1： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)12:47:46 0

「忌憚なき意見を聞かせて欲しいのよね」
ダイワスカーレットの発言にカフェテリアがざわつく
対面していた彼女のトレーナーは
手にしていた飲みかけの珈琲を一口啜り
そしてゆっくりとテーブルの上に置くと溜息をつき
肘をついて両手を組むと神妙な顔で口元を隠してみせた
「…それは何についてだ？」
「アタシの事に決まってるじゃない」
彼女達よりも周囲が固唾を飲んでいた
トレセンの核弾頭、本能がウマ娘のガワを被った何か、掛かりの化身
時にその様に評される真紅の怪物にトレーナーが明け透けに評する
これは泣いてしまうかもしれない
その様な心配を他所にトレーナーは淡々と意見を口にした
「お前って可愛いよな」

2： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)12:48:20 0

「…そうなのかしら」
「間違いない。側で一番見ている俺が言うんだから間違いないだろう
前々から思ってはいたんだ。だが理由の方は分からない
あれこれと考えてみたがしっくり来る言葉が見つからなかった…
いや、逆に理由を付けてしまうと陳腐になってしまう気がしてな
だからこそ恐ろしいとは思わないか。可愛い
きっとこの先お前が成長し結婚して子供が出来た後
おばあちゃんになったとしても明日も明後日もお前は可愛いだろう」
トレーナーは一息に言い切りスカーレットが目を輝かせる
だが自身の評に自信が持てなくなったのか
彼は隣の席に居たスマートファルコンのトレーナーに声を掛けた
「ファルトレ。お前はどう思う？」
「どうって…そうだなダイワスカーレットは可愛いだろ」「やはりか」
「ああ。けどな実は…うちのスマートファルコンも…無茶苦茶可愛いんだ」
「マジかよ。いや、確かに…」

3： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)12:48:35 0

頷き合うトレーナー陣、そしてスマートファルコンは無言だった
口を開けたままリアクションを取る前に失神していた
そんな会話を聞いていたからであろう
担当トレーナー達が次々と声を上げる
うちの子も可愛いんだ。そうか、そうだよな。実はうちもなんだ
あいつら色ボケしとるんと違うかなあそうだなお前も可愛いよなタマやばいぞあかんて
忌憚なき意見が伝播しウマ娘達が身悶え未曾有の可愛いパニックが起きていた
事態を重く見た学園は直ちに動いた
理事長はお兄ちゃんに自信の忌憚なき意見を聞き
樫本理事長代理は自らに向けられたキャロットトレーナーの可愛い評に混乱
リトルココンはその光景に憤死し直ちに蘇生措置が行われた
混乱する学園内を収めるべくシンドリルドルフも立ち上がる
「この様な状況だがトレーナー君。君の忌憚なき意見を聞きたい」
「そうだな。まずは発端であったダイワスカーレットとトレーナーに話を聞くべきだ」
「違うだろうが！！！！！１！！！！」

4： 終 2025/04/24(木)12:48:53

だん、と振り下ろされた拳で執務机が破壊される
その様子にトレーナーはハッとし
やはり彼女もまだ学生であり
こういう時こそ自らが冷静にならなくてはならないという事実に気づかされるのだった…

5： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)12:58:31 0

そこは違うだろ⋯！

6： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)13:03:37 0

比較的平和でよかった

7： 名無しさん（仮） 2025/04/24(木)13:04:00 0

もしもし理事長？