所の目や今までの友達関係なんかもあるし
急に性別変えるのって、難しいというのは分かる。
衝撃の告知に、我が家は一家揃って落ち込んだ。
「実は女だったなんて、今更言えない。言ったら格好のいじめの的だ」
そう考えた姉は、そのまま不登校児になった。
親も、姉に学校行くよう一応は勧めたけど、
姉の気持ち考えると、とても無理に登校させることは出来なかった。
結局、姉は小学校をそのまま不登校で通した。
プールは仮病で全欠だし、不登校と決めたら不登校だし
姉は意思の強い人だと思う。
これ、姉から聞くまで知らなかったんだけど、義務教育の間って
出席日数が0日でも、本人や親に卒業・進級の意思さえあれば
卒業・進級できるらしい。
私立はどうか知らないけど。