【3/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
821: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:10:41.62 ID:9O7549PaO
本当は駄目だと言いたい。
それでもハルの幸せはサリナと暮らすことなんだと自分に言い聞かせた。
俺「ハルにはママが必要だよ。
俺は大丈夫だ。
ハルにまた会いにいくし…
何か困ったことがあったらいつでも頼ってくれたらいい…」
サリナ「ありがとう…
ごめんね…」
その言葉がすごく心に響いた。
辛くてしかたなかった。
サリナは泣いているのか背中が震えていた。
822: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:15:28.65 ID:9O7549PaO
カーテンの隙間から、朝の日差しが差し込んだ。
ハッと目が覚める。
いつの間にか眠ってしまったらしい。
まわりを見渡す。
布団が畳まれていた。
どうやら俺が眠っている間に出ていったらしい。
俺「はぁ…」
ため息と共に全身の力が抜けた。
823: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:17:05.74 ID:9O7549PaO
「パパー。ごぱんするの」
えっ?ハルの声。
驚いて振り向くと、俺のそばでハルが目を擦っている。
俺「ママは?」
ハル「しなない…」
826: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:18:14.45 ID:9O7549PaO
テーブルを見ると封筒が置いてある。
慌てそれを取り出した。
中には手紙があった。
そして判のついた離婚届。
顔も洗わずそのまま手紙に目を通した。
827: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:19:09.97 ID:9O7549PaO
「俺くんへ
朝早いけど始発があるので、起こさないでそのまま出ます。
おじゃましました。
御飯おいしかった。ご馳走さま。
ハルは置いていくね。
夜中に起き上がって、俺君にくっついていったの。
俺君のそばじゃなきゃ安心して眠れないのかな。
ハルは俺君が本当に大好きみたい。
そんなハルの気持ち無視できないよ。
828: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:20:06.13 ID:9O7549PaO
離婚届は判を押して出して下さい。
今さらだけど、もし今の俺君となら幸せになれたかもね。
わたし本当に最低な妻で母親でした。
許して下さい。
本当に勝手ばかり言ってごめんなさい。
もう少し落ち着いたら必ず連絡します。
ハル 一度もママって言ってくれなかったな。
当然なんだけど、すごく寂しく感じた。
これから大変かもだけど、どうかハルをよろしくお願いします。
サリナ」
829: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/23(水) 01:21:10.59 ID:9O7549PaO
手紙を置くとハルを強く抱きしめた。
自然に涙が溢れる。
俺「ハル。
ママ好きか?」
ハル「しゅきー」
俺「そっか。
ママまた会いにくるからな。
それまでおりこうにしてような。」
ハル「ハルおりこーよw」
俺「うん」
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