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【2/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…


397: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:17:56.91 ID:7uhA5R94O

そう言って帰ろうとすると、

サキ「あの、すいません。

母がごめんなさい」

と言ってきた。

サキ「ハルちゃん悪戯なんてしてませんから。

私知ってるんです。教科書も服も母が自分でやったんです。

本当にごめんなさい。」

教科書は部屋に置いていて、ハルが手に届くはずがない。

服もヨシノおばさんのお気に入りだったらしい。
そんなものをハルが悪戯できるような場所に置いているはずがにいと言うことだった。




398: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:19:35.85 ID:7uhA5R94O

俺「はい。

こっちも。

受験で大変な時期に迷惑かけて。」

そう言って病院を出た。

何故ヨシノおばさんがそんなことするのか理解に苦しんだ。

まあ俺とハルが邪魔で仕方なかったんだろう。

俺の腹は今にも煮えくり返りそうだった。

俺はその脚でカズエおばさんの家に向かった。

黙って家に入り荷物をまとめた。




399: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:24:51.83 ID:7uhA5R94O

ヨシノおばさんがリビングにいるのが見えたので、勢い良く扉を開いた。

おばさんはびっくりした顔でこちらを見ている。

俺「お世話になりました。

もう出て行くので。

ヒロシおじさんにもお伝え下さい」

強い口調で言って深々と頭を下げた。





401: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:26:39.38 ID:7uhA5R94O

ヨシノおばさん「えっ?あ?

そうなの。

愛想なくてごめんなさいね。

何もしてあげられなかったけど元気でね。」

白々しいやつだ。

俺「もし…

もしこれから外であんたと出会って、もしハルが悲しむようなことがあったら。

何が何でも絶対に許さないっすから。」

と捨て台詞を吐いて家を飛び出した。

その時の俺どんな顔してたんだろうな。

相当怒ってたし恐かったと思う。




402: 名も無き被検体774号+ 2014/07/16(水) 00:27:29.95 ID:90od9UcB0

これは高性能クズだわ




403: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:28:49.83 ID:7uhA5R94O

いつの間にかあの時の公園に来ていた。

辺りは暗がり始めてる。

ハルは公園に入るなりハシャいで滑り台を滑り始めた。

その姿を目で追いながら茫然として立ち尽くしていた。

針でチクチク刺さるように胸が痛くて苦しくなった。

病気とかじゃなくてな。

何でかって?

それはハルを少しでも疑ったからだ。

すぐに信じてやらなかった。

本当はヨシノおばさんが悪いとかじゃないんだ。

文句垂れられながらも住まわせてくれていたんだし。

ただの八つ当たりじゃないか。




405: クズ ◆ZST.gXlq96  2014/07/16(水) 00:35:31.64 ID:7uhA5R94O

何よりも悪いのは、父親である俺がハルを信じなかったことだ。

俺はハルを怒りのまま怒鳴ってしまった。ハルは怒ってたけど、

あの時ハルは本当に俺に怒っていたのかもしれない。

何で信じてくれないのって。

俺は本当にグズだよな。ハルごめん。本当にごめん。

自分の不甲斐なさに嫌気がさす。

砂場で遊ぶハルに詰め寄り強く抱きしめた。

今にも涙がこぼれ落ちそうだったけど、グッと我慢してこらえた。

ハル「パッパーもうイタいー?」

俺「痛くないよ。

悲しいだけ」

ハル「いたくないにょー?」

俺「うんうん」

ハルはまた嬉しそうに滑り台によじ登った。




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