737:名無し: 2025/02/22(土) 17:07:24.222 ID:U9/u93bv4
研究者のコラムに面白いことが書いてあったわ
「日本人は知らないことを恥じる。その上、知識量やそれを引き出す速さに熱中するからろくな研究者が出てこない」
Research
(中略)
ファーブル昆虫記の中にもフランスの文化を感じさせるくだりがあります。ファーブル昆虫記は題名通りに昆虫について詳しい観察結果を綴ったものですが、ところどころに面白い挿話がはさまれています。有名な医学者のパスツールと出会ったときのファーブルの驚きも一読に値します。パスツールは蚕の厄病について調査し、うまいこと平らげてしまおうとファーブルのいる土地へやってきました。パスツールは繭を手にしてびっくりして言いました。
「何か中にありますね。」
「ありますよ。」
「一体、何があるんですか。」
「蛹です。」
「え?蛹というと?」
「幼虫が蛾になるまえ、姿を変える一種のミイラのようなものです。」
「どのまゆの中にもそんなものが一つ入っているのですか。」
「そうですとも。まゆは、さなぎを保護するために幼虫が編むものです。」
「なるほど!」 (岩波文庫『ファーブル昆虫記』より。)
なんとパスツールは蚕がさなぎになることを知らずに蚕の病を直そうとやって来たのです。そのことを恥じるどころか驚いて感動さえします。さらに驚くべきことに何も知らないパスツールが蚕室衛生に革命を起こしました。その後、医学でも革命を起こしました。日本にはこのような偉人がいなかったせいでしょうか、知らないことを恥じる文化があるような気がします。テレビのクイズ番組のように知識の量やそれを引き出す速さを競うことに熱中します。国際会議などで日本人の質問が少ないといわれるのもこの悪しき文化の影響でしょうか。
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https://staff.aist.go.jp/t-yanagisawa/france.html