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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない? 『曖昧な記憶』


233 :223:2006/07/27(木) 11:14:08 ID:ja8/AXvJ0
すると、今度もすかさずもう一度ベルが鳴り、
『ドコニアルノ』
「どこにいる、の次はどこにある、か…」
M先輩はわけが分からない様子で、呆れて鼻で笑っていました。

ところが、ポケットにしまいかけた時、また鳴ったベルを見たM先輩は一気に青ざめたのです。
「…次はなんすか?」
「…どうしたんです?」
興味津々に聞く私たちに、M先輩は何も言わずにベルを見せてくれました。
『ワタシノアタマガナイノ』とありました。




234 :223:2006/07/27(木) 11:14:48 ID:ja8/AXvJ0
皆に見せた後、M先輩はいきなり怒り出しました。
「ちょ、お前ら。オレが霊感強くて、こういう冗談いっちばん嫌いなん知ってるやろ!」
驚く私たち5人。
「誰やねん!こんなふざけたん入れたヤツ。ちょーもうええし、ホンマやめろや」
まで言った時、またベルが鳴りました。
M先輩の真剣さと、もしかして霊的なことなのかという驚きで、
5人も押し黙って、M先輩が確認する様子を見守ります。

確認したM先輩は「ハッ」とひきつった笑いをすると、M先輩はまた見せてくれました。
『アソボウヨ』
見せながら「誰や」と、M先輩は問い質します。
「お前ら、ピッチ(PHSのこと)持ってるやろ。それでこれを入れてるん分かってんねん」
そう言うと、「とりあえず全員ピッチここ出せ。発信履歴見るわ」と言い出しました。
PHSからメッセージを送るには、メッセージセンターに電話を掛けなければいけないので、
発信履歴を見ると確認できるのです。
「オレちゃいますよ…」と皆口々に言いながら、砂利の上にPHSを出していきます。




235 :223:2006/07/27(木) 11:15:22 ID:ja8/AXvJ0
全員が出し終わって、2~3人目のPHSをM先輩が確認し、
「お前もちゃうな」と言った時です。
またベルが鳴ったのです。
全員のPHSがその場に出されているわけですから、その時点で全員の無実が証明されましたが、
同時に、何やら気味の悪いメッセージが、この6人以外から入ってきていることも証明されました。
「え…」と言って、ゆっくりM先輩はベルに再び目をやります。
真顔で差し出してくれました。
『アタマサガシテ』





236 :223:2006/07/27(木) 11:15:57 ID:ja8/AXvJ0
口々に皆気持ち悪がり、
「誰のいたずらか知りませんけど、なんや怖いっすねー」
「うーわ、めっちゃ怖い!」
「霊や、霊や」
「ほんま誰やね~ん」
と少し興奮しつつ、6人が出した答えは、「他の場所に移動する」でした。
川の近くであまり人気が無かったから、という怖さも大きかったからです。
ゴミを集め、6人は降りてきた石段に向かって歩き始めました。

ピリピリピリピリ、ピリ。ピリピリピリピリ、ピリ。
またM先輩のベルが鳴りました。




237 :223:2006/07/27(木) 11:16:32 ID:ja8/AXvJ0
全員M先輩のベルに群がってメッセージを見ます。
『ドコニイクノ』
それを見た瞬間、全員「うわぁぁぁぁ」とか、「おいおいおいおいおい」とか、「これまじでやばいってー!」など、
悲鳴を上げて走り出しました。
石段を駆け登って、停めてあった原チャにまたがり、
一番に走り出した人の方向に従って、一斉に原チャで逃げ出す6人。

結局、最寄の私鉄駅前まで行って先頭が止まりました。
駅前は自動販売機や、公衆電話の人工の光があり、皆ちょっとずつ平静を取り戻してきました。
「さっきのんはやばかったなー」
「オレこんなん初めてやわー」
「ちょっとー今日寝れへんかもしれんやーん」
と、まだ多少遊び半分だったのかもしれません。楽しいハプニングが起きた、と。




238 :223:2006/07/27(木) 11:17:42 ID:ja8/AXvJ0
駅前の街路樹の枠に腰掛けたM先輩が、しばらくして皆に言いました。
「アレはホンマにやばかったと思う。実は最初からちょっとイヤな気はしてた」
「まじですか?」などと皆がリアクションしてる時に、またイヤな音が鳴りました。
M先輩は「勘弁してくれー…」と言いながらも、見ます。
そして一言、「大丈夫そう…」と言って見せてくれました。
『ドコニイッタノ』
皆「見失ったんちゃう?」と言い出し、一人が「今のうちにバラけて家帰ろうや」と言い出しました。
一人で帰るのが怖いという声もありましたが、程なくその案に皆同意、
各自原チャにまたがって、「ほなまた明日なー」などと言って用意している時。
再びベルが鳴ったのを聞いて、6人はピタっと動きを止めました。




239 :223:2006/07/27(木) 11:20:03 ID:ja8/AXvJ0
ベルを確認したM先輩は、「帰るのは中止。移動しよう」と言いながら、ベルをこちらに見せます。
『ミイツケタ』

信号無視もしましたし、首にかけたタオルが風で飛んでも拾いには戻りませんでした。
24時間開いている喫茶店を見つけ駆け込んだ6人の内、3~4人は震えていました。
ドラマのように分かりやすく震えているわけではなく、
椅子に座ると膝がカタカタ揺れ、それがテーブルに伝わって、シュガーケースがコトコト揺れるような震えでした。
移動している間に、
『ドコヘイク』
『オマエ』
『アタマガナイ』
『カエセ』
『アタマヲカエセ』
と、次々とメッセージが入っていたそうです。
もう既に少し放心状態の5人は、それを聞かされても「そうですか…」といった反応。
確かにクーラーは効いていましたが、ほとんどの人間が「ここは寒い」とも言い出し、
もうどうしていいか分からない状態です。




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