【2/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
686: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 04:54:09.05 ID:LwQCgtEKO
俺「ハルが保育園にいないんす。
もう帰ったと言われました。
サリナだと思う。
連絡ありませんでしたか?」
半年前からサリナの携帯番号が変わっていた。
そのせいでこちらから連絡は出来ない。
687: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 04:55:15.10 ID:LwQCgtEKO
義母「あの子から連絡ないわよ。
わたしも探すわね。すぐお父さんにも連絡いれる」
俺「すんません。
助かります。
俺も心あたりのある場所を探しますんで」
何故今。
何故このタイミングなんだろう。
俺はサリナが行きそうな場所を探した。
前住んでいたアパート。公園。スーパー。
不安が募る。
688: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 05:00:00.63 ID:LwQCgtEKO
もしかしてもうこの街にはいないかもしれない。
ハルにもう会えない。
最悪の状況が頭をよぎる。
俺はその不安を振り祓うように探し続けた。
サリナがいなくなって2年が経つ。
ハルを返してくれ。
そして、
サリナに会ってもう一度話したい。
サリナも人の親なんだ。
ハルを置いていなくったとは言え、こうしてまた会いにきた。
きっと思うところもある。
複雑な気持ちが入り交じる中、
俺は駅やショッピングモールなんかを虱潰しに探した。
689: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 05:02:59.78 ID:LwQCgtEKO
途方に暮れる俺。
いつかこんな日がくるかも。
そう心の中で少しは思ってたじゃないか。
でもこんなに早くその日がくるなんて。
サリナ「ハルが大きくなったら、また3人でこようね?w」
昔のサリナの言葉を思い出した。
690: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 05:05:12.83 ID:LwQCgtEKO
春は桜が満開。
秋は紅葉で彩る。
地域にある記念公園。
あそこかもしれない。
時間が経ちすぎてあたりは暗くなっていた。
最後の希望はそこしかない。と、そう思い夢中で走った。
691: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 05:07:16.02 ID:LwQCgtEKO
俺「ハァ…
ハァハァ…」
汗だくで酸欠状態だ。
ギィーコ…ギィーコ。
「キャハハハハw
キャハハハハw」
ハルの笑い声が聞こえる。
街灯に照らされた二人の姿を見つけた。
ブランコに乗るハル。
それを押していたのはサリナだ。
693: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/20(日) 05:08:53.26 ID:LwQCgtEKO
俺「ハァ…ハァ…」
ゆっくりと近づく俺。
サリナ「久しぶり。」
そこには優しい笑顔でハルと遊ぶお母親の姿があった。
俺に気付いたサリナはすごく冷静だった。
俺「ハァ…
もう…会えないかと思った…ハァ
ハルにも…お前にも…ハァハァ」
サリナ「ハル、随分大きくなったね。
本当に大きくなった。」
サリナはハルの頭を撫でながら俺とは目を合わせない。
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