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4/19(土) 17:01配信 双葉社 THE CHANGE
https://news.yahoo.co.jp/articles/6a5c4428bdbcf63ac5cf79f04e4f5b321a5b084a 子役として活躍し、上京後、蜷川幸雄のもとで舞台俳優として活動するかたわら、NHKの人形劇『プルルくん』をきっかけに声優デビューをした、アニメ『タッチ』の上杉達也役などで知られる三ツ矢雄二。これまでに劇団の主宰、脚本家、演出家、編集者などマルチな才能を発揮する彼のTHE CHANGEとはーー。【第2回/全2回】
舞台への思いは高まりましたが、日本のミュージカル界には僕が入り込めるような劇団はなかった。そこで、「ならば自分で劇団を作ろう」と思い立ちました。
そして、声優の田中真弓さんと2人で事務所を作り、正式に劇団を旗揚げしました。ちょうど30歳だった1985年のことです。
『タッチ』(フジテレビ系)に出るのは、その後ですね。大ヒットしましたが、僕は「上杉達也の三ツ矢雄二」であり、「三ツ矢雄二の上杉達也」にはならないように、常に意識していました。あくまでキャラクターが主役で、僕は裏で支える存在であるべきだと考えていました。
声優としては演じる役ごとに異なる声や演技を心がけていました。例えば、『さすがの猿飛』(フジテレビ系)の猿飛肉丸、『キテレツ大百科』(フジテレビ系)のトンガリと、それぞれの役で、違う声を作り上げました。トンガリは普通の少年の声ではダメだと思い、実際に小学生の会話を聞いて研究したものです。
裏方の勉強もやっていた僕は、声優以外にもいろいろなことに挑戦してきました。
ミュージカル雑誌の編集長をしたこともありました。知人の編集者がミュージカル雑誌を立ち上げることになり、手伝うことになって、取材用に形だけの「編集長」の肩書の名刺を作ったんです。そうしたら、本当に編集長をやることに。企画・原稿執筆・校正、みんなやりました。ニューヨーク取材もしましたよ。他の仕事と並行していたので、さすがにしんどくて3年で卒業させてもらいました。
基本的に「頼まれたらやる」タイプなので、他にも作詞、脚本、演出、音響監督など、いろいろな仕事を手がけるようになっていきます。失敗したら辞めていたと思うんですが、なんとかできてしまったんです。
僕は男の気持ちも女の気持ちも理解できる
それはたぶん、役者としての経験があったからだと思います。役者はキャラクターごとに異なる人格を演じます。そのため、演出をするときも、脚本を書くときも、「このキャラはこういうしゃべり方をする」「このシーンはこういうテンポで進むべきだ」と、感覚的に理解できたんですよね。登場人物が5人いたら、頭の中でそのすべての役を演じられるんです。それに僕はゲイですから、男の気持ちも女の気持ちも理解できる。
音響監督として新海誠監督の初期の作品にかかわったことがあったんですが、そのときはまず監督の前で僕が演じて、監督の中でも抽象的だった役柄のイメージを具体化する作業をしました。
ゲイについては、昔から隠していたわけではありませんし、僕にとっては、「僕はA型です」と言うのと同じくらい自然なことでした。
ですが、2017年にテレビのバラエティ番組で、自分のセクシュアリティについて話したところ、「三ツ矢雄二、ゲイをカミングアウト!」とニュースになりました。正直「こんなに大騒ぎになるのか?」と驚きましたね。
ただ、それがきっかけでLGBTQ+に関する講演の依頼が来るようになり、ユーチューブやラジオでも「セクシュアリティについて話してほしい」と求められるようになりました。もし、僕の話を聞いて「こんなふうに生きている人もいるんだな」と思ってくれる若い人がいるのなら、それはそれで意味のあることなのだと思います。
今は70歳です。これからは、小さなライブでもいいので、ジャズを歌う機会を持てたらと考えています。また、小説の執筆にも挑戦したいですね。自分のペースで活動を続けていきたいです。