【3/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
249: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:50:08.20 ID:JjzRc+udO
俺「押したそうなんですがって?
先生はそばにおられなかったんですか?」
担任「えー。体育の移動は生徒のみでしますので。」
俺「じゃあ何でハルがやったって言うんです?
見たわけでもないのに。」
俺はムッとした感じで話す。
250: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:51:11.96 ID:JjzRc+udO
担任「他の生徒が、ハル君が押したと言ってます。
押された本人もハル君に急に押されたと言ってました。」
ただの決めつけだ。
ベテラン教師だか知らないがふざけんな。
俺「ハル?
どうした?友達が階段から落ちたんだって?
それ見てたか?」
ハルに優しく問い掛けた。
ハルは黙って首を振る。
目には大粒の涙を浮かべていた。
大分泣いたんだろう、頬に涙の後が残っていた。
251: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:52:25.93 ID:JjzRc+udO
恐かっただろう。
ずっと質問攻めされてたのかもしれない。
一人でよく頑張った。
俺はハルの頭を撫でた。
「父親が息子を信じないでどうする」
あの日の親父の言葉が蘇る。
俺「ハルは階段から友達を突き飛ばしたりなんかしてません。
ハルがそんなことするわけありません。」
俺は歯を食いしばって言った。
253: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:54:28.38 ID:JjzRc+udO
担任「でも子供達が見てたんですよ。
それに何故ハル君は否定しないんですか?
私に何も答えてくれないんですよ」
担任が俺を見る目。
それが全てを物語っている。
俺「あんたそれでも教師か?
あんたみたいな先生だから何も答えないんだよ。」
大声で怒鳴った。
今にも掴み掛かりそうだったが、
ハルがビックリした顔をしたので、自分を落ち着かせた。
254: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 01:55:38.08 ID:JjzRc+udO
俺「それでどうしたいんすか?」
冷静を装う。
担任「あの…ちゃんと大ちゃんにも御両親にも謝って頂ければ…」
その言葉で怒りが頂点に。
俺「ハルには謝る理由ないでしょ。
もっとちゃんと調べて下さい。
万が一ハルがやったなら、俺が土下座して謝りますんで。」
再び怒り出す俺。
担任「万が一と言われましても…」
258: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 02:00:55.79 ID:JjzRc+udO
その声に心配してか、山下先生と教頭が部屋に入ってきた。
半ば無理矢理話を遮られ、とりあえず後日話し合いの場を設けると言われた。
悔しくて仕方なかった。
ハルはきちんと答えられない。
パニックになってしまって、ただその場にいるのが不安だったんだから。
それを良いことにハルを犯人扱い。
ハルがまわりと違うからなのか?
ハルが自閉症だからなのか?
そうとでも言いたいよな表情でハルを見ていた。
俺を見ていた。
悔しかった。
本当に。
259: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/29(火) 02:06:41.25 ID:JjzRc+udO
帰り道。
手を握り、ハルの歩幅に合わせてゆっくりと歩いた。
ハル「パパー帰ろうねw
今日ねカメさんにエサあげたの。
カメさん食べてくれたよw
いっぱいいっぱい」
無邪気なハル。
さっきのことは忘れたのか、俺に気を使ってるのかは分からない。
それでも悔しくて涙が出た。
ハルのその時の気持ちを考えると、胸が締めつけられた。
ただのリンチじゃないか。
ハルは悪くない。
ハルは嘘をつかない。
そんな子じゃないんだ。
悪い事とか、いけない事の区別がまだ分からないかもしれない。
それでも俺はハルを信じる。
先生にあんな事言ったけど後悔なんてしてないんだ。
あの時の親父の気持ちが今はすごく分かるような気がする。
そして3日後。
緊急で保護者会が開かれることになった。
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