【2/5】人生ド底辺だし、とやりたい放題だったクズの俺が父親になった話。喧嘩ばかりの嫁にイラついて家に帰らず女の家で過ごしてた俺に息子が通う保育園から連絡がきたのが始まりで…
579: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:18:17.59 ID:+vWUIxCFO
俺「ふぅー」
何ヶ月ぶりだろう。辞めていた煙草で一服する。
ハルは楽しそうに滑り台で遊んでいる。
先生の言葉を思い出していた。
先生「ハルちゃんを叱ったり否定したりしちゃ絶対に駄目よ。
ハルちゃんはそれだけで傷つくの。」
俺は何度もハルを怒鳴ってきた。
初めて二人で過ごした夜も、カズエおばさんの家で悪戯したと思った時もだ。
ハルにはそれが何でか分かってないのにな。
ただ傷つけただけ。
きっと辛かっただろう。
580: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:20:44.75 ID:+vWUIxCFO
先生「あまり遠くに行ったり、知らない場所に連れて行くのも駄目よ。
不安でパニックになって辛いだけだから。」
先生の一言一言が胸に突き刺さる。
ずっとずっと連れ回してた。
その度泣いたり叫んだりしてたのを覚えている。
ハルのそ時の気持ちを少しでも気づいてやれなかった。
俺はハルにただ辛い想いばかりさせていたんだ。
本当にグズだ。
俺は下を向き、頭の中で何度も何度も先生の言葉を思い出した。
最低な父親だ。
582: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:25:20.38 ID:+vWUIxCFO
自分を責めるしかなかった。
どれだけハルを苦しめてきたかを考えると、胸が張り裂けそうだった。
「お父さん大丈夫ですか?」
誰かが優しく背中をさすってくれた。
佐々木先生だ。
佐々木先生「やっぱり心配になって、
戻ってきちゃいましたw」
優しい笑顔で俺に話しかけてくれた。
583: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:27:44.68 ID:+vWUIxCFO
俺「大丈夫です…」
するとハルが近づいてきた。
ハル「パッパー、イタイの?」
俺の事心配してくれてるのかな。
その純粋な瞳に心は打ち砕かれた。
俺はボロボロ涙を流した。
人前なのに恥ずかしさなんてぶっ飛んでた。
俺「ハルーごめんな。
パパ最低だなー。」
俺はハルを強く抱きしめる。
584: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:29:54.71 ID:+vWUIxCFO
佐々木先生「落ち着いて下さい。
ハルちゃん苦しいですよ」
俺「俺のせいなんす。
俺が全部悪いんす」
俺はただただ泣いた。叫んで。
何もかも俺のせいなんだ。
ハルがこうなったのも、ハルが辛い想いしてきたことも。
これからだってそうだ。
大きくなって自分がまわりと違うことに気づいた時に、きっとハルは傷つく。
俺がグズでロクなやつじゃないから、
ハルがこうなってしまったと思ったんだ。
ハルがあまりにも可哀想じゃないか…
585: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:31:52.81 ID:+vWUIxCFO
俺は一生分泣いたんじゃないかってくらい泣いた。
その時は、自分への怒りとか後悔とかで泣くしかなかったんだよ。
先生は何も言わず、落ち着くまでずっと背中をさすってくれていた。
ハルは俺の横にちょこんと座り頭をヨシヨシしてくれていた。
587: クズ ◆ZST.gXlq96 2014/07/18(金) 01:32:48.37 ID:+vWUIxCFO
俺「恥ずかしいとこ見せてすいません…」
ようやく落ちついた。
泣きすぎたってのもあるけど、何だか少しスッキリしてた。
佐々木先生「いいえ。
男の人がこんなに泣くの見るの初めてかもですw
ハルちゃんもだよねー?w」
ハル「ねーw」
佐々木先生「お父さんのせいじゃないですよ。
先生も言ってたでしょ?
生まれ持った性格だって。
それにハルちゃんにはお父さんしかいないんですよ。」
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